民主党が是が非でも実施したい消費税増税。
それでも党内でも意見がまとまらないために、景気動向でインフレ率3%での消費税増税を提言したりする。
これだと一定のラインまで景気回復しているのだから、という言い分。
しかし、インフレ率3%というのはどう考えても低い経済成長率であり、このタイミングでの増税は賛成できない。
3%のインフレだったら問題ないと考える人もいるかもしれないので、ここでは理由を書いておく。

通常の経済は軽いインフレ傾向が望ましい。
インフレ傾向ということは常に市場が拡大していることであり、結果として雇用の安定化につながるからである。
国家経済で考えるとき、一番の問題点は雇用の安定化である。
雇用がしっかりと確保されて初めて国民の生活の安全が確保されるからだ。
貧困化というのはただ貧乏になるだけではなく、教育水準も低下するし、健康状態の悪化も招く。
そして治安も悪くする。
そして、こういう状況に陥る一番の原因が「デフレ」である。
経済成長率マイナスになれば、それがごくわずかなデフレ水準でも雇用が失われる。
その状況に一度入れば、雇用の減少から個人の消費意欲が減少し、企業の収益の悪化から雇用不安というデフレのスパイラルが始まるので、どんどん雇用が悪化していく。
そのために国家の経済政策は軽いインフレ率での景気維持が一番の目標となる。
これが、世界基準の経済政策となっている。

では、インフレ3%で増税がなぜに悪いのか?
実際、インフレ率3%というのは一番理想的な経済状況であり、このレベルのインフレを維持するのが経済的にも安心感があるのだ。
これがインフレ1%の場合、ちょっとした要因ですぐにデフレに転落する。
海外の情勢で円高に振れたりすれば国内の輸出向け企業の業績が悪化したりするので油断ができない。
インフレ率2%~4%程度で安定化していると言えるのだ。
5%程度で少し景気がよくなりすぎで、少し間違えるとバブル化する可能性がある。
6%になると少し価格の上昇が早い。このラインで金融引き締めを行えばインフレを調整することが可能。

インフレ率3%で消費税の増税を行うと経済成長に入りかけた段階で一気にブレーキを踏み、景気を悪化させるだろう。
せっかく苦労してデフレを脱却したのに逆戻りさせるだけになる。
結果として税収が増えないことにつながるだろう。
97年の消費税の3%から5%へのアップの時も景気回復へ上向きだったところでの実施だったために一気にデフレへ転落させたのだから。
だから、消費税の増税へのハードルとしては、『インフレ率6%が3年続いた場合に増税する』とすればいい。
この状況のまま経済を維持していくと、国民はインフレ率の高さに苦しむことになる。物価上昇に耐えられないのだ。だからここで景気を冷ますための消費税増税となる。投資目的のお金を使いにくくするのだ。結果としてインフレ率が抑えられその後に国民の給与水準が物価に追いつく。
しかし、ふつうはこのレベルを維持してはいけないので、政府と日銀は金融政策を通じてインフレ率の抑制を行うはずで、それが効果があればインフレ率は通常3%ラインを上下するはずだ。
そのまま経済成長をコントロールすれば、堅実に税収がアップするし、政府は景気対策にお金を使わずに済み、国民福祉へお金を使える。結果として年金問題も、健康保険の財政問題も軽減するはずだ。

財務省などに無駄な増税をさせないためには、こういう当たり前の経済政策を国民が理解していれば実行しにくいはず。少しでも景気回復に向けて動き出せればと思う。