気象系の青さんの素人妄想BL小説です
side S
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闇夜に艶めく謎の青年と
一夜を共にして
朝は朝で…
その無防備な姿に熱を再び抱え
互いの手で蜜を絞り出すという
何とも甘い朝を迎えた
昨晩は風呂にも入らず致してしまった為
歩行器を使用して家の中を移動し、
出来る限り急いでシャワーを浴びた
カラカラカラカラッ…
「…あのッ…腰…大丈夫ですか?//
…えっと……動けます?///」
身支度を何とか整え、
まだベッドに裸で横たわり
タオルケットが捲れたところから
甘い肢体を覗かせる彼へ
そっと声を掛けた
『…ぁ///…ふふふ…ダメみたいです///
ちょっと…脚も力入らなくて…
…すみませんッ…//
お手伝い…したかったのに…//』
視線を合わせたら、
優しく微笑み、力なく返事をくれた
自分の方が動けない状態だと言うのに
人の心配まで……
「……そう…ですか…///」
昨夜は…
所謂、ナンパをされたのだろうか__
もしかしたら…
車椅子ユーザーとセックスは可能か…
…的な?
興味本位で近づいて来たのかもしれない
…俺が車椅子生活になって
間もない頃が…そうだったから…//
俺は元々、健常者__
車椅子など使わずとも
自らの足で立っていたんだ…
勿論、性行為だって自ら腰を振り
沢山の相手を啼かせてきた
でも、それがある日突然
…状況が一変した
同情など、迷惑でしかない…
それに俺は、
犯罪を犯した訳ではないのだから
今まで通り周りの奴らと
付き合えるもんだと……
…最初は何も疑うことなく
周囲へ明るく振る舞っていた
セックスだってそう__
性欲は周りより強い方だったから…
当時、カラダの関係を持っていた奴らを
いつも通り誘って、
少しだけやり方を変えて行為に及んだ
結果は、自滅__
最初こそ興味本位で
カラダを重ねていたのだろう
ほぼマグロ状態の俺に魅力は皆無だ
それまでは選ぶ側の人間だった俺が
選ばれる側に成り果て…
関係を持っていた奴ら全員から
断られることが増え、
自然と…声もかからなくなり…
誘う勇気すら持てずに
プライドはズタズタに傷を負った
ならば人の顔色を伺う必要はない…と、
一人で致せるグッズも一通り試した
だが、相手のいない行為に
それまでのような快楽は見出せなかった
誰もいない空間で一人
息を荒立て
致すことの虚しさと言ったらない
早々に、馬鹿らしくなって…
長くは続かなかった
では__
彼はどうだろう…///
『………あのッ///…
…顔色が優れませんね…//
大丈夫ですか?……僕…
あなたに無理させましたか?//』
眉を八の字にさせて…
とても不安気な表情を見せてくる彼に…
本当に邪心などあったのだろうか?
最初こそ、
下心を感じる一方的な誘い方ではあったが
いざ、行為が始まってみれば…
彼は俺の脚のことを常に気遣い
自分がイクことよりも先に
俺の止まない熱を
解放することを優先してくれた
手で優しくも激しく扱い
上からも下からもどちらの口でも
受け止めてくれた
俺が機能する手を使い
彼の額に湧き出る汗を何度拭いても
煌びやかに汗の雫が宙を舞い続けたのは
カラダだけの関係で
繋がっていた奴らとは違い…
彼が俺に対して献身的であることの
誠意の証なのではないだろうか…
『……あの//…ハァ…んッ///
…僕……迷惑ですよね…//
…ごめんなさいッ//…帰ります…』
パサッ…
それまでベッドに寝ていた彼が
突然、腕を突っ張って
上半身を起こした……
「 あッ!?待って!…下さいッ///
…迷惑ではないので、
まだゆっくり休んでて下さい///
……えと…今日は?
…仕事とかは?…大丈夫ですか?//」
起き上がった事で
タオルケットがシーツの上に落ち…
先ほど、互いの反り立つものを
手で扱くだけだは物足りず
腕で彼を引き寄せ、
可能な限りの箇所に落とした
紅いキスの痕がいくつも露わになった
見てると、
その時の彼のイキ顔を思い出し
また下半身に熱が集中しそうになるので
直ぐに目を逸らした…
モゾッ…
『…つッ//……んんッ//…ハァ…』
モゾモゾモゾッ
ギシィィッ…
「…へッ!?///」
ギギギィッ //
シーツの擦れる音_
ベッドの軋む音__
そして歩行器に圧をかけ
車輪が動いた時に
時折り聞こえる、大きな音と共に…
ふわりと風を含んだ髪が頬を擦り
腰回りにはぎゅっと圧を感じれば
歩行器を挟み
上半身だけが彼と重なっていた_
「…ぁッ///……えっとッ……そのッ…/////」
…ダメだ…///
彼に近づくと色香が漂って
クラクラ… めまいがする…//
離れないとッ//
そう思えど、
腰に回った腕は強く絡まり
歩行器頼りの俺には逃れられないッ///
どうしたものかと、
内心慌てていると……
『…気にかけて頂いて
ありがとうございます///
…嬉しいです…///』
「…つぅッ//…ぁ…えとッ…あのッ/////
あの、何にもない家ですが…
宜しければ休んでて下さい!
シャワーだって…あッ!ふッ服!
適当に着てもらって構いません!
飯も適当に食べてもらって……
あぁ〜つっても…冷蔵庫…何にも無くて
あ、テレビだって//ぁッ…えとッ///
だから夜までッ///…あッコホンッ///
自分が帰るまで待ってて下さい!!」
…大の大人がみっともない…//
何、必死になって
引き止めようとしてるんだ///
でも…//…
このしっとり吸い付く肌を…
まだ手放したくないッ///
もしかしたら…
…俺の無能な脚のせいで…
このまま帰したら
二度目は逢えないかもしれない…//…
俺は…世間から、
見放された人間なんだって…
このまま不条理な人生から
抜け出せないかもしれないッ//
でもッ…
…彼とならッ…//…
…こんなにも魅力的な彼とのこと…
一夜限りで終わらせるのは…
凄く…惜しいんだ…//
久しくそんな願望が脳内を占領し
何とか繋ぎ止める手段があるならばと
格好悪い程、必死になって声を掛けた
『…ふふ…ありがとうございます///
…嬉しい…です…///…でも…
僕ももう少ししたら出ないと…//
また…逢ってください///』
腰に回る腕に
力が加わったのが伝わる__
「もッ//…勿論です!!!
あのッ…えっと…///
自分からも宜しくお願いします!
……あッ!?…すッすみませんッ!
ゆっくり話してたいのですが
そろそろ時間が//……
あッ!鍵!!…えと、
玄関横に引っ掛けてるのが家の鍵です
鍵閉めたらポストに入れといて下さい」
『………』
…どうしたんだろう…//
何故、無言なんだ
まさか、必死すぎて…
…やっぱり引かれてるのか?///
「……ぁ……あのッ//……えッ!?」
心配になり顔を覗き込めば
涙を溜めている瞳とぶつかって焦った…
『……ぁッ//…すみません…//
なんだか…嬉し過ぎてッ……涙が…///』
「…ゔぅッ/////……かわッ///」
なんだこれ⁈
可愛すぎる…///
たった一夜、関係をもっただけの俺に
涙まで流してくれんのかよッ/////
ヤベーよッ/////
『……あのッ///……最後に…キス/////
…して貰えませんか?///
えとッ///……ダメでしょうか…//』
「ももも勿論ッ‼︎
いいに決まってッ…へ⁈
ふんんんッ⁉︎//」
ギギギィ…
控えめに尋ねられた
甘いキスのおねだりは__
俺の返事を言い終える前に、
彼の両手によって首をロックされ
強引に唇を重ねた__
ちゅくッ…
「…んあッ//…
ちょッ…ぁんんんん!?///」
くちゃッ… くちぃッ♡
忙しい朝なんて事はお構いなしに
舌も交えた口づけに…
マズイと分かっていても
下半身に熱が集結していく感覚に
歩行器を握る手のひらの汗が止まらない…
ちゅッ くちッ…
『……ふぅぅッ///……ハァハァハァ…
ごッ…ごめんなさいッ//…ハァ…
…失敗…しました///』
「ハァハァ…なッ何を…ですか?/////」
互いの荒い息で
耳からも感じてるのか…
クラクラ する頭で尋ねた
『…ハァハァ……ハァ…ここッ///』
スリッ…
スリスリスリ…
「ゔぅッ⁈…へッ⁈///
…ぁッ……あのッ///」
首周辺にあった手が
いつの間にか離れ落ち__
俺の熱くなり始めていた股間を
撫でてくるから気が気じゃなかった…
『……抜いときますねッ///
…ハァ…ちょっと…
遅れてしまわれるかもですが…
…できるだけ…急ぎますッ!///』
そんな声と共に、
俺の前から彼は消え__
…同時に耳に届いた音に
更に興奮は高まった__
カチャカチャッ…
ジィィーー…
「いッ!?…いや、そんな必要はッ///
んぁぁあッ///」
バサッ…
ズボンとパンツが落とされるよりも前に
生あたたかなモノに咥え込まれ
脳を突き破るような刺激に…
歩行器を握る手に力を込め
崩れ落ちないようにするのが
やっとだった__
こんな淫らなこと…///
つッ…通勤前に
やっていい行為ではないッ!!
…俺には…//
俺には刺激が強過ぎるッ///
彼によって…
放出するのを許された俺の股間は……
これからも、
彼にお世話になる事でしか
救いはないのだと思う__
『…んふふ♡…行ってらっしゃい♪
…また、会いましょう…///』
終始甘い瞳で微笑んでくれた
彼に見送られ…
漸く、外へ出ることに成功した
大切なことを
彼から聞き出すことも忘れて__
。⁂。*゚*。⁂。*゚*。⁂ 。*゚*。⁂ 。*゚*。⁂。*゚*。⁂。
つづく・‥…─*