「お客様の中で、お医者様か看護師の方はいらっしゃいますか?」
グアムへ向かう国際線の中。
次男を飛行機内のトイレに連れて行っている最中に事件は起きた。
リアルSNSでたまに見かける、
「今日飛行機乗っていたら急病人が出て、Dr.コールがかかって、手を挙げた。」
という投稿。
ついに、私も出くわした
胸は高なり、
「私、どうすればいいんだろう…今やペーパーナースだし。でも、人命より大切なものはない、きっと夫も既に手を挙げていることだろうから、私も夫のサポートにまわらなきゃ…。」
ドキドキ…
次男がトイレを済まれる少しの間に、私の心の中はぐるぐると色々な考えが駆け巡った。
意を決して、
さぁ、私も名乗り出るぞ!
とトイレから出てくると…
CAさんの周りには、夫を含め4人ほどの男性が。全員医師である。
比較的、軽症なようで誰が診察するか譲りあっていた。
…私、何をあんなに考えていたんだろう。
今回は、医師が偶然にも4人も乗り合わせていたため、私は何もせずに済んだ。
しかし、もし急病人の方が重症でたくさん人手が必要だったら?
誰も医師が乗り合わせていない状況だったら?
トイレの中で、すぐに名乗りでるという選択肢にたどり着けなかったペーパーナースな自分が少し恥ずかしくなったグアムへ向かう飛行機の中。