気象系の青さんの素人妄想BL小説です
side N
ザァァーーー……
ザザァァーーー……
大粒の雨が傘を激しく打付け
音を鳴らし
バシャパシャッ… //
ザァァーーー……
ザザァァーーー……
《…ハァッハァッ……ハァッ……つッ…ハァッハァッ…///》
バシャッ… パシャッ… ///
あの人の元へ早く向えと
レインブーツが乱暴に地面を蹴り上げる
バシャッ… パシャッ… //
飾らない優しい瞳は
いつも僕を気にかけてくれて…
緩やかな弧を描く唇は
あたたかな言葉を紡いでくれる
僕の好きな人……
ザァァーーー……
《…ハァッハァッ……ッ…ハァッ…居たッ…ハァッハァ…》
バシャパシャッ… //
振り向けッ!
僕に振り向けッ!!
今日は特別な日なんだから
それ位の我が儘は許してよね……
…だからお願いッ///
振り向けッ!!!
僕に振り向けッ!!!
バシャッ バシャッ…
ザザザァァーーー……
『…………ぁ………んふふ♪』
振り向いたッ⁈/////
《………大野…ハァッ……さんッ///…ハァッ…》
『…そんなに慌てて…//
雨の中、走ったら危ないよ…』
《…ハァッハァッ………ッ…ハァッ…ですねッ!!》
『…ふふ……はよ♪』
《…ハァッ…おはよう…ハァ…ございますッ///》
それ位、勘弁してよ……
あなたに逢えると思って
急いで来たんだからッ/////
『…じゃあ、行こっか?』
《…ハァ……ハァ……はい/////》
今朝、急に…
“早めに待ち合わせよ”
…って。スマホへメッセージが届いて
慌てて来たんだ……
何の用事かな?
…もしかして…
あのことに関係してたりする?///
身長差のない僕たちは
時折り傘をぶつけ合いながら
同じ歩幅で進んでゆく__
『……あ、ほら!……あげる♪』
突然、傘からはみ出た腕は
僕と同じで細いのに、
僕とは違う男らしい筋と血管が
綺麗に浮き出て
僕に向かって突き出して来た
この腕と手に…
見惚れない日なんて無いんだ……///
《……何ですか……それ?/////》
『…………んふふ♪
もぉ〜濡れるから!…ほら♪』
気がつけば……
車道側を陣取って歩いてくれる
優しくも強引な拳は、
歩きながらも僕の胸の前で停止して
受け取ってくれるその瞬間を
今か今かと待っている__
《ゔぅッ///……ぁ…りがと…ございます///》
『……おうッ!』
丸い金具から、
チェーンによってぶら下がるそれは…
《…………虹?》
『……ふふ…うん♪
…タイトルは……嵐と虹の融合♪』
《………何それ///》
『嵐の後には虹が出るだろ?』
《…それを言うなら雨の後でしょう?》
『どっちでもいいじゃん♪
嵐の後の方がドラマチックじゃない?』
《……意味わかりませんから…///》
受け取った物を手のひらに収めたら
それに残された…あなたの体温が…
手のひらを通して伝わってきて…
擽ったい気持ちになった
受け取った物は、
あなたの得意なフィギュアと同じ素材で
本人曰く…
“ 嵐と虹の融合 ” ……と言った通りの
芸術的なキーホルダーだった
『………気に入ってくれた?』
《……別に…///》
『……んふふ…素直じゃないねぇ〜♪』
《……/////》
素直になったら……
僕に振り向いてくれる?
素直な言葉を伝えたら…
ずっと傘を隣り合わせにして
並んで歩いてもいい?///
それ位で願いが叶うなら……
《…………り……と……///》
『……ん?………何か言った?』
《……ハァ…ありがッ…
『んぁあッ!翔くんッ!?///』
バシャッ バシャッ……
それまで並んで歩いていた
ふたつの傘は
ひとつずつに別れてしまって……
僕はいつも通り、
取り残される側にいる__
「智くん♡…ニノも!おはよう!
…智くん、今日は早いじゃん♪」
《……あ、おはようござ……》
『むぅ〜…その言い方だと、
いつもは遅いって聞こえるじゃん!』
「ふははは♪
いつも寝坊して、一限目から
間に合わないことが多いじゃない♪」
『そうだけとさぁ〜
毎回じゃないぞッ!』
《………》
こうなると…
もう、僕の出番は無くなる
「……あ、今日の放課後はどうする?
いつも通り、家に寄ってく?
勉強…見てあげるよ?///」
『……べッ……勉強だけだかんなッ!///
…この間みたいに…//…
変なことは無しだかんなッ!!!/////』
「はいはい…分かりましたぁ〜…///」
僕の好きな人は、
僕と翔さんの二人が
自分へ想いを寄せているなんて……
そんな事実は知らないようだ
それどころか……
残酷にも僕の目の前で
僕ではない目の前にいる人を想って
頬を紅く染める
《………たぶん、両想い……//…》
『…ふぇ?
カズ?…今、何か言った?』
《…いえ、何も…//》
悔しいから
絶対に教えてあげないんだ……
「…っと、智くん!
急がないと…時間ッ!!」
『うゎああ〜!!
折角、早起きしたのに遅刻なんて…
翔くんッ!カズッ!
行こう♪』
大雨なのに……
さっきまでは走ると危ない…なんて
気にかけていてくれた
僕だけのあなたは何処へ消えたのか…
楽しそうに飛沫を弾ませ遠くなる
ふたつの傘を、ひとり見送る__
《……翔さんには、敵いませんね…//》
あなたの消えた傘とは違い
今はもう僕自身の体温によって
上書きされたぬくもりを
もう一度、見つめる………
雨音がこの何とも言えない気持ちを
全て掻き消して……
雫と共に地面へ
削ぎ落として行ってくれたらいいのに…
カランッ…
《………あれ?……裏に何か……?》
キーホルダーの裏側に当たる部分
ちょうどそこだけは、
唯一、平らになっていて……
あなたの直筆であることが証明される
達筆な文字で……
カズのお母さん
いつも産んでくれてありがとう!
そう……
僕の母親へ向けた
メッセージが記されていた
《………母さん宛かよッ!///》
僕の心を嵐のように掻き乱すのに
最後はやっぱり…
僕の元へ虹を届けてくれる
あなた自身のような
このキーホルダーを……
僕はこれからきっと…
ずっと……
手放すことなく宝物にするのだろう__
fin
ニノちゃん♡
お誕生日おめでとう御座います。
あと数分だけど……笑
お山&いちごのブログだから……
切ない片想いのお話になっちゃったけど……
私は色んな表情を見せてくれる
ニノちゃんが大好きです♡
今日は激動の一日で
2時間も書く時間かけられなかったのですが…
大宮界からお山界へ来た者として
やっぱりお話を書いてみたい欲が浮上しまして…笑
22時過ぎから一気に書く……と言う…
なんとも無謀で
しかも夜間の迷惑な投稿をさせて頂きました。
大変、失礼致しました。
でもでも…書けてよかった……(*´꒳`*)
おめでとう御座いますって言えて良かったです♡
ありがとうございます♡
素敵な夢を……⭐︎
La mimosa