こんにちは♡


本日、3月27日は…
【さくらの日】


それを聞いちゃあ黙ってられないッ⁇
早速、花言葉を調べて…♪



【さくらの花言葉】

「純潔」「優美な女性」「精神の美」

「あなたに微笑む」




これだぁ♡♡♡…と…妄想全開♡


そして今回は嵐さんの楽曲
【忘れられない】

こちらの歌詞に…
翔くんの想いを代弁してもらって…
お話を考えてみました♡


忘れられない…
そんな切ない想いを
ひらひら揺れる桜の便りにのせて♡


La mimosa



それでは…
お話の世界へ

行ってらっしゃいませ♡






side S



悴む寒さの中で

ふとした時にみつけた



桜の蕾を見つめて…




今年もまた…






…俺は期待するんだ……



*✳︎゜゚✳︎*:.。..。.:*・✳︎・*:.。. .。.:*✳︎゜゚✳︎*



ハァハァ…ハァ…

ッしゃーー!あと一周ッ!!!



そこそこ大きな池を挟んで
ぐるりと一周することのできる
地域の公園で……


毎朝トレーニングを欠かさない


すれ違う人とも
顔馴染みの人が増え
互いに追い抜き追い越され…

はたまた
すれ違う時に視線を合わし
人によっては軽い会釈をして


走り過ぎる毎日だ……




桜の開花時期となると
いつも以上に公園の人口密度は増えて



ジョギングが日課の俺としては…

まぁ少々
やりづらさを感じるから…




ジョギング中だけは……

…ちょっとだけ…
桜のことを恨めしく感じている











ぷっは〜〜〜!!



取り敢えず目標の5周を終えて
水分補給がてら…
クールダウンの時間にあてている
いつもの居場所へ…




少し曲がりくねった道の先にある

ポツンと…
一つだけ置かれたベンチへ向かった









んあッ⁈……ちぇッ先客かよッ//



公園内の外れにある場所
…ということで、

普段はそのベンチに座る人など
ほぼ100%居ないのに…



今日は
ボーイッシュな女性?が一人…

ベンチに寄り添うように植えられた
桜の木を眺めながら座っていた





少し様子を伺いながら
ウォーキングがてら近づくと…



「…ぁ……」



視線が合ってしまい

そらせないまま
ベンチの前まで辿り着いた…


そして気づく……




つッ/////

『…んッ?



その人を近くで見て…
息をするのを忘れた自分に…



「…ぁ///」



めちゃくちゃ好みの
可愛らしい人……//…



「…ぁ……えっと…//」

『…ん?……あッ!すみませんッ///
  座りますよね!?……どうぞ///



その人の前から
動かないでいる俺のことを
その人なりに気遣ってくれたのだろう


半分空けてくれたベンチを見つめ





「…あッ……有難うございます///」

『ふふ♪……いえ……//』





風が通り過ぎる音と…


その風によって
空から舞い踊る桜の花びらたちを
視界に入れながら…


もう一度、
顔を見てみたくて…

必死で横目になり
隣の人へ意識を集中した…




「…ハァ………ッ//…」



息をしても良いのだろうか……
…唾を呑み込んでも聞こえはしない?




そんなことばかり
頭の中でぐるぐるまわり…

息苦しさを感じるようになってきた





そんな時…
緊張の糸を解いてくれたのは




『…ぁ!……んふふ♪
 あの…ついてますよ♪』




横から聴こえた
透き通るような声だった



へッ!?えッ!?
えっと…何…が…/////



声が裏返りつつも

ようやくその人を
50㎝ほど離れた近い距離から
見つめることが叶った…




『ふふ♪…花びらです!』



ぶゎああああ/////

「…ゔぅッ/////




目尻を下げて…
俺に向かって微笑んでくれる
その人の周りを…




風と共に桜の花びらが舞い踊る






それが…
あまりにも美しくて





時が止まればいいのに…



なんて…
乙女じみた感情で胸が熱くなった





『…?……ぁの……僕に何か?』











僕?











「……へッ!?男ッ!!?
あなた男なんですか!?
こんなに可愛いのにッ!?






あまりにも…

今の流れに相応しくない
俺からの返答に…


自身のことを『僕』と言った
桜の花びらみたいな可愛い人は…

優しく微笑んだ表情が消え
可愛い目を
クリッと大きく見開いた…





『…ッ//………んふふふふッ//
  …ぁははははははは//


「…へ?……何?…/////」





目の前の…
桜の君とでも言おうか…


先程までの
優しい微笑みとは違い…

今度は無邪気なまでの
愛らしい笑顔を顔いっぱいに浮かべ



空から降ってくる花びらと共に
楽しそうに笑いこける姿に…


もう一瞬たりとも

視線が離せなくなってしまった///





んふふふッ//…ぁッ//すみッ
 …ふふすみませんッ////
あまりにもストレートで…//




ポカン…と…

気が抜けて
更に動かなくなった俺に向かい
詫びの言葉を伝えると

目尻に涙を溜めて
改めて優しく微笑んでくれた





コホンッ//…すみませんッ…
  あまりにも格好いい方に…ふふ
  可愛いなんて言われたからッ//

  …そう言う貴方は?

  もしやイケメンと見せかけて
 …ふふふッ//女性とか?あはははッ





目の前の可愛い桜の君が…
俺のことをイケメンだなんて…///

お世辞であっても
めちゃくちゃ嬉しくて…


心臓が騒がしい






『…ほらッ♪』

ふわぁふゎゎ♡

「…へッ!?






俺と桜の君を覆うように


咲き誇る桜の木から届く
桜の香りと…


ジョギングした事により
自分から放たれる汗の匂いに混じり



甘く優しい香りが鼻を掠める///






今、この瞬間…

俺の頭に触れて
先程よりも近い距離にいる
目の前の彼を……

またしても息をするのを忘れて
見つめてしまう…





『…んとッ……ほらッ♪
 花びらが…ついてますよ!
 …ふふ//まだまだいっぱい♪』


「…ッ///……」





桜の木の下に居るんだから


花びらが頭に付いてても
何も喜ぶことなんてないのに…//


なんで目の前の彼は…

こうも素敵に微笑むのだろう





『……?…お兄さん?
 えっと…大丈夫ですか?』

……櫻井…です…//



さっきから
微笑み返す余裕すら無い俺へ


不思議そうに首を傾げ
話しかけてくれる桜の君に

お兄さん♡

…なんて言われたもんだから
つい口が滑ってしまった…//





「櫻井ッ…櫻井 翔です!」



キョトンとした表情で
俺の頭から取ってくれた花びらを

綺麗な指先が掴んだまま…




『…さくら…ぃ…しょおさん//』




動かなくなってしまった
桜の君に…

口が滑ったついでにもう一言…





「…ッ…貴方の名前は!?

『…え?…僕の?』



そう!貴方の名前ッ!!
 知りたい!!
 教えてくださいッ!!




思わず目の前にかざされた

綺麗な手を花びらごと掴みとり…

恥晒しでも何でもいいから
必死になって尋ねてみた





『……ふふ♪面白い方ですね♪
  僕は…智………大野 智です♪』

「……さ…とし…くん…///」



『…んふふ♪…はぃ、そうです!
 …えっと…櫻井翔さん?』

「えッ!?…フルネーム呼び!?」


『そっちだっていきなり名前聞いて
 いきなり名前呼びじゃないですか…』





いきなり名前を聞き出した結果

急に近くなった距離感に…
嬉しさが込み上げ
それが何を意味するのか

あまりにも突然の出来事だっから



考える暇もなく…




「……ってか、さとしくんの頭にも
 めちゃくちゃ花びら乗ってるよ//」


ふぇぇッ!?
そうなんですか!?
  それならそうと…
 早く言ってくださいよぉ〜!!




この愛らしい笑顔の横に
ずっと居たいと思った



この感情には

絶対に正直でありたいと…





ふはッ♡
桜の木の真下にいるんだから
 そんな事分かるだろッ////
   やっぱり可愛い人だなぁ〜♪♪


ッ/////…もッもぉ〜…さっきから
 可愛い可愛いって…///
人のことバカに
しないでくださぃ///


ふはははッ♡ごめんごめん!!
 でも…
 花冠みたいに降り積もってるよ♡
 さとしくん可愛いから…
 ふはッ//…お姫様みたいだね♪


ほらッ//またぁ〜!///





意味を深く考えることなく

心のままに…




俺たちの関係は歩み始めた





こうして…
大学2年の春に俺たちは出逢い



暖かな春の季節も


暑い夏も……
彩り豊かな秋空の日も

悴む寒さの冬の日も……



この先、数回訪れる
桜の季節を共に過ごした




*✳︎゜゚✳︎*:.。..。.:*・✳︎・*:.。. .。.:*✳︎゜゚✳︎*




ハァハァ……ハァハァ…

「……鉄くせぇ〜!!…ハァハァ…



社会人になって
もう、10年目の冬を迎えた…




俺は今も変わらず

この公園でジョギングすることを
日課にしていた





ただ違うのは……






「……もう少しだな…//」



桜の木の蕾を見ると…



出逢ってから数年

後半は恋人として…
日々を共に歩んできた



…彼のことを

想い出すようになっていた






桜の開花を目前に控え



『次は桜が咲いた時に会おうね///』



なんて甘い顔して

互いの温もりに酔いしれた
まだ寒さが残るある日を境に…



突然

俺の前から姿を消した


智のことを…//…








「……桜の花びらって……」



最期は…
どこに散って消えるんだろう






ひらり ひらり  と…

 はらり はらり と……



青空の日も曇りの日も雨の日も…

その僅かな期間に

俺たちへ
あたたかな優しさを届けた先は…





あの…


俺だけに見せた
甘く優しい…微笑みは……


どこに行ってしまったのだろう







「…クソッ//




桜の季節なんて…

人の密度が増えて走りづらいし

嫌いだ!!……






…でも……




「…居るわけないじゃん///」



やっぱり毎年…


いや…

毎年、毎シーズン…

365日、朝も夜も……//…




桜の開花時期じゃなくても

最後会った時に約束した 
このベンチの前で…


突然消えたお前が


今日はここに居るんじゃないかって




桜の蕾を見ると
期待してしまうんだ…//…





「……なぁ…
約束守れよなぁ〜///グスッ



お前は…
俺との約束忘れてしまったのか…



俺のと想い出は…

嘘偽りだったって…ことなのか?





俺は…




忘れられない





ずっと…


たぶんこの先ずっと……







お前のことを忘れられずに

今年も春を迎えるんだからな…//…





*✳︎゜゚✳︎*:.。..。.:*・✳︎・*:.。. .。.:*✳︎゜゚✳︎*





理由も分からぬまま…

突然消えてしまった
智の残像を追い求めて……





ハァハァハァ…ハァハァ…ハァ

きっつ〜〜〜!!!





ひらひらと…


桜の花びらが喜びに満ちて

舞い踊る季節がやってきた……






「………どうせ…
 居るわけないんだけどさッ//…」




…誰に話してるんだ?


最近…
独り言が増えて調子狂う…




いつもと変わらぬ日課を終えて

誰に向かってなのか…
期待してないと強がりながら…



やっぱり…


今日もあの桜の木の元へ足を運ぶ






あのコーナーを曲がれば見える
いつもの場所へ



結局、いつも通り…足早に…


歩みを進めていると…













ヒューーーーーー…ッ……

うゎあああッ//





向かい風が吹き…
思わず目をつぶった

















ひらり

………ふわり…













「…えッ!?







今、一瞬…
鼻を掠めた覚えのある香りに…





……うそだろッ//…グズッ//




目の前がボヤけ
何も見えなくなる程に

視界を覆った雫を…





それまで

訳も分からず悩んで苦しみ
忘れたくても忘れられなくて…


葛藤し続けた日々の形跡に


別れを告げるかのように…






一粒




また、一粒……と…

花びらの絨毯へ雫を落とし





コーナーの最後には…


淡いピンクの絨毯を
蹴散らしながら…







あの…


俺たちだけの空間へ……


























ひらり

………ひらひらり


ただいま翔くん 


はらりはらり





桜の君と…


最初に名付けた時と
何一つ変わらぬ


…優しく微笑む君に……





遅いからッ// 

ひらり…ひらり…

……ぅん……ごめんね//


……ひらりはらり




いつからそこに居たんだ…と

思わせる程…



満開の花冠をのせた


ふわふわ…と
風を含む頭の君に…///


………ひらひらり





「 おかえり 




両手を思いっきり広げ
胸いっぱいに抱きとめた…






俺と君との想い出は…



ようやく
今年の桜の花びらと共に…



また…


…ゆっくりと

甘く軽やかに舞い踊るんだ…








fin




【桜の花言葉】
「純潔」「優美な女性」「精神の美」
『あなたに微笑む』


智くんが黙って消えていた空白の期間は…

きっと…
翔くんを想って言えない事情が
あったのではないかなぁ〜と…考えてます。
でもそこまで書くと
文字数超えてしまい…泣く泣く断念。

なので…
皆様のご想像にお任せしたいと思います♡


嵐さんの楽曲【忘れられない】に描かれた
あの切ない想いを翔くんに託して…

あの歌が終わる…桜の季節には……
再び歩みを進めるふたりを見届けたくて…

春の切ない妄想をお届けしましたぁ♡
╰(*´︶`*)╯♡

La mimosa