昨日の記事で消費税増税によって家計から消費に回せるお金が1年で約60万円消える、と書いた。これはあくまで年収で300万円程度の家庭である。
さて、そうすると消えた分の60万円はどこにいくか?と言えばその金額分が消費税となり国の税収になる。
昨日の試算では個人消費で消えるのは5兆円規模になるのではないか、と書いている。
内閣府などの試算では消費税が1%アップすると消費税の税収は2.5兆円程度あがる。と言われている。
ということは3%のアップであるから7.5兆円程度は税収が増えるのではないかと考える。
これは個人消費以外でも企業の購買品目にも消費税はかかるので、計算的には間違っていないだろう。
消費税を上げれば税収も増えるのだから、財政再建につながるのでは?とマスコミなどの情報などからそう思う人もでるかもしれない。
しかしここで大きな問題が現れる。
まず、個人消費が5兆円消える、ということは当然ながら企業の売り上げが5兆円失われるのと同義である。
5兆円というお金。税金で入るとそこでお金の役割はほとんど終える。
しかしこれが企業の売り上げとなると実はここからお金の流れがスタートする。
企業が100億円の売り上げを確保したとき、従業員へ7割程度給与支払いとして使われる。残りの2割を材料費などとして外部へ支払う。残りを企業として次期設備投資や内部留保とする。
となると、9割のお金がさらに支出に回り経済を回す働きをする。従業員は給与で生活をする。70億円のお金の8割から9割は生活費などで支出される。食費や衣服費、遊興費などで使われたお金はお店の売り上げに回る。お店はそのお金で生活をし、品物を仕入れる。仕入れ先の問屋も支払われたお金で生活費に充てる。
などで100億のお金がいろんな人の財布を通り過ぎることで日本のGDPの拡大を促し、みんなが幸せに暮らせる原資となる。
そのお金が5兆円も消えてしまうのだから経済が沈滞するのは当然だと思う。
東日本大震災で被災地域の人が失職した。その時に言われたこととして、2年間の臨時雇用として公務員契約すればいい、というのがあった。
30万人を月収20万円で雇用するのに年間予算はどれくらい必要か?
実は7000億円程度あれば可能になる。
ということは、である。
5兆円の売り上げが企業から消えれば、年間雇用が200万人失われる可能性があるということになる。
これは簡単な推察でしかないので、現実はもう少し少ないだろう。
しかしこれを考えれば、民主党の試算が根本から怪しくなるのだ。
まず、民主党は消費税を増税する分、低所得者層に負担増とならないように年間で2万円など給付する、と言っている。
しかし民主党は現在の人数を考慮に入れて財源確保すれば可能だと判断するだろう。
しかし消費税を上げたことによって景気悪化を招き、失業者が増えることや収入の悪化から低所得者の増加を見ていない。すると、低所得者層が増えることによりさらなる給付のための財源が必要となるはずで、民主党の草案自体が成り立たない。
だからこそ消費税を上げるのではなく、もっと国債を発行し景気浮揚につながる財政出動をやるべきなのだ。
デフレ経済をいかに脱却し、正常な軽いインフレ傾向へ向けて国民を守らなければならない。
デフレが長引くと企業は有り余る供給能力を削減する努力をする。
それが今後、設備がないために作れなくなり、供給力低下からのインフレを招く。
その怖さを考えるべきだと思う。
実際、震災復興にあたらなければならない建設業界は、財務省主導でマスコミが作った公共事業不要論により建設関連企業の供給能力削減から復興に正常な働きができない事態に陥っている。
重機が足りないし、今後の需要を見込めない企業は新しく高価な重機を買い入れる余裕を持てない。
結果としてこれから危惧されている関東や東海、南海などの地震に対処できるだけの建設企業の供給能力が確保できない事態となっている。
これが怖い。
民主党を支持するのも構わないが、日本の未来は結構暗いということを理解しておかねばならないと思う。