いまのわたしの経済問題への関心を一気に高めてくれて、理解できるレベルの情報を発信し続けてくれる三橋氏。
この「メディアの大罪」は、TPPや復興増税路線拡大においておおいなる貢献を果たしている(ぜんぜんうれしくない貢献です)新聞やテレビがいかにひどい情報操作やねつ造、報道しな自由を行っているかを書籍として残すことでメディアへダメージを与え、そして国民が知ることで情報の受け手に危機感を持たせる意味を持つ。
三橋氏は過激な煽りなどをしない。
あくまで「数値ベース」の「正しい情報」をもとに本を書き進める。
ひとつの例として、わかりやすいのは
新聞やテレビでは国債の発行額の増加の伸び方を表示して
「こんなに国債が増えているのは、公共工事を増やしてきたからです」などと言う。
しかし、三橋氏はデータを提示して、建設国債の発行額が増えていない、いまは逆に減っており、赤字国債が国債の発行額を急増させている。赤字国債を増やしているのは社会保障費であり、赤字国債を発行しなければならないのは、経済政策を打たないからだ。名目GDPを堅調に伸ばせば赤字国債は減る。と解決策を述べる。
建設国債を発行していないにもかかわらず、公共事業があくまで悪者で、それさえ削れば景気回復するなど、印象操作をテレビがするかぎり、日本の景気回復は果たせない。
新聞やテレビがなぜここまでウソを並べるのか?
新聞がウソを書くはずはない、という思い込みを突く官僚のやりたい放題が透けて見える。
TPP問題はいま、どこまで進んでいるのか?わたしは新聞もテレビも見ないのでわからなくなっている。
TPP問題もこの本では扱う。
一時期、内閣府でTPP参加することで得られる利益として
「2.7兆円のGDP増加」というのがあった。
これはあくまでも「10年で増えるGDP」であり、1年でならすとたったの2700億円だということ。
それを各メディアは肝心の「10年」という部分を消して、単年度で2.7兆円増えるような印象操作を繰り返した。
ところが、本を読めばこの試算自体があまい想定であり無理だろうと思ってしまう。
この試算の根本に
「1$=100円」の為替レートで、TPPを締結しても農業や他事業の雇用が確保された状態での試算らしい。
しかしどう考えても農業にダメージが大きく廃業される人もいるだろうし、外食産業は確実に店舗は減る。
こんな試算を嬉々として新聞の紙面で紹介して、だからこそ今TPP参加すべき、とやっているわけで、馬鹿丸出しと感じる。
しかし、ネット上ではこういう欺瞞が明らかにされるが、テレビと新聞しか情報源のない人だと騙されてしまうだろう。
今のメディアには情報源としての信ぴょう性が大きく欠落しているということを理解するには、こういう本を読み、知識を得て行くしかない時代なのだろう。
一度、書店などで手に取ってみることをお勧めしたい。
ただし、書店には日本の財政危機を声高に叫ぶような内容もあるので注意すべきだが、読み比べればどちらが説得力のある説かわかるだろう。