野田総理は、TPP交渉参加へ向けて最後のあがきを見せている。
解散前に余計なことを、と思ってしまう。

なぜならば、今の世界で、どこの国が輸入を増やし他国を潤してくれるのだろう、と疑問だからである。
昨日、国内のGDPがマイナスに転じた、という記事が出た。
そこの記事では
「世界的な不況で外需も見込めない。国内の需要も減少している」という解説をしている。
この記事にあるような外需が見込めない中で、なぜに国際的な貿易自由化で外需を求める政策を推進するのだろうか?
世界規模の不況という。これはいまだに出口は見えない。
なぜなら、ユーロ圏内の財政問題が解決する糸口を見いだせていないためである。
破たん危機の国へ財政出動で景気回復基調へ持っていく必要があるが、ユーロにはそういう手段を打てる権限がどこにも存在しない。
各国政府が自由にお金を刷り、国内インフラの整備など公共事業に充てることのできる財源の確保ができない。各国は国債発行で財源を確保する以外にないが、破たん危機になる国へお金を貸し出す馬鹿な国は存在しない。
だからユーロ危機の収束はまだまだ遠い。だからこそ景気回復に向かえないのだ。
また、ユーロがこういう環境だからこそ、さらに中国や韓国など輸出主導で成長していた国の景気悪化が進む。
中国はユーロなどの外資の資源で経済発展をしてきたが、今そのユーロ資本が中国から撤退し、雇用も減り、土地バブルの崩壊局面を迎えている。
韓国もサムスンなどの電器産業の輸出が鈍化し、さらに自動車メーカーもアメリカで燃費誇張の問題発覚など売り上げ減少という危機にある。
アジアの発展途上国に輸出攻勢などできない。なぜなら、購買能力が日本と違いすぎて、日本の高価な電化製品や自動車は売れない。安価に特化した製品を売るしかない。

ここまで世界が不況に突入しているのに、貿易協定を結ぶなどわけがわからない。
今の世界は雇用、販売市場の奪い合いであり、自由貿易協定はいかに他国へ売り込むために自分たちに有利な条件とするか、で過酷な外交を繰り広げる場となっている。
だからこそ、いまだにTPP条約の締結ができていないのだ。
もともとは夏にはTPP条約締結のニュースが世界を駆け巡ったはずである。
そういうスケジュールがあったからこそ、カンナオトから野田にいたるまで必死にTPPを推進していたのだ。
「バスに乗り遅れるな」と。
ところが一向にバスは発車しなかった。いまだにエンジンすらかからないありさまである。
各国の思惑が入り乱れている現状、素直に話は進まない。
そこに外交音痴の日本がのこのこと参加したところで、日本に不利な条件満載の条約の出来上がりだろう。
また、日本が参加するなら、自分たちの案件はひとまず置いて、とりあえず日本をダマくらかすために早急な条約締結を行う可能性もある。

そんな危険地帯へ焦っていく必要はない。
今は国内でじっくりと景気回復に向けて財政出動の必要性を訴えるべきだ。
インフラの再構築、耐震化免震化を進めることで確実な成長路線へと導くべきときであり、それが理解できている政党へ政権を預けるために解散総選挙を行うことこそ必要なのだ。
野田には「解散します」という最後の仕事だけ認めてあげよう。