気象系の青さんの素人妄想BL小説です
🍓 いちごのお話です 🍓
潤→智
side M
4月の満月は
別名 Pink Moon …て言うんだって
…恋愛成熟とか恋愛に関するお願い事に
効果があるとも言われてるらしい
でもさ、こういうのって
期待したらダメなんだよね……
特に俺は…//
俺の数年越しの片想いは…
結ばれることはないと思ってる
だって相手は、男でノンケ__
けど、ずっと前から
その子といい感じのヤツがいて……
そいつは男な訳よ…
もしかしたら、お互い好きで…
あとは時間の問題だけなのかもしれない
…虚しいよね…
2人とも俺のよく知るダチなんだから…
だから、
俺はダンマリを続けてる
皆んなとの関係を壊さないように__
「…はぁああ〜///」
そんなことを考えつつ、
朝の情報番組を見てトーストに齧り付いた
「……あれ?……何か…マズい?//」
カビとか?
いや、見た目も匂いも問題なし
…何だ?
それに、なんだろう…//
「……だりぃ〜…///」
まだ一口齧っただけなのに
全然、食べれる気がしない……
それに何より、この重だるい感じ…//
「………体温計…///」
ピーピーピー…
37.9℃
あぁ… だからか…
ベッド横のサイドテーブルに
充電したままのスマホを取りに行った
画面を開き…スマホをタップする
✳︎
✳︎
高校時代の仲間とのグループメッセージ
今夜の集まりに
参加出来ない旨を伝えた
高校卒業後は、皆んな進路が別々で
暫く会えてなかったが…
先日、街中で大野と翔くんが
一緒にいるところに出くわして…
久しぶりに集まろうって話しになったんだ
「…はぁ〜…大野のヤツ…///」
相変わらず可愛いかったよなぁ…
…やっぱり…
翔くんのこと好きなのかな?
翔くんだって大野のこと…
…絶対、好きだよね?
互いが話してる時、他の奴らと比べて…
妙に表情が優しいんだよ…
…特に翔くん…//
…どうしよ…
大野と翔くんが付き合ってたら…
「…うゎああ〜……超へこむ…//」
付き合ってなかったとしてもさ、
ダチと取り合いなんて…
そんなドロドロな展開、俺は望まない
「……ダメだ///…ハァ…寝よう…」
熱が上がってきたのか、
火照って気怠さが増してきたので、
市販の風邪薬を呑み、ベッドへ潜った
ピンポーーーン
コンコンッ
ピンポーーーンッ…
「……なんだぁ〜///」
何かの物音で目を覚ますが、
……何だったんだ…?
布団に入ってから
ずっと眠り続けてたんだろう
気づけばすっかり暗くなっていた
ただ、部屋の明かりを付けなくても、
月明かりを眩しく感じる程
部屋に光が差し込むから…
体温計を取り行くついでに
テラスの窓を開けた
シャーーーーーー…
「……あぁ〜…
確か、TVで満月とか何とか…///」
言ってたなぁ〜って…
別にピンク色でも何でもない満月を見て
暫く突っ立っていた…
Pink Moon 恋愛成熟
TVで話しいてた事を思いだし、
ぼぉ〜とする頭の中で
思い浮かんだのは……
「……大野…………すき…/////」
そんな、ガキみたいなことを想う
己の秘めた恋心だった
いいよね?
誰にも聞かれてないんだし…
別に言うつもりもないんだから…//…
「…もしかしたら、今日の集まりで
2人のカップル誕生を祝ってるかも…」
いいなぁ…
……俺も…
気持ち伝えればよかったのかな…
「……体温計…///」
シャーーーーーー…
カーテンを閉めて、
のそのそと薬箱まで移動しようとした時
コンッ //
「……ん?…」
コンコツンッ//
何だ?
…鳥…とか?
たった今、
カーテンを締め切ったテラスの窓に
何かが当たる物音が聞こえてくる
鳥なら糞とかされても困るし
追い出してやろうと…
シャーーーーーーッ
勢いよくカーテンを開けた
だけど、
テラスに居たのは__
「ぎぃやぁあッ//」
ドンドンドンッ
『あぁ〜良かった♪
やっと気づいてくれた♡
潤くん!来ちゃった♪』
大野ッ!?
え?何?
…幻覚!?
俺、熱上がりすぎて
変になったのか!?
目の前の窓ガラス越しに
普通なら居るはずのない大野が
俺に向かって笑顔で手を振っている
『…んふふ♪…開けてぇ〜///』
「…………/////」
やはり何かの間違いだ…
夢かもしれない……という判断に至り、
シャーーー…ッ
「……これでよしッ…///」
そのままカーテンを閉めて
見なかったことにした__
だけど…
コンコンッ
『ちょっと潤くんッ!?
開けてッ!開けてよッ//』
コンコンコンッ…
カーテンを握りしめて…
必死で頭を可動させる
「…ッ//…何で居るんだよ…/////…ハァ…」
『潤くんッ!!開けてッ!
寒いッ!寒いよぉ〜//…へッ…
…へッ…クシッ//……ズズッ……ゔぅ〜
ねぇ〜開けてよぉ〜///』
外は冷えるのか
窓に両手を引っ付けて…
必死で、
ワンコみたいに懇願してきてるしッ…
何だよッ!!
この可愛いのッ!!/////
病んでる時は
目にも耳にも毒でしかないよ…//
「…ッ……ああ〜もぉ〜///」
考えるのが面倒になり
渋々、窓を開けた
カラカラカラッ…
『もぉ〜潤くんッ///
何で直ぐに開けてくれないんだよぉ
夜はまだ冷えるんだぞッ!』
ふわぁ♡
「……幻覚じゃ…ないの?」
開けた途端、
ぷりぷりと怒りを露わにして
俺に攻め寄る可愛い…幻覚?
『…んぁ?…幻覚?…何が?
それより、風邪大丈夫!?
…えと…熱は?』
幻覚かどうか肯定も否定もしない手が
真っ直ぐ伸びてきて…
ぴとッ♡
「つッ//…冷たッ///」
『熱いじゃん!?』
驚いた表情を見せる大野が、
慌てて持ってた袋から何かを取り出し、
冷蔵庫に入れだした
その後も、体温計やら氷枕やら…
母親みたいに手際よく動いている
何で来たのか…
どうして玄関じゃなくて
テラスからやってきたのか……
今日の集まりのことも…
翔くんとのことも…//
色々、聞きたいことはあったけど
どうにも薬が効いて
会話をする元気も出ない…
次第に視界は狭まって…
気がついたら意識を手放していた
つづく⭐︎⭐︎⭐︎