安倍総理が金融緩和を明言し、インフレターゲットを設定する、と言ってから日本の円高が是正されてきた。
一時期は1ドル75円を伺うほどの円高だった。あのまま民主党が無策なままであれば確実に70円程度まで円高が進んでいっただろう。なぜなら、アメリカの輸出拡大構想の中では1ドル70円程度の為替レートが必要条件であるとアメリカは考えていたからだ。
現在、88円台まで戻したが、為替レート的には1ドル100円程度での安定が必要ではないかと思う。1ドル120円から150円というラインをターゲットにするべきという人もいるが、原油高騰の今、あまりに円安水準に持っていきすぎてもエネルギー関連のコストが増えるので問題がありそうだと私は思う。
ところで、円安になるとなぜだか日本のメデァア各社は
「円安で輸入が困難になる。エネルギー関連を輸入に頼る我が国では通貨安は危険」などと言いだす。ならば円高でいいのだろうか?と思えば
「過度な円高は輸出企業にダメージを与える。為替介入すべきでは」などともいう。
どっちなの?と訳がわからない。
そして、通貨安にするれば、円が売られることを過大に恐れるのだが、隣にある国々では通貨安で輸出を増やし経済発展を続けていた。
そして、これらの国々のことを誉めそやし、彼らを見習え、と言っていたはずなのだ。
隣の国々を見習えばこそ、円安にすべきである。なぜなら、彼らの輸出増に大きく貢献していたのが通貨安政策だから。リーマンショックのあと、中国は大々的に通貨を発行した。中国は共産党政権であり、日本のように中央銀行の独立性などという野暮なことを言うマスコミや野党がいない。共産党政府が「通貨発行せよ」と命じれば、というか国家主席が刷ろう、と思えばいくらでも通貨を発行できる。そして、その通貨を使って国内に大規模な公共事業をうち、海外の景気後退局面を内需主導で(ただ個人消費の伸びにならないで、官僚の懐に入ってしまったのだが)乗り切ってきた。
韓国も企業に補助金を大規模に配り、輸出に有利になるような価格設定を促し、通貨を安く維持したまま、サムスンなどの輸出を増やした。
さて現在の韓国はウォン高である。韓国の国内では、輸出企業が失速するといわれており、安倍総理の金融政策に批判が出ている。そして日本のマスコミも
「アジアの安定に寄与すべき」などと日本の円安政策が危機を生むと警鐘を鳴らす。
不思議である。
我が国は円高でも「円の価値が高まっている」と言い「円の信認」などと日銀総裁が言っていた。だから金融緩和はやらない、と。金融緩和は円の信認を毀損するからと。
ならば、今のウォン高は韓国にとって「ウォンの信認」が高いはずで、なら外資のお金が流入しやすく、経済にもいい影響が出そうなのだが、なぜそういう論調にならないのだろうか?日本だけが「円の信認」などといって円高を容認し、韓国は通貨高にしないほうがいい、など意味が通らない。
結局はマスコミは円高によって輸出競争力を弱め、韓国のサムスンなどを助けたいだけなのだろう。だから日本の企業が苦しもうが知らんぷりを決め込む。
株価が高くなり、国内の景気が良くなることが嫌いなメディア。
まことに困った存在である。
一般人がこういうことを言わなければならない国とはなんなのだろうか?と疑問であるが、ブログででも意見を書ける今は少しマシなのかもしれない。
昔なら、こういう論調を正す術がなく、間違えたまま景気の回復に邪魔をする報道が垂れ流されていたのだから。