京の平野屋から江戸に上り新兵衛長屋に豆腐屋を開業する永吉と妻おふみとの話。
永吉は上方と江戸の豆腐の違いからお客をなかなかつかむことが出来ない。
そんな中同じ長屋に住むおふみは献身的に手伝いをし同業者の嘉次郎や相州屋の協力もあり永代寺へ豆腐を納めることがかなっていく。
そしておふみと夫婦になった永吉夫婦に子供が出来る。
というような流れが前半だ。
商売が上手く行きながらおふみの可愛い恋心なども見え隠れして読んでいても爽やかな「陽」の印象を与える
しかし後半に入り永吉とおふみに子供が出来てから様相は一変してくる。
これまで明るく元気だったおふみだったがひょんな事から長男にケガと火傷を負わせ八幡様に願をかけ、更に次男・長女が生まれ両親が相次いで他界することから ゆがんだ性格になってしまう。
まさに後半は「陰」。前半と違ってイライラした気分で読み進めてしまった。
そして年月が経ち永吉もおふみもこの世を去ることになるのだが兄弟三人にはわだかまりが残ったまま。
最後には様々な事情がわかり兄弟が仲良くなるのだが どうもスッキリする話ではなかった。
最後まで行き違えたまま逝ってしまった永吉・おふみへの感情が後味の悪さを生み出しているのではないかと思う。
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