気象系の青さんの素人妄想BL小説です
side S
真夏の太陽を強く浴びる
庇のない窓は
室内にまで遠慮なく
陽射しをとり込んでいた_
数年掛けて見つけ出した
バリアフリーの賃貸アパートに
今まで一度も、
何の文句すら思い当たることはなく
寧ろ、俺みたいな身障者への
至れり尽くせりな設備に
オーナーへは感謝の言葉しかなかった
…筈だったんだが…//
シャーーーー…
「…眩しかったな…ごめん…//」
『………んッ///……ハァ…』
朝日が昇り切る前にベッドを抜け出し
歩行器を頼りに洗面や着替えに向かった
身なりを整え
出掛ける前に声を掛けようと戻れば_
ベッドの上で
タオルケットに包まり
そこからはみ出た後頭部と
昨晩愛したうなじから背中にかけて
太陽からの洗礼が
ガンガンに降り注いでいた……
普段は気にする事なく
開け放ったままのカーテンだったが
慌てて歩行器から手を伸ばし
引っ張るように勢いよく閉めた
「…おはよう…」
『……んんッ///……ハァ…
…ふふ♡…おはようございます///』
俺からの問いに
隠れていた顔を覗かせ
起き抜けの柔らかな表情が
緩く微笑んだ
「…大丈夫か?///」
『……大丈夫…//…ではないの…
…見たら分かりますよね?//…ハァ…』
俺からの次なる声掛けに
それまでの柔らかな表情は消え
気怠そうな視線だけ送りつけてきた
「…そうだよな…悪いッ//
やはりカーテンレースは
遮光・遮熱タイプにするべきだな…
そもそも何故、窓に庇が着いていないんだ?
あれがあるだけで日避けにもなるのに……
今度、オーナーには伝えるべきか…」
やはりこれを機に
カーテンを見直す必要がありそうだ…
次、逢えるタイミングで
インテリアショップ等を巡って
智にカーテンを選んで貰えるだろうか……
序でに、高座椅子も2人掛けへ……
…いや、3人掛けのソファへ替えたい
それからベッドの軋みも気になるし
この際ベッドも新調して……///
カーテンレースに始まり、
次々に智仕様へ変更の案が湧き上がり
カップルが同棲を始める時のような
そんな事が脳内を占めていた俺に
甘い文句の囁きは続いた…
『…カーテン?…庇?
僕が言ってるのは…
そんな事ではないですよッ//
…もぉ〜翔さんってばッ///…ハァ…
あッあの時…性格変わり過ぎなんですッ///
…ッ//…ハァッ…ててッ///』
噛み合わない会話を訂正したいが為に
腕をピンと張り…
勢いよく半身をベッドから離した智が
顔だけこちらを向けて訴えてきた
「…ふはッ///……ごめんなッ//
智が可愛くて…つい♪」
『…そッ//…
そんなこと言ってもダメですよッ///
…いててッ…//…ハァ…』
ダメと言われても…
可愛い声で鳴かれたら…
いつまでも聴き続けたくなるのだから
仕方がない__
『……もぅッ///……ッ//……ハァッ…
僕だって…用事あるんですからねッ///』
昨晩も、俺からの熱い想いを
全身で受け止め_
俺に代わって一人乱れてくれた足腰に
小さくも悲鳴の声が漏れ出て、
タオルケットを纏った中で
猫背になり腰に手を添え摩っている
「…ははッ…悪かった♪
………なあ?…//
やっぱりあの事、考えてくれない?」
『……あのこと?……ぁッ…//
…ありがとうございます///
……でも………今はまだ…』
質問の意味が分からなかったのか
聞き返す為に身体を捻り
俺の方へ向き直った事で…
朝の誘惑に打ち勝つ為、
俺が唯一コイツへする事が出来た
全身を隠していたタオルケットが
肩から滑り落ち、
シーツの上で力なく塊を作った__
そうなると……
「…ゔぅッ///…悪いッ!…それ隠して///
朝からソレは……
…ちょっと…刺激が強すぎる///」
綺麗な肢体を惜しげもなく晒し
俺が愛した沢山の紅い跡を
見せつけてくるから…
堪ったもんじゃなかった///
『……それ?///……んぅッ//…ハァ…』
「うをぉおッ//…
それだよッ!…それッ!!
…こっちに見せんなッ///」
服を着る余力すら与えず…
気を失うまで抱き潰してしまう
俺が悪いのだが…//…
顔だけでなく、
カラダまで向きを変えたことで
露わになった朝勃ちしたこいつの熱に
思わず目を背け……
指差しで告げた
『……ん?………ぁッ//……ふふ///
……先生ぇ♡』
「…ゔぅッ///
それッ…ハァッ…それも止めろッ!
…お前が言うと…
変な言葉に聴こえッ…///…つッ//」
漸く意味が理解出来たのか、
俺が焦り出すと
途端に嬉しそうな表情を見せる智は
ベッドから引き締まった脚を
足先からそっと床へ下ろし……
俺が支えとしている歩行器へ手を滑らすと
ゆっくり腰を浮かして立ち上がった
『……しょッ……と♡』
「…あッ…待てッ!近寄るなッ!」
歩行器を挟み、
肩に腕が優しく滑って来られると…
上半身が途端に密着する
そうすれば…
智の色香に朝から眩暈がする
あまりにも刺激が強過ぎれば
職場で集中出来たもんじゃない…
可能な限り、
コイツから視線を逸らし
天井を見続ける他なかった……
『…ふふ♪……先生ぇ♡///』
俺の首にグンッ…と圧が加わり、
吐息が掛かる頃には
耳元で甘い声が漏れ出ていた…
「翔先生ぇ♡朝からこんなこと……
いいんですかぁ〜♡』
「…ばッ///…馬鹿ッ!///
だからそれを止めろって……っッ//」
耳元で囁かれる事に
意識を集中し過ぎていたのだろう…
片手を奪われていた事にも気付かず、
目的を理解した時には
コイツの硬く反り立つ股間の中心へ
優しくも強引に導かれていた__
『…僕のコレは……健康な男なら、
当たり前の朝の生理現象です♡
……でも、翔先生ぇのコレは…?』
「…っッ/////…智ッ!…ハァッハァッ…
いい加減にッ//…んぁあああッ///」
奪われていた左手から全身へ…
金縛りにあったように
硬直した俺を揶揄ってるのだろうか…
ズボンのベルトを器用に外され
ファスナーを下されると…
すりぃぃーーー……
下着越しに、袋ごと竿を握られ
マッサージする様に
撫でて来るもんだから…
思わず変な声が漏れ出てしまう…
「…ハァハァッ……だからやめッ//…智ッ///」
すりすりぃぃーー…
『………嫌ですッ♡
翔先生ぇだって…
いつも止めてくれないでしょう?
直ぐに大きくしちゃうし…///』
「それは夜だからだろッ?
お前だって悦んで腰振ってるじゃんッ!
…俺は今から仕事でッ…//…
…ゔぅ///…ハァハァッ…」
さわさわッ…
『それは…翔さんが可哀想だから///
可能な限りは、気が済むまで
付き合ってあげてるんですよ…///』
スーー…
はむぅッ♡
「ぐああッ/////…ちょッ…」
視界から一瞬で消え、
パンツ越しにすっかり大きくなった芯を
握りしゃぶられるから…
身体を崩さない為に、
歩行器を持つ手に力を入れた
ヌチュヌチュッ…
「ちょ…と……ぁぁッ///… ハァハッ…
下着濡らしたら…ッ…学校行けないッ///」
はむはむぅッ… チュッ…
ちゅぅぅッ♡
『僕が後で…ハァ…着替え手伝います♡』
「…っ…いやッ///…
もう出ないとッ…仕事が…ぁあッ//」
ちゅむッ…
クチクチクチュ…
『…部活だけでしょう?
土曜日なのに…///
私立高の教員は大変ですね…』
スリスリッ…
「…ゔぅッ///…ぁッ…ハァハッ…
まぁ、そんなとこ…///
…ってか、俺…部活のこと話したか?」
こんな事をしている場合ではないのに
最初は迷惑な気持ちが
大きかった筈なのに……
弱いところを責められ続けると
もう……
吐き出さないと治らない…
『………気になる子……とか、
先生好みの先生とか…
…居ないんですか?/////』
「居るわけないだろッ!!//…つッ///」
智とは付き合って直ぐに
教員である事を伝え…
比較的翌日が休みの時の
週末前の金曜や土曜から
泊まりで逢うようにしていた
でも、部活動やその他の用事があれば
休日返上で学校へ
出向かなければならない…
『…ハァ…ならッ…ハァハァッ…
好意を持たれているとか…
ないですか?//…
…翔先生ぇ…モテそう…//』
じゅぅぅぅッ♡
「ぐぁあああッ/////
…ちょっッ…ハァッ…」
一瞬だが強くて吸われ
イキそうになり歩行器にもたれ掛かる
こういう時、智はギリギリまで
甘く触れ合おうとしてくるから
困ったものだった……
もしかして……
嫉妬………でもしてくれてるのか?///
「あああッ///…もうッ!!
…ハァッ…いッ…居るわけないだろッ//
智で手一杯ッ…
んぁあぁあッ///」
じゅぅぅぅッ♡
…またッ…/////
俺の事に関しては質問も多いが…
智は自分の事を聞かれるのを嫌った
だから名前すら…
俺が知るのは智と言う下の名前だけ_
家の場所も知らないから
逢うのは専ら俺ん家だし…
仕事も適当に誤魔化されていた
だから、こうして……
俺の事を知ろうとした時に
その返答によってはガキみたいに
嫉妬と捉えられる様な態度をとられるのは
嬉しかったりするのだが……
『……そうですか…//
でも………カッコいい翔先生ぇが
他の先生や生徒に余所見しないように
朝の内にお相手して差し上げますね♡』
ヌチュヌチュッ…
じゅうぅぅっッ♡
「ゔぅッ///…あぅああッ…
あぁあッ///」
やっぱり朝からコレは…
刺激が強すぎだった__
。⁂。*゚*。⁂。*゚*。⁂ 。*゚*。⁂ 。*゚*。⁂。*゚*。⁂。
「はぁあああぁ〜…///
結局、今回も流されたッ!」
[先生ッ!ポーズ崩さないで下さいッ!!]
あの時、俺が最初に智へ振った話は…
“ 一緒に暮らしてくれないか ”
…っという話しだった
[先生〜!!!聞いてますかッ!?]
まだ謎が多く
智の全てを知っている訳ではない
でも、社会人とは聞いてるし…
会えない時も何をしているのか
知りたい欲求は増すばかりだし…
普段ゆっくり逢えない平日も
同じ家で暮らせば
帰宅して眠る時だけでも
一緒の時を過ごすことが出来る__
それに、翌週逢う約束をしていても…
急なキャンセルで逢えない事が時々あった
そうなると次に逢える迄に…
2週間、下手すると3週間…と、
簡単に逢えない不安と
逢いたい欲求が増す一方だったので
ここ最近、
俺は智と逢う度に懇願していた__
まぁ……
身障者である俺と暮らすという事は
それなりに覚悟もあるのだろうが__
あれだけ可愛く、
愛情を捧げる相手など…
智以外に現れる事はないのだろうから
手放したくはないし、
何としても側に居てもらおうと
格好も何もつかないが必死だった
[いい加減、顧問らしく適切な行動をして下さいッ!!!]
「…………………………はいッ…//」
目の前にはもの凄い形相で睨んでくる
美術部部長の顔のドアップがあった
[モデルに動かれたら描けませんッ!!
特に、一年にとったらデッサンって
基礎中の基礎で重要なんですよッ!!]
「………わッ…//…悪かった……」
後輩思いの部長を始め
やる気に満ち溢れた美術部部員は、
全員欠けることなく土曜日も
部活動に励んでいた_
[…先生、秋には高文連のデザインコンペもありますし…大野はそのまま先生をモデルに人物画の油絵書くって言ってますし……美術部顧問として、きちんと役目を果たして下さいよねッ!!!!!]
「………承知しました……//」
最近の高校生はしっかりしてるなぁ〜
…と、感心しながら…
生徒から指示された通りのポーズを組み
また静止する__
「……と、言うかさぁ〜、
俺の絵を書くって言ってる大野は?
サボりかぁ〜?
…ってか、美術部とか…さぁ〜
サボりが主流じゃないのかぁ?…//
皆んな、
たまには大野を見習え〜
先生もたまには休日が欲しいぞぉ〜」
そうすれば、智との休日を
ゆっくりと過ごせるしなッ…/////
ガラガラガラッ…
「…ん?…
…おぉッ!おはようッ♪」
[………//…]
[あ!大野くん来たねぇ〜!
早くイーゼル用意しておいでッ♪
デッサン始めてるよ〜]
入部当初からろくに話さない部員が
遅れて美術室へやって来て、
これで部員が全員揃った_
何とやる気に満ち溢れた
生徒たちなのだろう
これで今日も平常通り
顧問として生徒たちの役に立つ為、
車椅子に座り
指示された窓の外を眺めながら
モデル役に徹する__
心の中だけでも
智の事を想い続けることの出来る
まぁまぁラッキーなひと時であった_
つづく・‥…─*