妄想のお話です
現実世界に帰れる方だけどうぞ
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ふわふわと羽根が触れるように頬に触れる感触にくすぐったさを覚えて首をすくめる。
(………あ…そっか…)
重たい瞼をこじ開けたらボヤけた視界にはボヤけた輪郭が映った。
「ン…はよ、もう行くの?」
頬に触れている指先を捕まえたらそのまま絡まってキュッと握り返された。
「起こしてごめん。あと5分で出るから」
「ん、午前中のは見てるね」
「お前もしっかりな」
「たっぷりインプットする時間をもらったからね。次は晒して反応をもらわなきゃ」
俺の言葉にぼやけた視界でも口角が上がるのが見て取れる。
翔くんがパンツの尻ポケットに手を当てた。
そこに入っているのだろうスマホが迎えの到着を知らせたのだろう。
「いってきます」
「ん。いってらっしゃい」
絡まっていた指先が離れていく前に強く引いて手の甲に口づけてからそっと解放するとその手は髪をかき混ぜてから離れて行った。
短くなった髪がよっぽど気に入っているのか切ってからこっち、癖になっているのではと思うほどその指先が触れてくるからこうしてたまに短く切るのも悪くないなとその指先の心地良さを暫くは堪能しようと気にしてないフリをしている。
髪を切ってからもうすぐ2ヶ月経つ。
髪型にも個性の強い役柄にも怒涛の日々にもぼちぼち慣れてきた。
(成長することの意味を教えてくれたのは翔くんだよ)
常に自分を更新していくあなたがいるからそれが当たり前で、その新しいまだ見ぬ世界をゆくことの素晴らしさに魅了されたんだ。
今も昔も、その背中を追いかけてる。
ずっと隣にいられる存在でありたい。
ジャケットの背中を見送って、扉が閉じると共に瞼を閉じた。
… next brand new world
2016/05/16
いらない補足
2016/04/14
夜会番宣日、試写会日の朝のお話