この前の記事で、消費税増税の条件に「インフレ率6%程度」にしなければ、景気回復をつぶすと書いている。
そしてインフレ率が高いと価格上昇に対して給与水準が追いつかずに価格高騰で家計が圧迫されるという意味のことも書いた。
では、通常でのインフレだと価格高騰で苦しまないのか、給与水準はそこまで追いつくのか?という疑問を持つ方もいると思うので、少し解説してみる。

まず、日本の現状を正しく認識すれば、現在はデフレ状態である。
デフレとは国内の供給能力に対して需要が少ないために国内に商品が余っている状態をいう。
これは、日本国内の工場などの生産力が高いため。消費が冷えた状態では生産力があだとなり、工場のラインを停止したりして調整をする。
これは旅行などもそうで、国内にリゾート地などをバブルのころに整備しすぎたため、あらゆる場所に観光ができる。しかし消費が冷えてしまい観光までお金を使わない中観光地で顧客の奪い合いをするので価格破壊につながっている。これもデフレとなる。
ここでまず政府が雇用創出の公共事業を行う。ここで年20兆円程度の震災復興プラス災害対策を行えば、地方にも仕事が生まれて、その仕事に従事する人間が増える。すると地方経済が活性化する。
建設業、資材関連などの売り上げが増える。建設業はダイレクトに賃金を支給するために即飲食関連にお金が流れる。
経済が回り始めると企業の売り上げが増える。企業は売り上げ増に対してさらに売り上げを増やすために増産体制を敷くのだが、現在企業には生産調整のために休止していた工場などがあり、そこを動かせば生産増にある程度対応することができる。生産増に対応するため工場を動かすためには人間の確保が必要になるため、雇用が生まれる。となるとトータルで給与額が増える。
賃金が増えた分さらに消費活動が生まれるので、企業が生産をさらに増やそうとする。
この時に企業が設備投資にお金を使うのだが、まずは企業がため込んだ内部留保を使いだす。銀行からの融資を受けて金利を支払うより、内部留保を使ったほうが現実的だから。
ということは、この段階では銀行にはまだ貸し出しに回らないお金が残ったままなので銀行の金利は上昇しない。ということはここでもインフレは起こっていないことになる。
企業が投資をしてさらに生産を増やそうとする。ということはこの段階でも雇用が生まれる。
雇用が生まれるということは、給与を受け取る人が増える。今まで不安定だった契約社員などが正社員として雇用され、安定した状態になるために消費意欲も改善するだろう。
となれば、経済もさらに回るので、企業はさらに設備投資で売り上げを見込む。
この段階で初めて銀行融資を受ける。
ここで金利上昇局面になる。
銀行から貸し出しにまわったお金が増えれば、銀行はお金を集める必要が出る。
結果として銀行預金の金利が上がる。ここでインフレ傾向を確認できることになる。
インフレを確認するには金利上昇を見ていけばいい。金利が低いままであればいまだデフレ状態だといえるのだ。

ここまで企業が売り上げを達成していれば当然ながら給与水準が上がっており、インフレ時期までに今よりも所得が増えているはずだ。
なので、まずは所得が増えて企業の増産につながり、その結果インフレが遅れてやってくる。

にわかには信じられないだろう。
しかし、つい先日自動車メーカーが賃金の交渉で満額回答をしたのをニュースで見た方もおられるだろう。
自動車メーカーは現在、復興需要と補助金政策で売り上げを上方修正するくらい業績がいい。
結果として従業員に賃金アップとして還ってきた。
それでもインフレになっていない。

現実に日本の現状をみれば、このような未来になる。
当たり前に政策をうち、景気を回復させればみんなの所得水準は上がる。
そうなれば、公務員だから優遇されているだとか、大企業だけの優遇策だとか後ろ向きの発言が出なくなるだろう。
みんなが幸せになる政策は日本にはある。
それも地震や災害対策のために国が投資をすることで安全と安心が生まれるのだ。

みんなが正しい認識を持ち、政治を動かせれば、明るい未来は開けるのだから。