気象系の赤×青さんの素人妄想BL小説です






Side S






ザザザァーーーーーン…


 
   ザザァーーーー…






海から生まれたような

入道雲を見て…






波打ち際に立ち



遠いとこらから

はるばるやってきた波に


足先だけ優しくのみ込まれる___





好き合う人に直ぐ会えないことが

こんなにも淋しいだなんて…



僅か数日で痛感していた__








ザザザァーーーーーン…


 


[翔〜行くわよ〜!!]

「………」



ザァーーーーン…





智さんは元気にしてるかなぁ…




あの人…キス魔なのに、

俺が居なくて我慢し続けるなんて


果たして出来るのか?





ザザァァーーーーン…


翔く〜ん!行きましょ〜

翔〜〜!!返事しろ〜〜!


ザァーーーーー…





…ってか、あの人って、

俺と出逢う前はどうしてたんだ?



好きあってる人とか居たのかな?




やっぱり…

その人とも……キス…///してたのか?




ふにふにって⁈//






あの傷痕は?


俺以外にも見せた人いるの?







ちょっと!翔!!


   



え!?



あの胸の証見て、よく離れられたな!?

守ってやりたいとか思わなかったのか?








智さんは!?



淋しくて泣いたんじゃないのかよ?


ひとり肩震わせてたりしたのかな……




もしそうなら……







[…翔?

「……若葉、…俺は絶対に
 そいつを許さねぇ!!


ドンッ ///

 ビシャバシャッ…


ぎゃっッ!?

いい加減にしろっ!!
 皆んな、待ってるんだよ!!
 ほら、さっさと行くよ!




尻もちをつく形で、

海に突き飛ばされパンツまで濡れた…



なんだよ…

人が考えごとしてる時に邪魔して……




……あ!……でも…


そいつと離れてくれたおかげで…




智さんは、今__

俺と好き合ってくれてるのか?





若葉!!…智さんは…
 これで良かったんだ!!


もぉ〜!!
  いい加減にしろッ!!!



バシャバシャッ
 ビシャバシャッ……


ちょッ!?ガハッ⁈//やめッ!?

 ブクブクブクブク……







顔まで沈められて漸く我に帰る



あぁ〜俺、

また一人の世界に入ってたのか……




若葉のこの怒りっぷり……



もしかして、
さっきからずっと話しかけられてた?







ザザザァーーーーーン…


今日は翔ん家で勉強会の日でしょ!
 皆んな待ってるよ!!


ゲッホゲホコホッ…//……ハァハァ…
 …えぇ〜…俺、
 やるとか一言も言ってないぞ〜…」


ザザァーーー…               

煩い、黙って行く!
 皆んな翔が勉強教えてくれるって
 張り切って集まってるんだから!!
 今更、出来ないなんて無理よ!



拒否権ないのかよ…
 …はぁああああ〜/////


[……サトシさんって人…


ザザァーーーーーー………




へ!?




どこッ!?
どこどこどこどこ!!?
智さんどこ!!!!!




若葉の手首を掴み

どこに智さんがいるのか辺りを見回した





びっくりしたぁ〜///
 翔が最近、サトシさんサトシさんって呪文のようにブツブツ言って呼びかけても上の空だし…
 …元気ないからさ……//
 最近、会えてないの?…って聞こうと思っただけよ…//




ザザザァーーーン




ザザァーーーー…                              




は?


違うのか⁈








「…なんだよそれぇ〜//
   俺、騙されたのかよぉ〜//…あ〜ぁ…





…ガッカリ…




手首を投げつけるように離して

文句を言ってやった






何よッ///…
  人がせっかく心配してやってるのに///
 もう行くよ!!!


「………」






少し歩くと俺の方を振り向いて

改まったような感じで話し出した…





[……翔が、そんな風になるの…
 初めてだよね?
 …なんか、恋してるみたい///
 でも、男の先輩でしょ?
 …いいお兄ちゃんって感じなのかな?
 早く会えるといいね……



若葉ちゃ〜〜ん!
 翔く〜〜〜ん♡♡♡



あ!?ごめ〜ん!
  すぐ行く〜!
 ……ほらッ、行くよ!!




「………」






アイツから見ても

そう思えるってことは…





俺って…




もしやこれは…


…恋の病……ってやつなのか…///








えッ!?



マジ!?









ええ〜

…女子みたいじゃんか……






ダサいじゃん…///


恥ずッ/////
















……でも…/////










「…はぁあああ/////
 ……智さん、早く帰ってきてよぉ…///







遠くの入道雲目掛けて…



恋の病か何か知らないが

ため息の原因でもある智さんへ



重い重いため息を一つ吐いて


誰にも気がつかれないように囁き…



その場を後にした
















ジージージーーー…


カランッ

 ミーーン ミーーンミーーーーー…
   カランコロンッ






カランッ コロンッ…






麦茶を飲み干し、

氷だけ入ったグラスを鳴らす




はぁあああ…///

 


智さんと一緒に飲んだラムネ…

美味しかったな……








今日の分だけでなく、

明日の分まで宿題を終わらせ

庭の蝉といいとこ勝負な女子の会話を

聞き流しながら…



何にもする気になれず、

一人、縁側に座ってボーっとしていた








[ …翔、宿題教えてくれてありがと!]


んぁ?あぁ〜別にぃ……
 ……ぁ、そろそろ帰っ……

今年のッ///………


「…え?…何?」





そろそろ帰ってくんないかなぁ〜って

言おうとしたのを…


上から被せるように話しかけてきたので



早く話を終わらせる為にも

会話の続きを俺から聞き出した__




今年のお祭りも皆んなと行くよね?
 その…///……今年はさ…えっと///




何、ごにょごにょ言ってるんだ?

さっさと話して帰ってほしいのに…//




「……?……何?…」


[…あ⁈えっとさ…
 その///………2人だけで…行かない?///


「…え?ムリ!俺、智さんと行くんだ♪」


[………ぁ/////……そッ…か…//






2人でとか言っても、

どうせ後でクラスの奴らと合流して

皆で担任が見回りで来てるのを

飲み食いしながら探し回るんだろ?




俺、一人居なくても、

誰も気が付かないだろうし…




なによりも…

智さんと約束したんだ/////





…智さんの浴衣姿…/////






絶対、綺麗だと思う!!!







はぁあああ♡♡♡





めちゃくちゃ楽しみぃ〜♡












恋の病は__



その対象の相手にしか

意識が向かないのだろう……



今の俺は、

智さん以外の全てに鈍感らしい



幼馴染からの2人で…と言った真意にも

全く気が付かないほどに…









あの日、

智さんと一緒に沈んだ


あの日の海のように…








深く深く__



智さんに溺れているらしい









おい!話し込んでるなら、
 もう1ページ宿題終わらすぞー!!



キャ〜翔くん♡
 今度は私の隣来てぇ〜〜♪

[えぇ〜まだ勉強するの〜//]

「若葉!しねぇ〜なら帰れよ!!」

[します、します〜〜]







カランッ…



グラスの中の氷みたいに

溶けて一つになれたらいいのに__






 カランッコロンッ……









智さん、

早く帰ってこないと…




…夏休み…終わっちゃうよ…?…
















つづく⭐︎⭐︎⭐︎