ヒトは親子でよく似る部分が多い。顔かたちだけではなく、性格や運動能力などもある程度は遺伝する。一卵性双生児と二卵性双生児の研究から、性格や体格などは、遺伝の影響が約50%、環境や教育の影響が約50%だが、音楽的な才能は遺伝の影響が90%以上だということが分かっている。


運動能力も遺伝するが、その程度はスポーツ種目によるというのが持論だ。遺伝子が一番ものをいうのは短距離など瞬発力がものをいう競技だろう。次が持久力が重要な長距離系の競技が続く。それに対して野球やサッカーなどの球技、集団で行うスポーツは、遺伝的な素質も重要だが、やはり環境や教育の影響も大きい。


しかし、遺伝子はDNAであり、その情報はRNAに移され、最終的にはタンパク質に翻訳されるだけだ。よく考えてみると、「タンパク質が顔かたちや性格、能力を似せる」ということはなかなか難しい問題なのだ。