気象系の青さんの素人妄想BL小説です
🍓 いちごのお話です 🍓
潤→智
side M
俺が次の恋愛へなかなか進めないのは
完全に、大野のせいだ___
高校時代、
部活や塾、習い事とか
相葉くんや翔くん達と違って
何にも予定の無い帰宅組の俺たちは
2人で放課後を過ごす事が多かった
あの日も、放課後の非常階段で
グダグダと各々好きなことをして
過ごしていたが…
いつもと違うのは、
俺のプライベートなことを…
隣でスケッチブックを広げる大野へ
カミングアウトしてみようと
思っていた事だった
『…バイ…シェクシャリュ?』
「…セクシャルね!
バイセクシャル……意味分かる?」
『んと///…男性も女性も…ってやつ?』
「そうそう!
大野のクセによく知ってんなぁ〜」
『んぁあッ⁈
今、馬鹿にしたでしょ///』
それまでスケッチブックから
離れなかった後頭部が、
一気に角度を変え、視線を合わせてきた
その顔がめちゃくちゃ頬を膨らませて
可愛く睨みつけてくるもんだから…
「あははッ…したッ♪
噛んで上手く言えてなかったし♪
あはははははははッ/////」
「…もぉ〜潤くんったらぁ〜///」
自分で話題を提供してるのに……
大野からの返答が、
もしも期待したものと違ったら…
大野の口から次に出てくる言葉が…
どう言うものなのか…
それを聴くことに怖気付いた俺は、
揶揄い…笑うことで…
少しでも…
心の準備を進める時間稼ぎをしていた
「…ごめんッごめんッ♪♪
……ハァ………えと…//……それで?」
『…んぁ?……何が…ソレ?』
「…もぉ〜//分かってねぇ〜なぁ」
わしゃわしゃッ
わしゃわしゃわしゃッ…
『ちょッ///…じゅッ潤くんッ///
……やめッ…///…』
「あはははッ///…悪い♪
…何か大野といると…
つい、揶揄いたくなるんだよね♪」
それでも、何とか勇気振り絞って
大野からの言葉を聴こうと尋ねたのに
そもそもの会話が成り立ってないんだから
拍子抜けする…
ふわふわの頭を
めちゃくちゃに撫でながら、
弟がいたら…
こんな感じなんだろうなぁ〜…と、
大野と居ると、
この心地いい距離感に癒されていた
『もッもぉ〜///頭ボサボサじゃんッ//
絶対絶対ッ!
揶揄うの禁止〜!!』
「はははッ♪…分かったよ!
やめるやめる…………
はぁあああ〜楽しかった〜♪
…で?
……その……俺のこと軽蔑した?」
『…へッ?……何で?』
「俺が、男も女も好きになる部類で…
…その…//……キモい…とか思う?」
『へ?…何で?』
「もお!お前、さっきから…
何で何でばっかりじゃん!」
『ごめんッ!…でも…
…質問の意図が分からなくて…///
えとッ///…きちんと教えてくれない?』
壊れた玩具みたいに…
何回も同じような会話を繰り返すので、
ちょっとキレ気味に返事をしたら
小動物みたいに
不安気に首を傾げて聞いてくるし…
「…はぁあああ〜…
まぁ、そう言うところが…
…大野の良いところなのかな…///
俺の性的指向を聞いて、
自分もその対象になるかも…って、
…思ったりしない?
もしも男の俺から好かれたら…
その…気持ち悪い…とか、
…付き合い控えよう…とか…//…」
カミングアウトしたとしても…
全員が受け入れてくれる訳ではないと
俺は思ってる
大野はどっちなのか__
……なんだか、信じてみたくて…
親にも言ってない、
人生初のカミングアウトを
目の前に居るコイツにしてみたんだ
『ああッ!そう言うことか!
んふふふ♪全然、気にしないよ〜』
「…そんな…えらくアッサリと…//
…えっと…何で?」
『…え?何でって……
もぉ〜質問が多いなぁ〜……//
潤くんってさぁ〜俺みたいなの…///
…んとッ…タイプじゃないでしょう?』
「…まぁ…どちらかと言えば…
大人っぽい、
落ち着いた人が好みだけど……」
『……ッ//………ふッ…ふふふ♪
ね?…やっぱり…//
僕、そんなんじゃないもん//』
「……そうか?
…まぁ、そうなのか?」
『………ふふ…それにね、
好きになるのは個人の自由でしょ?
応えられるかは別として、
自分の事を好きになってくれる人を…
嫌うとか、キモいとか思わないし、
逆に思われたら…//とっても淋しいな…
ふふ♪…人を好きになると、
優しくなれる気がするな……
だから、まぁ〜
潤くんは潤くんのままでいいんだよ///』
「……お……おの…///」
『…あ……はいッ!あげる♡』
話し終えると、
場の雰囲気を変えるように……
大野が急にスケッチブックから
用紙を1枚破り…俺に渡してきた
「……へ?……何これ?/////」
きっといつものように
空想の中の絵や風景画とか描いてると
思ってたら……
『僕の好きな潤くんだよ♪
……大丈夫だよ…//
…僕にはね…ちゃんと、
本当の潤くん……見えてるよ…///』
「……ッ//////」
破かれた用紙には…
俺以上にイケメンで、
俺以上に勇敢そうで……
俺以上に、優しい瞳を描かれた
俺がいた__
「……////////」
『……潤くん?
どした?…気に入らなかった?』
「……ッ//…」
違う…
気に入らない訳ないよ…///
『…ねぇ〜どうしたの?///
大丈夫?…お腹痛い?…熱とか?』
「……ぁ……ぇとッ///」
ぴとッ
「へッ!?
…ちょッ///…ちょっとッ!!」
返事をうまく返せなかったから
心配させたのか…
俺より低い身体を
目一杯、踵を上げて高さを合わせ…
俺のタイプとは違う筈の
童顔の可愛い顔が…
腕を伸ばして額に手を当て、
熱が出てないか
確かめてくれている…///
『…んむぅ〜//…熱は…ないなぁ〜』
突き出た唇が、超至近距離で…//…
迫っている現状に……
「……ハァ……ぉ……のッ///」
一連の流れから、
もう、俺の中には…
コイツが気にならない存在として
あり続けることは…
出来なくなっていたんだ
「…ぜッ全然似てないしッ///」
『…んぁ?//』
「美大に行くんだろ?
こッ…こんなんじゃ全然ダメッ!!
もっと練習しろよなッ/////」
照れ隠しのため、
思ってもないことを口走ってしまった
『ひッ酷いよぉ〜///それにコレは…
本気で描いたんじゃないんだからッ///
もッもぉ〜返してぇ!!!』
ぴょんぴょん猫みたいにジャンプして
奪い戻そうとしてるけど…
「無理!絶対、無理!!
こんなに下手だったんだぞって
見せつけるのに取っておかないと♪」
『そんな事、企んでるの⁈
潤くんの意地悪ぅ〜/////』
こうやって、普通に接してくれる
大野って……凄いな…/////
『…潤くん…』
「……何?…」
『…潤くんのこと…
話してくれてありがとう///
…僕ね、嬉しかった…/////』
「…ぁッ……ぅん…サンキュ///」
こういうヤツだから……
自分の性的指向で悩み続けていた
多感な時期に__
俺のハート部分に
無意識にスー…ッと入ってきて、
居座り続けてしまうようなヤツだから…
後に、
大野には好きな人がいる……と
相葉ちゃんとニノ伝いに聞いて、
勝手に失恋しかけても…………
なかなか、諦めて次にいけないんだ…
─+゚*。:゚+─◇─+゚*。:゚+─◇─+゚*。:゚+─
まだ月明かりが確認できる夜明け前
たっぷり寝過ぎたらしく、
お腹も空いたし…適当に腹に入れて
着替えでもしようと起き上がった
そして、見た__
俺が休むベッドのすぐ側で
小さくなって蹲る存在に……
『…スーーー……じゅ…く…』
「……幻覚じゃ…なかったんだ////」
涙が出そうな程、胸が熱くなった
起き上がった拍子に
額から湿ったタオルが落ちてきて…
首に触れてた氷枕のお陰で
熱もだいぶ放出できたと思う
そして拳に感じる、
大野の手のぬくもりに……
「…一晩中?……帰ればいいのに…」
瞼が閉じて……
細長いまつ毛が影を落とし
半開きになった唇から時折漏れる
寝息と,寝言に……
確かに聞こえた “じゅんくん” に…
例え、距離感の近い翔くんに
心奪われていたとしても
おれのもんにしたいって…
強く強く思うんだ………
「…大野ッ……大野ッ!」
『…んッ///…ハァ……スーーー……』
「大野ッ!そんな薄着で寝て……
お前こそ、風邪引くぞッ!!」
肩を揺らしてみるが…
『……じゅ…く………ねちゅ……ハァ…』
可愛い寝言で、
俺を困らせてくるし……
「………やめてよね…///
ほらッ!こっち……こいッ!!」
グイッ ///
『んゃああぁ…ふぁ……んっッ///』
まだ不調の身体…
ベッド下に座る、大野を引き上げるのは
かなり体力のいることだったが、
何とか、寝ぼけながらも大野が自分で
這い上がってくれたので
無事に隣に寝かせることができた
「…ハァハァ……ハァ……俺、汗臭いよな…//」
…せめて着替えだけでもしようと
ベッドを抜け出そうとしたら……
大野が気を利かせてベッド下に
パジャマの用意をしてくれてたらしい…
まだ、身体は程々に怠いし、
大野は熟睡して起きる気配ないし…
ベッドの上で着替えることにした
ささっと脱いで…パンツを履いて、
ズボンに足を掛けようとしたタイミングで
『んゔぅ…ハァ…じゅ…く…
…まらんてらいとらめぇ…』
「…は?」
グイッ ///
「うゎあああッ!?/////」
後ろから片腕を掴まれ
ものすごい勢いで引っ張り倒された
『……スーーー……ふふッ…』
「…いや、ちょっと…
……地獄だろ…これ…/////」
何でこのタイミングで、
こんな事になるんだッ!?/////
パンイチ状態で、
ガッチリ腕を背中に回され…
脚も最悪な事に絡まっているッ//
そして、俺の鎖骨から胸元にかけて、
大野の吐くあたたかい息がかかる………
ほぼ真っ裸で、肌を滑る大野の感触に…
一気に俺の俺が……
元気になっちまったんですけど〜/////
「…つッ///…どうすんだよこれぇ〜///」
つづく__♡