新卒で入社してゴールデンウィークが終わった頃
会社に母から電話がありました。
「あんた名義で100万円を銀行で借りてくれ。」
びっくりして何のお金か聞くと
父が3000万円の借金をして
その利子だと言います。
それって
その100万円て
一週間分位にしかならないんじゃない?
会社が終わった後、
駅前の喫茶店で母と会いました。
母はカルボナーラかなんか食べてて
わたしはナポリタンを頼みましたが
全く手がつけられませんでした。
母は自分の分をさっさと食べ終わって
「それ、食べないの?もったいないからちょうだい。」
とわたしのナポリタンも平らげました。
その後わたしは本家へ向かって
おじさんに土下座してお金をかしてくださいと頼みました。
地面につけた頭から涙が落ちました。
「なんでお前一人なんだ?本人たちがなんで来ないんだ?」
とおじさんに言われて、本家の隣にある実家へ二人を呼びにいくと
二人ともテレビを見ながら
「なんだ、めんどくせえな」
と言ってわたしの後をついてきました。
どこまで逃げてもこの二人は追いかけてくる。
その恐怖はいつもわたしにはりついて
もっと遠くへと東京へ出てきました。
バブル絶頂期、
会社が変わるごとに年収が増える時代でした。
書類審査に通って明日は面接という日曜日のこと。
その前日の土曜の夜、
持参する作品を作り込もうと素材やピンセットを机にセットして寝ました。
日曜日の早朝、
ドアをドンドン叩かれて起きました。
「来たぞ!おい、東京を案内しろ!」
父と母が立っていました。
わたしはこの家庭、親族の中で
だらしないできそこないと呼ばれて生きてきました。
搾取の本質は
利用できるだけ利用する
価値がなくなったら捨てるです。
非利用者に人権などありません。



