気象系の赤×青さんの素人妄想小説です
※BL・18禁要素を含みます


この回は相葉ちゃんの語りです。

翔くんさとしくん以外の語り…悩みましたが…

このお話の翔くんとの友人関係で、
恐らく一番翔くんが頼れる存在の彼に…
お任せすることにしました。

さとしくんが翔くんの元へ
皆を連れ出すまでを…

どうぞ
覗きに行ってらっしゃいませ


La mimosa








Side M




5人で一緒に

山頂まで登ることができた





 
クリスマス明けに

翔ちゃんからの電話がキッカケで

自分が猫だと言う、さとしと仲良くなった





あり得ないでしょ!?

初めまして…僕、猫です!…なんて…//





最初はまぁ…ちょっと変な子…って事で

取り敢えずは深く気にせず仲良くなった


 

だって翔ちゃん…昔から優しいからさ





家出とかで困ってたさとしをほっとけず

家に置いてやってるのかと思ったんだ…



けどさ…

自由奔放な事をするさとしだけど

一緒にいて違和感がなかったんだよね




それに俺たち…

翔ちゃんのこと心配してたから


就活のこと…失敗したって…

親にまた嫌味言われたって…

…笑って話してくれてたけど…さ…

聞いてて悔しかったんだよね




たから、さとしが側にいる事で

ドタバタ世話しながらも楽しそうに笑ってる

翔ちゃん見てて…

良かったなって…三人で話してたんだ




そしたら僅か数日で【愛してる】

言い合っちゃう仲になってるんだよ!?

凄いよね♪




でも、あの翔ちゃんがそこまで思う相手

しかも真っ直ぐな笑顔のさとしを前にしたら

応援するしかないよね!!





下山途中で寄り道するのも、

きっとさとしが

あの返事するんだろうって思ったから…
 




先に三人で下山して

車で待ってるんだけど…








遅い!!!

『…同感…』



車内で響く松潤の大きな声 

それは…

だんだん時間の経過と共に酷くなってきた



『アイツらいったい
 いつまで寄り道してんだよッ!!!
 相葉くん、
 電話!!電話して!!



『潤くん、落ち着いて!
 山の中は圏外だったでしょ…』


『だったら飯!!
 相葉くん、車に何か食いもんない?
 登山中パンとか簡単なの食べただけだし
 もぉ〜腹減ったぁ〜〜』



『確かに…ちょっと…遅すぎるよね…』



もう少しで正午

少し焦りを感じていた



『俺、ちょっと行ってくる…』

『え?入れ違いになんない?』


ガチャッ

『…でも…何かあったのかも…
 怪我とか…してたら…
 5合目の脇道に行くって言ってたし、
 それより上にはいないと思う…
 2時間…いや1時間経っても戻らない時は
 管理棟に行って知らせてきて!
 来た道戻ればあるから!!』


『あ、ちょっと』



皆んな疲れてるだろうし

もう一度二人を連れて行くよりは

もしも…に備えて残ってもらうことにした


車から降りて

登山口に向かって歩き出す





『まぁ〜くん!気をつけて!!』

『ありがとう!ニノも頼んだよ!!』





車から降りて手を振るニノと松潤の方へ

振り向き手を振って… 

また歩き出そうとした










ガサガサガサガサガサガサッ



『ん?』

 
 

草むらから何かの音…


登山道ではない場所からの音に


少し警戒して、音に意識を向けた



ガサガサガサガサ



『……へ?…あ…』


チリンチリンッ

{ミャーー ミャ〜ン…}




なんだ猫か

ちょっと焦った……




『バイバイ、猫ちゃん…』




そう言って猫に手を振り

登山口へ歩き出そうとしたんだけど…




リンリンッ
   チリンチリンッ…
ミャーーミャーーミャーゴ


『えぇ〜どうした?
 おぉ〜お前、人懐っこいなぁ〜♪
 …ん?あれ!?お前怪我してるじゃん!?』
 
{ミィーーミャ〜ゴ…}
 



ところどころ怪我を負っていた黒猫に

しゃがみ込んで怪我の様子を見た…




チリンチリンッ… リンリンチリンッ…

{ミィ〜… ミャ〜〜ミャ〜ミャ〜ゴ}

『おぉ⁈怪我してるけど…
 よく歩いて来れたなぁ……ヨシヨシ…
 ごめんな…今はちょっと忙しくて…
 ニノ達に頼むかぁ…』




怪我はしているが、よく鳴いて

足に纏わりついてくる人懐っこい猫に

撫で続ける




 ぺチンッ!
痛ッ!?

『なぁ〜にやってるんですか!!』

『おい、相葉くん、頼むよ〜〜
 急にしゃがみ込んだから心配したじゃん』




猫の相手をしてる間に

いつの間にか側まで来ていたニノと松潤




『あ、ごめんごめん!!コイツがさ…』


『は?』


『うわぁ…怪我してますね…』





ミャーーミャーー
       リンリンッ
チリンチリンチリンッ  




三人に囲まれてから、

先程以上にジャンプや回って見せる黒猫

怪我してるとは思えない程

鈴を響かせている…




『あ、ねえ!!!コレ!コレ見てよ!!』




松潤が猫に向かってしゃがみ込み

俺たちに何かを見るように声かけてきた




『何なに?』

ミャーミャ〜ン…ミャ〜ゴ
チリンチリンッ



『この首輪…見覚え…ねぇ?』




松潤が見せてきたのは首輪


淡いブルーのベルトにゴールドのプレート

手を伸ばしてプレートの裏表を見た…




『えッ!?……コレって…』

『…3104って…何かのブランド?
 さとしのチョーカーと一緒じゃん…』

『それ!それだよ!!』




ミャーーミャーーミャ〜ゴミャ〜〜ゴ
       リンリンッ
チリンチリンチリンッ      リンチリンチリンッ




プレートが手を離れ

俺たち三人の間を行ったり来たり…

順に身体をなすりつけてくる



…もしかして……え?…本当に?…

でも…







『……お前……もしかして……さとし?…』


ナァ〜ゴ   ナァ〜ンッ
チリンチリンチリンッ




俺の声に、さっきとは違う鳴き声で

脚に飛び乗ってきて

抱っこを要求するように胸に手をついてきた




『え?…さとし?…マジで!?
 ええ!?さとしって
 …本当に猫だったの!?



リンリンッ
{ナァ〜ゴ}




『さとし、なんだよな?
 お前…その怪我どうしたんだよ…//
 それに…翔さんはどうしたんだ?』

『相葉くん!
 確か車に救急セット入れてなかった?』




松潤に頷いてみせた

それを見た松潤は車に駆け出し

ニノは、恐らく黒猫のさとしへ声をかけた




『さとし、おいで!
 取り敢えず簡単にでも手当てしましょう』

 リンリンッチリンッ
ヒョンッ

わわわッ!?…さとし!?
 …ちょっ…ちょっと…
 どこに行くの!?



ミャーーミャーーーー!!
          リンリンッ
リンリンッ チリンチリンッ



俺から飛び退いて

先程、飛び出てきた草むらへ走り出した


その前まで行くとこちらを向いて待っている



『本当に…さとしなら……』




翔ちゃんは?

なんでこっちに行こうとするんだ!?





ミャーーミャーーミャ〜ゴミャ〜〜ゴ
       リンリンッ
チリンチリンチリンッ      リンチリンチリンッ








……こっちに来いってこと?







翔ちゃん…いるの?

『え?まぁくん?…何言って…』


 





チリンッ……



それまで元気だった黒猫が

俺を見つめて動きを止めた…









『おーい!!猫は?』

潤くん!
 翔さんの身に……何かあったのかも…』

は?…どう言う…』

チリンッ




{ナァ〜……  }







それまで見つめて動かなかった黒猫は…



…さとし…は……




ゆっくりと…

…草むらの中へ入っていった






ニノ!管理棟行ってきて!
 潤!!行くぞッ!!


了解しましたッ!!


えぇ!?あッ!?
 ちょっ…と待てよ!!
 ……相葉くんッ!!!







本当にさとしは…猫だったんだね…





猫の姿のままなのも…

……あの怪我も…



手当てしてあげたいけど

…それを無視して

俺たちを連れて行きたい場所があるんだね






…翔ちゃんに…なにかあったんだ……






松潤!急ぐぞ!!!
 …翔ちゃん!!
 待ってろよ!!!








俺たちは猫の姿をした さとし が


連れて行こうとしてる…その場所へ…







草むらを掻き分け先を急いだ



























つづく⭐︎⭐︎⭐︎