わたしは読書が大好きで、だから本屋へ行くのが楽しい。
そこでいろいろなジャンルの本をみて、面白そうなタイトルを見つければパラパラと中身を軽くチェックする。
そういう行為を行っていると、違和感を覚えることが多い。
なぜかと言えば、経済の動向などを扱う本なのだが、「世界がこうなる」と書かれたタイトルが数多く存在するが、破たんすると書く人もいれば、回復する、と書く人もいる。
それはその人の経済動向の予見性だから構わない、とも思うが、しかし逆の意味のタイトルがあれば買う人は混乱する。
さらに言えば、日本円が紙切れになる、とかいうタイトルもある。
日本円が紙切れになる、そういう事態が本当に起こるとすれば備えるためにはありがたいのかもしれないが、外れた場合、これだけの煽り言葉を書いた著者は謝罪するのだろうか?と疑問に感じる。
他にも「中国はこの恐慌を乗り切る」という人もいる。

わたしはいろんな本を読むのだが、日本円が紙切れになるとすれば、その時は日本が世界から消えているだろう、と考える。なぜならば、日本は世界にお金を貸し付けていて、その額は550兆円を超える。その国の貨幣価値がゼロということは、どう考えても円安の水準がとんでもなく進む状態と言える。
普通で考えれば、円がそれだけ安くなれば、日本製品が世界で売れるために、日本経済が崩壊する局面は回避できるはずなのだ。ところがそれができないとなれば、日本国内の製造業が崩壊しているということだ。
この時代でも日本の製造業は元気であり(中小零細は苦しんでいるのは事実だが、世界規模で影響力を持っているのも事実。日本の製造技術がなければ飛行機も宇宙船も作れない)、それだけの技術力をもつ製造業が崩壊していれば国としても成り立っていないはずだ。だからわたしは、紙切れになる円どころか自分の人生のほうを心配する。円をドルに交換とかそんな規模での心配は意味がないだろう。

そして中国。
この国が破たんを回避など言うが、回避することに意味があるのではない。
共産国が経済破たんを回避するくらい簡単である。通貨の切り下げやら通貨発行でなんとでもなる。
国民を貧乏にしても構わなければいくらでも手はある。
ただし、それをやりすぎれば13億人以上いる国民の怒りが爆発し、国内が暴動勃発する危険性が高まる。
共産党がそれをどう抑えるかにこそ問題点がある。暴動を力で押さえつけ、民衆を虐殺するのか、そしてそれをどう世界に対して隠すことができるのか、だろう。
天安門事件のころと今は違う。
携帯で簡単に世界へと配信できる。ツイッターなどで事件を伝えることができる。
中国共産党政府が通信電波を遮断しても、一部に存在する他の地域まで飛ばせる電波をもつ携帯などがあるとそういう手段が使えない。だからこそ今の世界では情報を隠すなど不可能になっている。
そういう視点もなく、ただ中国の国力を過大評価し本を書くなど無責任に思うのだが、それができてしまう。

さて、世界はどう変わるか、とタイトルを書いているが、ユーロが崩壊するかどうかにかかると思う。
ギリシャを切り離すことができるかどうか、ドイツの意固地な姿勢がどう転ぶかだろう。
このユーロ危機がまずユーロ各国へ与える影響を最小限にできなければ、中国も飛んでしまう。中国は世界に対しての影響力を強化するべくアメリカ国債だけでなくユーロ圏の国債も大量保有している。それが時限爆弾となりかねないのだ。
ユーロが経済危機で各国が緊縮財政にシフトすれば、ユーロも深刻なデフレとなり、景気の一段の悪化を招く。そうなると、アジアの輸出が大きく落ち込む。それを救うには大国の景気回復に期待するしかないのだが、日本も変わらずに緊縮財政を続け、ユーロも中国もダメになると出口が見えなくなる。
期待されるアメリカだが、大統領選挙で共和党候補が勝つとそれこそ景気悪化へと向かう。
なぜなら、共和党の理念は「小さな政府」であり、政府の財政出動を嫌うため、緊縮財政を大きく打ち出す。
そうなると、アメリカは金融緩和しか手がなく、金融緩和をすれば投資の資金がエネルギーなどに向かう。
穀物相場、原油相場など高騰すれば世界経済に悪影響を与えることになる。
発展途上国の穀物輸入が危うくなれば食糧危機が世界規模に拡大する可能性はある。

世界はそんなに甘い状態にはなさそうなのだが、日本の政府は景気回復に手を打たないつもりなのだろうか?
消費税などよりも、デフレ脱却に向けて動くべきだと思うが、なかなか政府与党には危機感が見えない。