大切な方を亡くされた喪失感を乗り越えるあなたをサポート。

ロスケアヒーラー 佐々木澄子です。

 

 

新しい環境でスタートした皆様の不安や緊張をほんの少し和らげるエピソードについてお話いたします。

 

 

4月から

新しい環境に身を置く方や、

子供の入園、入学などで

 

 

ハラハラドキドキの親御さまも

多くいらっしゃると思います。

 

 

新しいスタートは

期待以上に不安や緊張を

感じるものですね。

 

 

この時期になると

3歳で保育園に入園した

息子のことを思い出します。

 

 

初登園の日、担任の先生が

出迎えてくれました。

 

 

息子は緊張した面持ちで

「よろしくお願いします」と

たどたどしく挨拶をしたのです。

何も教えていなかったので驚きました。

 

 

3歳でも息子なりに心の準備を

していたと思うと愛おしく思えました。

 

 

保育園生活にも慣れた頃

いつも通り仕事帰り迎えにいくと、

私が来るのをずっと待っていたのでしょう。

 

 

廊下に出て

外をちらちら見ている様子が

遠くからでもわかりました。

 

 

私を見つけるなり

「お母さんこれ見て」と。

見ると、小さな可愛らしい手に

小さな虫がのっています。

 

 

とても可愛いとは言えないビジュアル。

「なんていう虫かな」と聞くと

先生に教えてもらったのでしょう。

「キマワリって言うんだよ」

と得意げに教えてくれました。

 

 

しかしその瞬間、

追いかけっこをしていた男の子が

息子にぶつかり

小さな手から落っこちたキマワリは、

その後を追いかけてきた男の子に

踏んづけられてしまったのです。

 

 

二人の男の子は

「あっ、ごめん」と言って

何が起こったかわからない様子で

追いかけっこを続けていました。

 

 

息子はその悲劇に、

耳と顔を真っ赤にして

体を震わせてボロボロ涙を

こぼしていました。

キマワリも気の毒でした。

 

 

息子はキマワリが可哀そうで

しゃくり泣いていました。

 

 

どうにかなだめ、帰ろうと

保育園のお庭を歩いていると

先ほどの二人の男の子が

駆け寄ってきて

「せーのっ」とお互いに合図し

「ごめんなさい」

と深々頭を下げてくれたのです。

 

 

私も息子も感激しました。

息子は涙をこらえ

言葉にならない様子で

うんうんと頷いていました。

 

 

その男の子たちのお陰で

私は息子にとって、本当に

良かったなぁと思いましたし、

息子は息子で、キマワリに

許してもらいたい気持ちが

叶った心地がしたと思います。

 

 

この出来事は

子供たちの純粋な思いと

保育園の先生方の、いつもみんなが

良い状態におさまるように

日々尽くして下さっている、

私にとって忘れがたい出来事なのです。

 

 

先日息子に

「キマワリのこと覚えてる?」と聞くと

「保育園の時の?覚えているよ。

え?お母さんも覚えているの?」

と驚いていました。

 

 

それもそのはず、20年以上も

経っているのです。

 

 

そして、私たち親子は

お互いに大切な思い出として

心の引き出しにそっとしまって

置いたのだと知り嬉しくなりました。

 

 

このエピソードを思い出すたび

子供たちのような素直な心、

優しい心、ジャッジしない心

そして保育園の先生のように、

みんながより良い状態に

おさまるように心をつくすこと、

 

 

このことをずっと

忘れないようにしようと

スタート時の私の教訓となっています。

 

 

そしてこのようにも思います。

どんなベテランの方も

その道のトップの方も、

「最初」があり

みんな同じ人間だということ。

 

 

なので

4月から新しいスタートを

切っている皆様や、

見守っていらっしゃるご家族の皆様が

 

 

不安や緊張から解放され

これから歩んでいく道が

楽しみとなりますように

お祈り申し上げます。

 

 

ロスケアヒーラー

佐々木 澄子