前回、鋼(はがね)を焼く お話を書きました。


刃物は薄いので 釜から出てくるときには、反りといいますか、湾曲といいますか、

真っ平らではないのです。

そこで

ある液体にくぐらせて、熱をとり プレスします。

この ある液体 というのは企業秘密です。

急激に冷やすと刃物はパリンと割れてしまうので、

どんな液体の中に入れるかは、重要な要素なのです。


さて、焼入(熱処理)された刃物は、黒くなります。

何でもそうですよね、人間だって日焼けすると黒くなります。

これを、磨いて白くします。女性も磨けば 美しくなります。と信じたいです。

本来の鋼(はがね)の状態よりも 輝くばかりに美しくなります。

磨いて美しくすると同時に刃物の厚みも削って、

お客様の注文通りの薄さに仕上げます。

これで、見た目は刃物らしくなりました。


ところが、このままでは 使いのものになりません。

以前書きましたが

名刀は焼入と腰入れで成り立つのです。

刃物も同じ。腰をいれないとダメなのです。

麺類も腰があったほうが おいしいですよね。

腰がある って よく出来た日本語だと思いませんか?

こういう微妙なニュアンスを表現することができる日本語って 素晴らしい

英語で 腰がある とか 腰を入れる とか

どう表現するのでしょうか・・・