気象系の赤×青さんの素人妄想小説です
※BL・18禁要素を含みます
※男性の入室をお断りします










Side O




大勢の人で賑わう大通り沿いの1階に

チョコレートショップを構えるこの建物は

上の階が従業員用の入口と…

翔くんみたいな来客を接待する個室が

設けてあるようだ…




さっきのひと騒動で、

逃げるように駆けて行った千代子さん


ガチャッ
『この扉だったよなッ…千代子さ〜ん!
 あッ!?…わぁあ〜//』




この扉の先は非常階段で

先程までの雨も止んで雲の隙間から

淡い青空が覗いていた……




『っとッ!足元は…まだ濡れてるな///…』



非常階段は建物の隙間風が吹いていて
肌寒く感じる……


彼女はどこだ?
あれからずっと外だろッ//

…寒くないのか?





下はお店だし……上か?




『…行ってみますか!』

カンッ    カンッ    カンッ……



非常階段を登って行くが

さっき転けた時に

左足をどうやら捻挫でもしたのだろう




カンッ     カンッ     カンッ……

 
『ヒールだし…痛いし……歩きにくいッ//』




一段一段ゆっくり登って行くと

見覚えのある背格好の子が階段に背を向け

手すりにもたれかかり

外の景色を眺めていた……






カンッ  カンッ  カンッ……


『千代ッ…』
[やっぱりあなただった……]




背中を向けてるのによく分かったな……

 

『雨…上がったんだね…
 でもここは風強いッ//
 …ずっとここにいたの?…寒くない?』


[…ヒールじゃ歩きにくかったでしょ?]



あれれ?

俺の質問は無視か〜?



『え?…ふふふ…ぅん……』




千代子さんの直ぐ横まで辿り着いて

同じように手すりにもたれかかって

千代子さんの様子を見ながら外を眺めた…




[…………]

『…中に入ろ?……風邪引くよ?』
 

[……あなた…]

『…うん?…なぁに?』





[…あなた……男でしょう?]


『……えぇッ!?//…ぁ…』




マジかッ!?

もうバレたのか!?



[あはは♪引っ掛かった♡
 …確証はなかったけど……
 爽太の腕に回した手がね…
 私と同じような服きてるのに少し
 骨ばってて違和感がね…]



そっか…

流石、女性の観察力…

ってか…好きな男獲られそうに思えば

相手のこと警戒するのは当たり前か……




『……じゃあ……話は早ぇ〜な♪
 はぁあああ〜…疲れたぁ〜
 んふふッ//さっさと中入ろぅよッ♪』




もう女のフリしなくていいなら楽だ♪

普段通りのトーンと喋り方に戻した




[ええ〜!?いきなり言葉も声のトーンも
 変えちゃうわけ?…もぉ〜女装好きなら
 もう少し頑張ったらどうなのよ!!]



彼女がようやくこちらを向いてくれて

驚くような…

…呆れたような…

そんな笑みを浮かべた




『ばッ……誰が女装好きだって?//
 コレは俺が自らしてるんじゃないの!!』

[だったらなんで女装してるのよ?]




なんでって……




『ん〜〜仲間のため?
 仲間の…プロポーズがかかっててさ…
 …爽太………爽太の幻のチョコレート
 欲しいんだよね!』


[……仲間のプロポーズの為の女装なの?
 あはははッ//なにそれッ♪]


『んふふ♪本当だよね!俺もそう思う//』



完全に呆れられた…



本当、俺も何してんだかって、

呆れて笑っちゃうよ……♪




[……あなた…爽太好みな見た目だけど
 本当に…付き合ってるの?//]


ええッ!?
 俺ってアイツ好みなの!?
 ってか……俺が男っての知ってても
 その質問するの?…』


[だって…爽太は、
 性別関係なく恋愛出来る人だから…]




あぁ…

それも知ってるのか




『そっか……知ってたんだねッ//…』


もちろん!
 どれだけ片想いしてると
 思ってるの!!……それで?
 付き合ってるってのは、本当なの?]


『…うん……って言ったら…どうする?』


えッ!?
 絶対に別れさせてやるッ!!
 諦めたくないッ!!!!




この子…見た目はふわふわしてるけど、

強いなッ……


こんな必死になる程、好きになって

もらえるなんて…爽太羨ましいじゃん♪




『んふふ♪…そっか…じゃあ大丈夫だな♪』


[なッ何が大丈夫なの!?
 ハッキリと言いなさいよ!


『ふふふっ//
 今日一日だけの契約彼女だよ♪
 それで君にバレた時点で…終了だな♪』


[…爽太はそう思ってないかもよ?
 言ったでしょ?悔しいけどあなた…
 爽太好みの顔してるのよ//
 そのふわふわした雰囲気も……
 私と真逆……なところも…//]


『へ〜…まぁ…でも心配すんなッ♡
 俺にはパートナーがいるからッ///』




翔くんっていうパートナーが♡///



爽太なんか…

全く相手になんねぇんだからな!!




[パートナー?]


『んふふ…
 結婚してるって伝えたらいいかな?』


[…あ………そうなんだ……そっか//]





お!?

にやけちゃって分かりやすいな♪




ぉう!…んふふ//だから心配すんな!!
   俺はパートナー一筋だから、爽太なんて
 相手してる暇ねぇ〜んだわッ♡
 まぁ〜……アイツは…爽太は…
 仕事一筋に見えて……
 フラフラしてっから大変そうだけど…
 …たぶん…大丈夫だよ♪
 千代子さんを応援してるよ?』




初めて会ったのに…

…なんか憎めない?可愛いこいつらの事…


少し応援してやりたくなった…//



そして…

早く翔くんに逢いたいなッ///






[……ありがとッ///]


『ぉう♪…それじゃあ〜戻るか?』




良かった…//

2人の気持ちにちゃんと気づいてやれて♪



爽太の言う通りに動いてたら…

めちゃくちゃな事になってたかも……


 

2人で足元に気をつけながら階段を下り

建物内へ戻った……


そのちょうどのタイミングで

爽太が従業員扉から出てきた……




ああッ!?良かった!!
 さとこさん……と、千代子ちゃん…//)


『んふふ♪…ぉう!
 もぅなんも心配しなくて大丈夫だぞッ!
 ほらッ!!千代子さんッ!!』




親指立てて爽太へ合図を送り、

千代子さんを爽太の前に押し出した…




ほらッ
さっさと仲直りしやがれッ♡





[爽太…//…さっきはごめんなさい…]

(いや…俺の方こそ……
   …キツイ言い方//…ごめんッ//)




2人でモジモジしながら
仲直りしてる姿を後ろから眺める……






皆、好きな人を前にしたら…

普段通りの自分なんて……
どっか行ってしまうんだろうか?


爽太みたいに真面目すぎて…
他所にフラフラいくヤツもいるし…


相葉ちゃんみたいに、必死過ぎて…
俺を巻き込んで女装とかとんでもない事
考えたり……


俺だって……
隠し事苦手なのに、
柄にもなく秘密の計画立てたから…
翔くんを混乱させた経験あるし…///…



千代子さんも…
勢いよく行きすぎたのかもしれないな…



でも…

彼女みたいに
ただただ気持ちに素直になれるって


…いいな…//




翔くんも……

いつも何でもストレートに俺へ
言葉を届けてくれて……



…求めてくれて…///



それって…照れるけど…/////

照れて、爽太みたいに突き放すような
素振りを見せちゃうこともあるけど……




幸せなことなんだよなッ///



言われて嫌な気持ちにはなんねぇ〜もん///




俺も……


…素直に……






もっと素直に…
翔くんを求めても良いのかな?/////






[爽太…今までのことも…ごめんなさい…
 私、ちゃんと待つから!!!だから……]



あ、それは……



『千代子さん!
 それは待たなくていいんじゃないかな?』


[え?]
(……さとこさん?)



2人が俺の方へ向いた

…と、その前に任務の報告だな♪




『あ、爽太…俺、男ってバレてるから♪』

(は!?)



お前のその驚いた顔は……

やっぱりその事秘密にしてたつもりか?
彼女にはバレバレだったぞ♪




『彼女は、性別関係なく恋愛対象になる
 お前のことをちゃんと受け止めた上で
 想い続けてたんだよ……

 ただただ真っ直ぐにお前へ気持ちを
 伝えられる千代子さんは…
 とっても素敵だし、貴重な存在だよ!!

 他にフラフラしてる暇あんなら
 さっさとその気持ち受け取りやがれッ!』




ちょっとは…
お節介が役立てたらいいな…




(さとこさんッ……)



『いいか?
 待っててくれたらって言ってたけど
 相手は物じゃねぇ〜んだから…
 さっさと捕まえとかないと、
 お前みたいにフラフラしてたら
 気がついた時には……
 側にいないかもしれないぞ!!』  


[ッ///……さとこさん…ありがとう///]




千代子さんが服の裾を
ぎゅっと握りしめて俺に笑ってくれた



『…んふふ♪
 …爽太、お前の店…人手不足だろ?
 店内の接客する人、
 まだ2回覗いただけだけど…
 見たことねぇ〜し…
 ショコラティエとしてもっと向き合って
 行きたいなら、店を支いあえる人が
 いた方がより仕事に打ち込めると思うぞ』


(ッ///…さとこさんッ!!!それはッ…)




よし!!
お節介はここまでかなッ♡




『お前も俺も……
 もっと素直になろうよッ!!

 俺は千代子さんに教えてもらったよ?

 ま、後は…
 俺の知ったこっちゃないけどな♪
 それで?
 今回の任務の大本命…
 ホワイトカカオはGET出来たのか?』



そこが一番重要だからな!!
待ってる人がいるんだからッ!!



(えッ?…あ、はい……)




爽太が大切に抱えている荷物を
少し上に掲げて見せてくれた……




『そっか♪…んふふッ良かった♪
 …じゃあ、俺が男ってバレたし
 ちゃんと金払うから…
  幻のチョコレート♡
 まさこちゃんの分だけは必ず頼むな!
 連絡貰えたら取りに行くよ!!
 じゃあなッ!!


えッ!?帰られるんですかッ!?


おぅ!帰るッ!!
 お前ら見てたら俺も早くパートナーに
 逢いたくなった!!
 うめーメシでも作って
 待ってやりたいから……///…ぁ…
 …いや、俺が待ちたいから帰るッ!!
 さっさと帰るッ!!!!じゃッ!




これ以上は…

お前たちに付き合ってる暇は
ないんだよッ//




[さとこさんッ!!ありがとう!!///]

『んふふ♪じゃ〜ねぇ〜♪』




千代子さんと手を振り合って

その場を後にした……











翔くん……






…翔くん、早く逢いたいよッ…//





今日から暫く、
すれ違いのスケジュールだけどさッ…

翔くんが帰ったら……

寝てても
絶対起きるんだッ!!!!



そして
絶対翔くんとキスしてやるッ///



アイツにされたキスのまま暫く放置なんて
俺の唇辛すぎんだろッ!!






裏切りのキスの事は……


『んふふ…どうせ隠せないんだよね//』




相葉ちゃんのプロポーズが
上手くいったら…ちゃんと謝ろう…



怖いけど……




でも、翔くんなら許してくれるよね…//…








…また、縛られそうで怖いけど……//








翔くんッ///






『あ、相葉ちゃん!!
 相葉ちゃんにも任務完了の連絡
 入れとかなきゃな♡んふふ♪
 きっと喜んでくれるな♪』




通りに出て、
タクシーを拾い乗り込んだ…








帰ろう


俺と翔くんのふたりの家へ……





































つづく♡