昨日、知人と会話する中で「私はインフレ誘導には反対する立場なんです」ということを言われたのでなぜなのかを聞いてみた。
すると、地域の講習会で来られた講師の方が「インフレにすると給与が上がる前にモノの値段が上がります。だからインフレはダメなのです」と解説されたので、そう考えるようになったという。
そこで、私は日本ではインフレになる前に給与が上がるので、その人の説明は違う、と伝えた。しかし、あまりうまく説明できなかったのと、時間的にも余裕がなかったので、ここで改めてデフレの危険性を説明してみようと思う。
(知人もこのブログを見てくれているとのことなので、ここに書いておくことの重要性を感じたため)
◎インフレになる前に給与水準が上がる経過を書いたブログ記事も紹介しておく
デフレ経済を維持したい人たちがよく言う言葉として、
「所得が減少するけども、物価もそれと同じように下がるので、トータルで見れば安く買える商品が増えていいこと」という内容。
確かに洋服なども低価格商品が溢れているし、外食産業も低価格化が進んでいる。牛丼も安くなった。
ところが、現実に物価という基準を見たとき、どの程度の水準で価格が下がっているのだろうか?
(グラフ:三橋貴明ブログ「新世紀のビッグブラザーへ」内データより)
コアコアCPIという消費者物価指数のデータをグラフ化している。これで見ると、だいたい年率で1%から2%の物価下落がある。
では、このグラフをみると、もうひとつのデータも掲載されている。
それは「平均給与」の水準がどう変わっていったかである。
これを見るとわかるが、平均給与の水準の下落率のほうがはるかに大きい。
08年から09年にかけて実に5%程度の下落を見ている。これで買えるものが増えると言えるのだろうか?
(グラフ:三橋貴明ブログ「新世紀のビッグブラザーへ」内データより)
この表を見ていただければ、デフレでどれだけ給与が減少したかを理解していただけると思う。
1996年の平均給与は約470万円ほど。
2011年の平均給与は約410万円ほど。
60万円程度減少している。
これは平均であり、低所得者はさらに減少していくわけで、ワーキングプアと言われる方々を増加させている大きな原因となる。
そして、私が一番に言いたいこととして、物価は絶対にゼロにはならない、ということ。
食品を買うにはかならずお金がいる。100円でも200円でも値段がつく。
ところが、デフレが進行する過程で、自分の職がなくなる可能性が高まる。
企業は売上が見込めない中でなんとか経営しなければならない。利益を出すためにはコストを限界まで引き下げる。そこに解雇という手段はふつうに存在する。いまでは気軽な言葉として「リストラ」と言われ「早期退職」などとして首切りが行われる。そうなると、収入はなくなる。デフレで物価が下がろうが収入がなくなれば買うためのお金を稼げない。
そしてデフレ経済の下では、簡単に次の仕事は見つからないのだ。
物価が上がっていく環境でも、給与がそれに準じて上がっていくインフレと、どこまでも下がっていく給与に対してある程度下がったところで頭打ちになる物価というデフレ。
果たして、どちらが幸せなのでしょうか?ということ。
それを丁寧に説明もせず、ひとつの現象だけを取り上げてインフレにはしないほうがいい、という自称専門家。これが今の日本の現実であり、だから素人の私が経済を解説するブログを書いている。
ちなみに、円安になった結果、原油価格の上昇でガソリンが高くなった。それを受けて経済評論家の方々が「ね、円高のうほがよかったでしょ?」という感じでテレビなどで解説する。
しかし、である。ガソリンがリッター10円上昇した結果、1年でどれだけガソリンに使うお金が増えるか?と考えてみよう。
車の燃費がリッター10km(いまの車からすればかなり燃費の悪い車であるが)。年間5000km走行だとして、年間使うガソリンは500リットル。
10円値上がりしてもたったの5000円のコストアップ。1万キロ走行でも1万円程度の値上がり。
しかし、先ほど見たように、景気をよくして、収入が以前の平均水準へ戻っただけで、いまより60万円の給与の増加となる。10年かかったとしても1年で6万円の増加。それでもデフレで円高のままのほうがいいのか?どちらが得なのでしょうか?というところ。
嘘を信じて景気回復にノーを突きつけてしまうと、結局自分の収入が減る。
嘘は正さなければならない。
かなりしんどいのだが、がんばろう。参議院選挙まで戦いは続くようだから。