気象系の赤×青さんの素人妄想BL小説です






Side S









白い肌が紅く上気して




毛先から零れ落ちるしずくが


肌を一つ一つ濡らしていく








…いやいや…

ただちゃんと自分の髪が

拭けてないだけじゃんッ…//…





…しかも男……






それなのに…///










雨足が強くなり…


慌てて海から近い

智さんの家へ一緒に駆け込んだ俺を



雨が落ち着くまで…と、

中へ通してくれた智さんは…



俺の親へ電話でその事を伝えてくれた





お互い…

海水と砂と雨で…//…

まぁそれなりに酷い状態だったので…




一緒に……と、強引に手を引かれ…


シャワーを浴びて今に至る












……止まない…雨……かな?










半パンを履いただけで

上半身は裸のまま…




縁側に直接座り込んだ肌に…


雫が滑り降りて溶け込んでゆく





同時に…

無造作に放り出された

脚によって作られる腰回りの捻りが…






妙に大人っぽくて…//…










…見てはいけないものを


見てしまったような……/////








俺と3つ違うだけで

こんなにも綺麗な人なんて…




後にも先にも…












……さ…とし……さ…ん/////


……あッ♡…上がった?












この人しかいないと思う…///







「……服、着ないの?///」


(…あ〜…ふふ♪…まだ暑くて…)






縁側で…


窓ガラスを強く打ち付ける程の

激しい雨でも眺めてるのか…



微動だにしない背中に声をかけた









「…でも……
 髪も濡れたままだと風邪ひくよ?
 …身体にもよくないんじゃ…//」






早く隠したほうがいいよ……



なんだか…

見るの恥ずかしいし……/////





そう思い…

身体のことを心配してるって言葉を

あえて強調して伝えると



漸くこちらを振り向いてくれた









でも…




(……もぉ〜…しょおったらぁ〜
 お母さんみたいなこというなぁ〜





「…は?











初めて見る…


口を尖らせながら文句を言って

頬をリスみたいに膨らませた

その幼く可愛い表情に…






一瞬にして

大人なびた雰囲気は消え去った









「…ふははッ//
 智さんが子供っぽいんだよッ//
   髪もびちょびちょだし……


(…あッ⁈またぁ


ミィ〜…






「んッ?何の音?………ああッ!!







智さんの身体で隠れていた

太股の上で…


丸くなった猫を見つけた








(ふふふ♡…しょおと…
 初めて会った時に拾った子だよ♪)


「……そっか…///…
 智さんが面倒みてたんだね♪」


(…ん……でも、本当は…
 このままずっとは飼えなくて…//…
 …飼い主さんを探してるところ)


「……そっか…//」







ゆっくり側へ近づき…






お腹の膨らんだ母猫を


智さんの撫でた手を追うように

一緒に撫でなでした











ナァ〜〜ゴ♪



ッ/…うわぁあ〜///…可愛いッ…///

(ふふ♪…ぅん、可愛いよね…♡)






…あ、でも…


拾った時と比べて…







「……お腹…大きくなったね!」


(うん、そうなんだ♪♪)


「いつ頃生まれるのかな?
 赤ちゃん可愛いんだろうなぁ〜」






それまで…



波のように一定間隔で

母猫を撫でていた

智さんの手の動きが止まった











「…?……智さん?…」


(……)



「…智さん?」



(…ぁッ//…ごめんごめん
 …えっと…//…
 たぶん…夏の終わりごろ…かなッ//








俺からの問いかけに

少し驚いた様子で謝りつつ……




話終える頃には声が小さくなって…

聞き取るのがやっとだった





「…そっか…あと少しなんだッ///
 楽しみだね♪♪


(……ふふふ……そうだね//)




ミィ〜…


あッ⁈……行っちゃった…//」








昼寝の邪魔でもしたのか…



智さんから離れ…

どこかへ行ってしまった


 



(…じゃあ〜…しょお!おいで♪
 髪乾かしてあげる♪

ぅん♪






智さんが笑って立ち上がり


俺の前を通過して

手招きしたからその後に続いた…







薄暗い廊下を2人順に歩き

洗面所に着くと…


智さんはドライヤーを取るなり

直ぐにその場を離れた…







え?…乾かさないの?」


(ふふふ♡……ついておいで♪)







僅かにギシッギシッ…と、

軋む音を鳴らす階段を…



智さんのはだけた華奢な背中を見ながら

上がって行ったその先は…





いくつかの扉がある

1階と同じ長い廊下




そのうちの一つの扉の前で立ち止まると

俺を方を向いて…







……ここ…僕の部屋//……
 ふふ♡…家族以外の人を入れるの
 しょおが初めてなんだッ…♡








髪から落ちる雫が…

先程よりも回数が減ってきても尚、


肩周辺を濡らすと…


どうしても大人っぽく見える///





…と、同時に…


子どものように悪戯に笑う

ふにゃり顔を見せて…






(…どうぞ〜♪)






…扉の先に入ってくから……



どうにも調子が掴めない







…おッ…お邪魔します…///








部屋に入ると…



ジメジメした廊下と違い

先に準備していたのか…



冷房が効いて

少し肌寒さを感じるほど涼しかった





机の上は綺麗に片付けられていて

床も物が置かれることはなく


掃除がきちんとされている





だからかな…

同じクラスの友達の家に行くのとは違い

ちょっとだけ…大人の…///




…中学生らしい…?


それよりも…

もっと年上の人が使ってそうな…?





……いや…



生活感を感じられない

なんだか博物館みたいな…




シンプルな飾り棚に、

小洒落た小物が飾られていたり


整えられた本の並びを見て…





その綺麗な空間に……

少し緊張しながら先に進んだ











(はい!座って♡乾かしてあげる♪)

「…ぅん…///」






ベッドに座り…

いつものニコニコと優しい笑顔で

直ぐ横を軽くトントン…っと叩いて

手招きするから…




いつもの智さんにホッとして…

その指示された場所へ向かう







手招きする手の直ぐ側で


先ほど砂浜で見てから…

一緒にシャワーを浴びて今に至るまで…




もう…隠される事のない


胸元の複数の証が

しっかりと存在感を放っていて…





その事に少し気を取られ

ベッドに座った…











……んふふふ♡…しょお〜//…
 そんなに僕が好きなの?
 向きあって座ったら乾かしづらいよぉ♪

あッ/////…ごめんッ///





パシッ //


(ふふふ♪
 …いいよ…そのままで…///)





指摘を受けて恥ずかしくなり、

急いで反対を向こうと腰を浮かしたら

腕を強く掴まれ…


留まるように言われた…///






その表情は笑っているけど…


なんだか大人っぽくて…///










……ぅんッ/////







腰を下ろした後は…俯き続けた……



















ブォーーーーー…













昼間だと言うのに、

電気をつけない部屋は雨の影響で薄暗く



ドライヤーの激しい音だけが

耳に届くこの空間が…





なんだか……心地よくて……///





  ブォーーーー……





髪を乾かしてもらってる身

じっとして待たなければならないし…




俺は今日起こった出来事を

瞼を落として順番に思い出した…







智さんは…


身体が弱いことが原因で

あんなイジメを受けていたのだろうか…








“あの子たちみたいに
 気持ち悪いって思う…?”





そう…言ってたよね……






胸の傷のこともあるし…

反発しても敵わないって諦めてる感じ?





呼びかけにも応じないまま

海にどんどん入り込んで行って…//





そして……


証と言った…目の前の存在に…













…とんっ…


 ふわぁぁ〜



……ふふ♪…どうしたの?









何事もなく…

今、2人で髪を乾かし合えてることに




心からホッとして…//…






目の前の…

智さんの腹におでこをくっ付けた








何か話しかけてるみたいだけど…





…無視無視…///







いいんだ…

そんな事で怒るような人じゃないし






呼吸と共に動く身体の揺れに…




お風呂の上がりたての

いい香りを漂わせるこの人に…

















…生きててよかった…










ただただ…

そのことを噛み締めたくて……






白くて綺麗な身体に

腕を伸ばして抱きついた…






ひゃッ//……しょお?…

「………/////」







一瞬、身体がビクッと反応したけど…

引き剥がされることもないし…





やっぱり…無視無視……/////








ドライヤーとは違う…



智さんの身体の中の音が

聴こえてくるんじゃないかって程に

片耳を引っ付けて…



耳から伝わるぬくもりに…安堵して…





瞼は閉じたまま……


意識を飛ばした

















✳︎


 ✴︎


✳︎


 ✴︎


✳︎








ぬくもりに包まれて




夢から覚めきれない

曖昧な意識の中で手足を動かせば……





全身で感じる誰かの存在に…








気持ちよくて…


…安心できて……







これって…








お母さん?









…なんだか…


もっと小さかった頃…

お母さんに抱きしめられながら

眠っていた記憶がよみがえる………










凄く心地いい…//



離したくない…



背中に回された腕?……も…

絡まってる脚も…





離して欲しくない…







ずっと…このまま……



…ね、もう少しいいでしょ?













…おか…あ……さん……




















 ふゎああ〜

ふふふ♡……いい子いい子…

















 ?








ぁッ//……ほぇぇ⁇…お母さん?







今、一瞬

耳へ届いた…その声と……



鼻を掠める甘い香りに…








お母さん……じゃない……

そう感じて…




開ききれない瞼を…

眉に力を込めて開けようと試み



頭をそのぬくもりから外した…














…起きた?……ちゅッ♡
 ふふ♪…可愛い可愛いしょおくん♡



「…………」

















ガバッッッ!?///




!?…えッ⁈…は?えッええ!?
 何ッ!?さとッ///さッ//?…は?





意識が漸く鮮明になってきて…



俺はもう…
お母さんと寝ることはないから

これは夢じゃないって分かった







そして…つい先程まで、

一緒に居た人の事を思い出し


目を擦って瞼を開いた…






(あッ//…ダメだよしょお…//
  そんなに擦ると目が傷ついちゃうよ…
  …まだ……寝てていいよ///)




ぎゅっッ♡

 ふゎあぁ〜♡


ふぅぅッ/////




たぶん…布団の中で…

智さんを抱き枕代わりに

しばらくの間、眠ってたのか…






額を当てた時に香ったものより


その持ち主の纏う甘い匂いが

多少なりとも強く溢れて



包み込まれることで……


更に心地よさが増している










…智さんの匂い…落ち着く……スーー…


(…えぇ〜⁈…ふふふ…)







この匂い…



何だろう……





あ、そうか…









「…赤ちゃんの匂いみたい」
(しょおのえっちい)














「………」(……え?











年上に向かって赤ちゃんって…///
 何それ酷いよぉ〜!!

ババババッ…
 バッカじゃないのッ!!







そんな恥ずかしい言葉



簡単に使っちゃう智さんの方が…

…アレ…じゃんかッ⁈/////




「…ゔぅッ///しかもッ…
 まだ服着てないのッ!?
 裸で抱きしめてこないでよッ/////



えぇ〜お説教〜?…ちぇ〜//
 しょおが離してくれないから
 一緒に添い寝してあげただけなのにぃ





また唇を尖らせて

ぷりぷり怒りつつ…



俺を見つめる瞳は…

どこか…優しさを帯びていて…





…なんか、なんかッ…///
 智さん…変なことばかりするし…
 言ってくるからッ//…
 こっちが恥ずかしくなるッ///





目の前の波のような証を避けて…

その胸を押し返した






(あ♡…ふふふ♪恥ずかしいんだぁ〜♪
 可愛いなぁ〜しょおは♡)



ぎゅぅぅぅ…


ちょッ///…ちょっと…やめッ///
 やめてよッ…ハァ…智さんッ/////






突き放したのに…

それよりも強く抱きしめ返されて…



布団の中で攻防は続く…








でも、この試合









 ちゅぅぅッ♡



ふぅッんん〜///…ハァ…
 …ハァ…さとッ//…ふぅんんッ///

 チュクッ♡

…ハァハァ…ふふふ♡暴れちゃだめぇ〜
 もう少しだけ…ぎゅ〜させてね///





やっぱり…

キス魔の智さんの勝ちで…//…





息するのに必死な俺は

呆気なく智さんの胸元へ帰ってきた




ふゎああ〜


ゔぅ///…もぉ〜///





だめだよ…

やっぱり気持ちいいんだよ…



…ここ…///



(しょおも…ぎゅってして?///)

「…ッ///」








ぎゅぅぅ

 ぎゅぅぅぅ…








(…んふふ♡…いい子///)



そうやって…

俺に笑って余裕そうに見えてたのに…





耳へ伝わる…心音は…





「…ふはッ///…凄いバクバクしてる///」


へッ⁈…ぁッ///…やだなッ///
  そんなの聞かないでよぉ〜///


「ふへへ♡…もう、遅いよ♪♪」





ちゃんと…


俺と同じように…

力強く生きているんだって



伝わった
















智さんの心臓さん



俺が守ってあげるから…


また、今度こうした時は…





いつまでも

バクバク煩く叫び続けてね……














つづく⭐︎⭐︎⭐︎