気象系の赤×青さんの素人妄想小説です
※BL・18禁要素を含みます
※男性の入室をお断りします











Side O






[ちょっとー!
 アンタその手、離しなさいよ!!]

『爽太くんと付き合ってるのは…わッ私よ//
 貴女こそ…離れたらどうなの?//』



…く…



はぁあぁあーーー!!!
 
…く……

『…ふッ…ふんッ//…』






くだらねぇ〜〜



も〜!!台本とかないから

こんなんでいいのか…


不安でしかないしッ//




(…なぁ…千代子ちゃん
 さっきも言ったけどさ…//…
 さとこさんと付き合ってるんだよね…
 …だから…離してくれないかな………)
 

ぇッ…//やっぱり…本当の話しなの?]
 


さっきまでぷりぷり怒っていたかと思えば

今度は涙浮かべて…

今にも泣き出しそうになってるし…//…



なんか……

ちょっと可哀想…




ゔぅ…罪悪感…//



チンッ //


(着いた!
 …ほら、さとこさん行きましょう♡
 ホワイトカカオが待ってます!!!!)


『えッ!?…あッ//…はい……えっと〜//
 ……千代子さん?』





爽太と彼女の会話を聞いてると、

彼女のことが少し気の毒に感じて……




俯いて立ち止まったままの彼女へ

声をかけた






[…何よ…何よ何よ何よぉ!!


ドンッ //

    トスンッ//
んぁッ///ぃッ……たッ//…』



千代子さんが混乱するように

叫びながらエレベーターから飛び出した



その時無意識にぶつかったのだろう…



膝をつく感じで盛大に転けてしまい、

靴が脱げた…



ぁッ……私ッ//…]



不安気に俺を見てくる姿に

ワザとではない事は直ぐに分かった



さとこさんッ!?///…大丈夫ですか?
 ちょっと千代子ちゃん!!


『だッ…大丈夫!…大丈夫だからッ!!//』




これ以上心配かけると千代子さんが

完全悪者になってしまうから…


爽太へ手のひらをかざし待ったをかける




[…ごめん…なさぃ…//…]

『んふふッ…//…大丈夫ですよ…』

(立てますか!?)

『…はい♪』



…と、笑顔で返したものの…


ちょっと…
足首が痛くて直ぐには立てないッ//…




[…ねぇ嘘だよね?…付き合ってるって//]


だから何度も言ってるだろッ!


ビクッ  ビクッ//
ひィッ//…]『びッ…くりしたッ…




どうしたんだ?


さっきまでタジタジだったのに……

今度はキレて…



(ほッ…ほんと…昔っから変わらないよね//
   …迷惑…なんだよね……//)


ちょッ⁈爽太!?
 …それはちょっと…言い過ぎじゃ…//』


ゔぅ〜ッ//

あぁッ⁈…』




爽太のヤツ…

俺には大人びた雰囲気で

調子に乗って揶揄ってくるくせに……




千代子さんには…

遠慮してたかと思えば……突然キレて…



半端なく当たりが強くなった//




俺、まだ店出して数年だしッ//…
 …待っていてほしいって言ったのに…
 全然待っててくれないし…///…
 今、構ってやる暇なんてないの!!!!




ん?

…待ってて?




[でもッ…こッこの人は?
 …この人とは何で付き合えるのよッ!!

えッ⁈…あぁ〜…彼女は〜…
 …おッ…お店関係の方だしッ!
 大人な付き合いが出来てるからッ!!


『………』




爽太のやつ……



彼女に自分への思い諦めさせたいって

言ってたけどさ…



それなら俺に接する感じで…

冷静に突き放す方が効果的なんじゃないか?






なんか……


終始必死だし…

…コイツにしては手こずってないか?




なんだろう…

常に彼女に対する情を感じるのは…


俺の…

…勘違いか?




[ゔぅ……爽太酷いよッ……
 ショコラティエになったら
 一緒にお店出そうって言ってくれたのに
 私、置いていくし……//]




は?

そんな約束してんのかよッ…

それって…爽太、お前……




だからッ…それはまだ何にも知らない
 ガキの頃の話だよねッ!!
 もう少し…もう少し待っててくれたらいいのにッ……もぅ……
俺のことはほっといてよ!!!



[ゔぅッ///…酷い…酷いよぉ〜!!]

あッ!?…千代子さんッ!?

(あッ………ッ///…)




大泣きして通路の先へ

走って行ってしまった…





えっと…これって…

一応、修羅場……だよな?





…どうするべき?



自信はないけど…

…取り敢えず…

冷静じゃない爽太よりは…

…俺が彼女のフォローでいいよな?



それでコイツはカカオでいいよな?




千代子さんのことは…
 わッ私…行くから大丈夫!!
 爽太は取り敢えず
 お師匠さんの所へ行って…?
 そんで…ついでに頭を冷やして来い!
 最後は言い過ぎだッ!!

(…さとこさん…//…)




転けたまま動けず、床に座り込んで

騒動の一部始終を見ていた俺は

取り敢えずどこかに行った靴を探した……






その時…


ガチャッ //

「…智くん?
 ねぇ!今、智くんの声したよね!?」
  




…⁈


翔くんッ!?




そうだったぁ〜!!!!!


上には…
翔くんが居るんだったッ!//




どッ…どうしたらッ




[確かに…大野さんの声…ですが……]


!?…あ…あれぇ〜?
 …さっきのスタッフさん?
 あっ…えっ〜と…
 大丈夫?……彼女……転けたの?」




ビクッ ///
つッ!?…』




彼女って……俺のことだよなッ//


え!?…あッ…えっと//…


「…何?…喧嘩?…さっき怒鳴り声…
 聞こえてたよな……あれキミ?…」


(え!?…あッ//…すみませんッ)


「やっぱり…ダメじゃん彼氏くん!!
 …あ!……ほら、彼女さんの靴…
 ここまで転がってきてますよ〜」


(あッ…ありがとうございます!!
 えっとッ……僕がッ!!)


「いや、大丈夫…
 今、君たち…喧嘩中だろ?
 君の声…凄かったし…
 …ちょっと頭冷やしなよ…」




ひッ…

翔くんが近づく
足音が聴こえてくるッ///

もぉ〜〜俺…
どうしたらいいんだよぉ〜




兎に角、顔と声は絶対バレるから…

俯いてダンマリを続けるしかないッ…//






ふわぁッ

あッ//…翔くんの匂いッ/////




「……大丈夫?」


わぁああーッ耳元近くで
喋らないでよぉ〜



コクコクッ

ゔぅ…頷くしか出来ないッ//


「痛いところない?」


コクコクッ


翔くんッ//…気付かないでッ//…




「ほらッ…立てる?」


グイッ//
へッ!?/////




うゎあああッ!?

嘘うそッ!?
腕掴まれたしッ!?…



翔くんが俺の腕を引っ張って

立ち上がるのを手伝ってくれた…///


流石に…無視できないじゃんかッ!!



…ッ//……あッ…ありがとッ//



えッ!?………ははッ…まさかね…//
 ほら?…肩もどうぞ?
 靴、履ける?…手伝おうか?」



翔くんが靴を側に置いてくれて

今度は翔くんだけがしゃがみこんだ…






バレたら…終わる……



…いろいろ終わる……




震える手で袖を伸ばしに伸ばして

手が見えないようにして…


翔くんの肩に手を置いた





あッ!……君も
 トゥーリングしてるんだね…//」


『へッ!?』





ヤバい!?



トゥーリングのこと
忘れてたッッ//



慌ててリングを隠すように

もう片方の足を乗せた…/////



「あッ///…ごめんね…女性の足を//
   まじまじと見たら履きづらいよね?//」



気付いてない!?

…気付いてないよね!?




翔くんから貰った

結婚指輪と同じ意味を持つ…


俺と翔くんだけの秘密のリング




『ッ/////』


 「本当、ごめんね//…
 君の他にトゥーリングを
 付けてる人知っててさ…/////」




翔くんッ///…

それって俺のことだよなッ…



頬が赤いよッ//……



あぁッ…こんな姿じゃなければ

抱きしめたい状況ッ/////




スッ…
 コンッ


よそを向いてくれたお陰で

漸く靴を履くことが出来た…//…



「よしッ!履けたね♪…じゃあ行くねッ!
 ふはッ//松潤似の彼氏くん!
 …彼女さんと仲良くね!」


(あッ…はいッ!!
 …有難うございました!!)


「じゃあね!
 …足首お大事に♪」



ズキッ…
『/////』




話せないから

お辞儀だけはしっかりした




それにしても…

翔くんッ/////



俺じゃなくても

…誰にでも優しいんだなッ//




翔くんに助けて貰った…けど…

俺と分かってなくて…


…そんな知らない女性でも困ってたら

助けちゃうんだ……


爽太にもフォローの声かけてるし…



そう言う優しいところ…

…大好きだけど…さ……





…優しいのは…俺だけがいい…//…


え⁈…何ですか?大丈夫ですか?


そうだ…今は…それどころじゃ…

『爽太……お前、何で早く
 助けてくんねぇ〜んだよッ!!!
 寿命が縮まるわッ!!!!


あッ//…すッ…すみませんッ!!!



んははッ//…しょんぼりしちゃって…

コイツ…

やっぱり俺より年下だなッ…
 

彼女のことも……




『いやッ……こっちが勝手に転けてんだ…
 悪りぃ…言いすぎたッ…//…
 …ところでッ…お前は約束あんだろ?』


ああぁッ!?
 そうでしたッ!!?



『ほらサッサと行った!行ったッ!
 彼女は俺に任せとけ…』



たぶん…

大丈夫だと思う…//…




(すみません…ご迷惑をおかします…)

『んふふッ//…今更でしょ…』

(えッ…まぁ確かに…そうですね…//)




よし……

コイツ少し…落ち着いたな…



そして…
やっぱりそうだろッ…//



俺は意を決して…

ずっと気になっていたことを尋ねた…




ふふ//……あのさ、爽太…
 お前、彼女の事………好きだろッ?



どうだ?

……違うか?



これでもお前より長く生きてるし…

翔くんっていう
パートナーだっているんだぞッ♡



はッ……はぁあああッ!?
 ななななッ……なんで!?…




よしッ!!

…やっぱりッ…♪



顔を真っ赤にして

慌てふためいてる様子から…


このショコラティエは…

仕事熱心で味は確かなモノを持ってるが

恋愛はまだまだお子ちゃまだと分かった



あはははッ///お前ッ…可愛いなッ//
 大丈夫だよ!彼女には言わない…
 俺が多少はフォローしとくから…
 お前は先ずはお師匠さんの所行きな?』
 

(あッ/////…ああッ有難うございますッ!!)


『んふふッ…おぅッ!!』




コイツ……


昔っから千代子ちゃんのこと

好きなんだな//



なんだ…

スゲ〜可愛いヤツじゃん♡



お辞儀して慌てて駆けて行く背中を見て

あたたかい気持ちになった…


それじゃあ……後は…




さとこちゃんが…

女同士の決着つけて来ますかぁ〜♪





転けた時に少々痛めた足を

軽く引きずりながら

彼女が駆けて行った方へ向かった……


















side M




リーダーの事が気になって

お姉さんに頼み込み、

2人で尾行してたものの……



[いやぁ〜〜どれも美味しそうで
 なかなか絞れなかったねぇ〜♪
 まさこちゃん、お金本当にいいの?]




乙女2人……?

甘いものには目がないッ♡




だけど…

それよりも気になるのが……



《ええ、もちろん!!今回の事で
 お姉さまにはかなりご協力頂いてますし
 ってッ!?まどかさん!!大変!!
 こっち!こっち来て!!!》




俺は店内からガラス越しに

店先の様子を見張る…

という任務を遂行していた




[なによぉ〜?……⁈…あら〜♪
 帰ってくわね♡]


建物から翔ちゃんとマネージャーが

出て来て、足早に去って行った…





《ねぇどっち?
 あの背中は怒ってるの?怒ってないの?》


[さぁ〜?あなたが分からなくて、
 私が分かるわけないじゃない〜♪
 …あ♡まさこちゃん!
 購入者に試食のプレゼントよ♪
 ほら、あ〜〜〜〜ん♡]

えッ!?…ええッ?…あ、あ〜〜〜ん♡



僕は翔ちゃんの背中を追うことと、

まだ建物から出てこないリーダーの事、

そしてマイペースなお姉さまの事で

いっぱいいっぱいで…






思考回路は愚か…目の前で起きている

とんでもない状況にすら気がついてなかった



《あぁ〜お土産買ったし♡
 幻のチョコは当日まで取っておいて、
 今日は会いに行っちゃおうかなぁ〜♡》


そうだッ!そうしようッ♡


コンコンッ //


[あら〜♡いいわねぇ♪…あ、ほらッ!
 その前に、残りも食べちゃいなさい♪
 あぁ〜〜〜〜ん♡♡♡]



コンコンッ //


《あぁ〜?〜〜ん♡♡…♡!?

[やだぁ〜〜!!まさこちゃん、
 お口からチョコ溢れ落ちてるじゃない!
 汚いわよぉ〜!!!!]




誰か…

どうか夢だと言ってくれ……




目の前のガラス越しにこちらに向かって

ノックしてくる人が…



松潤のそっくりさんの爽太くんみたいに、

どうか彼のそっくりさんだと言ってくれ…



《…………カズ…》

[えぇ?なぁに?あぁ〜涎垂れてるぞ!!
 ほらッ!拭いた拭いたッ♪]



いつからそこにいたのか全く不明だが

確実に…

今のお姉さまとの【あ〜〜ん♡】と

涎が垂れてたらしい口元を

拭ってもらってる所は

見られているに違いないんだ……




だって…




俺の愛する彼の笑顔は……

恐ろしい程に造られた笑顔なんだから



《お姉さま…》

[ん?なぁに?]

《緊急事態発生でごさいます……
 私…プロポーズの危機かもしれません》

[え?…どう言うこと?]



作り笑いのまま…

目の前の俺に向かって手を振る彼に


《…こう言うことでございます…》


俺も反射的に笑顔で手を振った…


[え〜と?……あッ!?二ッ!!



お姉さまも咄嗟のことで

ついうっかり名前が出てしまったのだろう

俺は慌ててお姉さまの口に手を当て

それ以上言葉を発するのにストップをかけた




ブーッ  ブーッ

《?…スマホ?》





そして、直ぐに正面へ向き直すと…

そこにはもう彼の姿はなくて……







代わりにスマホへ届いたメッセージに…










サムネイル

​  死ね











一気に血の気が引いて

生きた心地がしなかった……


勘違いさせたんだ…







お姉さま!!後は任せましたーーーーーー!!


[あ!……チョコはどうすんだ〜い♡
 皆んな、荒れてるなぁ〜♪
 後はJの登場で完璧だったのになぁ〜
 …はぁあああ…残念♪]













つづく♡