時 男、 登 る
『…何、この看板』
『さぁ……え?これショップ名?』
「そうなんじゃないの?」
{何?何?何の話し?}
『えッ…こんな名前だったんですか?』
「前に来た時には…なかったよな…」
『アヒャヒャヒャ♪まぁ〜まぁ〜』
重たい木製扉を開けた…
カランカランッ
『こんにちは〜』
{ちにゃ〜〜♪}
《おーよくきたなー!!》
お店のカウンター……からではなく
その奥の工房らしき場所から
作業着姿で現れた、雅紀の先輩方
今年も変わらず元気そうだ
『お久しぶりで〜す!元気そうですね?』
《おうよ!お前らも元気そうだな?》
「こんにちは、いつもありがとうございます
今回も宜しくお願い致します」
『お世話になりまぁ〜す』
『看板見ましたよ♪
ちょっと…笑えましたけど…はははッ』
《そうなんだよ〜頑張って作ったんだよ〜
なかなか良いだろ?♪》
誇らしげに親指立てて
看板の方を指差している
《相葉くん、雪山登山久しぶりでしょ?
ココも50年ぶりの大雪とかナントカで、
頂上も積もってるだろうから…
きっと楽しめるよ♪》
雅紀が頼んでいたであろう貸し出し用の
登山用品を大量に担いで運び込まれる
5人分だからかなり大量だな…
『はい!今回も色々と準備して頂いて、
助かりました!』
俺たちの会話の輪の中に1人入らず
自由に過ごすさとしを
1人の先輩が目で追いかけてる…
《おい!そこのチビッ!!》
{…んにゃ?…ボク?}
お店の中を不思議そうに
うろちょろ覗いて回っていたようだ
《そうだよ!お前だよ!
首にチョーカーなんかして粋がって…》
{ん?コレのこと?}
チリンチリンッ
さとしが自らチョーカーの鈴を鳴らした
「松岡さん、コイツさとしって言います!
登山初めてなんです」
《おーそうなのか?大丈夫か〜
二宮と2人してリタイアするんじゃねーぞ》
{ボクはネコだぞッ!!
山なんて簡単に登れるんだからなッ!!}
『猫と一緒にしないで下さいよ…』
初めての相手にも遠慮のない元気な先輩
さとしにも突っかかってるが…
さとしは強気な人間には強気で返すから…
《は?猫?何言ってるんだお前…》
「あぁ〜すみませんッ…
猫みたいに俊敏な動きが出来るぞって
ことじゃないかと…//」
失礼な事を言わないかヒヤヒヤしながら
間に入ってさとしのフォロー役に徹する
{しょぉ…ボク、こいつ…きッふんッんー///}
とっさにさとしの口元を塞いだ
あっぶねーいつものように
コイツ嫌い♪…とか何とか言う気だったな…
《みんなー!!
こっち集合ッウェアのチェックするよ〜♪》
『『『はーい』』』
助かった…
「さとし、俺達も行こう!」
{おう♪よく分からないけど楽しみだな♪}
貸し出し頂く荷物の山に
皆で囲むように集まる
《そんなに難しい山じゃないから…
フル装備する必要はないけど…
まあ、防寒はしっかりしとかないとね♪》
《必要そうなサイズ、各種揃えてるから
皆、試着するなり確認しろよ?》
{しょぉ〜ボク…これ全部着るの?…やだな}
「そんな事言わないの!
人間は服で調節しないと雪で体温なんか
簡単に奪われちゃうんだからねッ!」
『ほら、さとし、この手袋も確認して?』
ニノと松潤はそれぞれサイズを確認して
自分の分をチェック始めた
俺と雅紀は自分の分と…同時に
さとしの分を確認しチェックする
そして、取り敢えず簡単に出来る手袋を
雅紀がさとしへ渡す
{ええ!?手にも服着るのか?
手が使えないと自由が効かないじゃん…
イヤイヤッ!!}
絶対受け入れないとでも言うように
首をブンブン振っている
まぁ
猫にとったら肉球部分とか
触感は大切なんだろうけど…
靴だって何とか履けるようになったんだし
手袋も頑張ってもらわないと…
《我儘言うんじゃねーよ!!
ほらッつべこべ言わずッおりゃッ!!》
{んにゃーー!!やめろッ}
あぁ…
大人しくチェックしてくれたらいいのに…
ダメだ…
また掴まった…しかもやり返してるし…
《あッお前蹴ったな!?
よしッ俺が全部チェックしてやるッ!!》
{ふにゃーッ?!
しょッしょお〜〜〜!!}
担いだッ?!
逃げようとするさとしを
軽々と担いで試着コーナーへ連れて行った
「あ〜松岡さんッ…優しくッ!
優しくしてやって下さいッ!!さとしッ…」
『ははははッ
逃げらんないよう奥連れて行かれてるし♪』
『俺たちも行こう♪
サクッと終わらせて温泉いかなきゃ♪』
『面倒ですが…終わらせましょう…』
《はいはい、行ってらっしゃ〜い》
《仲良いなー!アハハハッ》
こうして雪山登山への準備は完了!
ここでもサービス価格で支払いを済ませ
挨拶をして店を後にした
車へ全ての荷物を積んだら
次の目的地へ先を急ぐ…
「よし!!全部積んだよな?」
『うん、これで全部だね?』
『車もうパンパンじゃん…
俺たちの座る所あるか?』
『いやいや、潤くんの二列目
一人で陣取っているくせに…
何にも荷物置いてくれて無いじゃん…
さとし、出発する前に前に行けよ!
狭いんだからッ!!』
{イヤイヤッ!!まちゅじゅん怖いもん♪
ポーチ?貸してくれないし…}
『誰が貸すかよッ!!
俺のワックス使いやがって…』
{い〜じゃんか、
なんか旨そうだったんだからッ!!
…ケチッ!!}
『なんだよ…やんのか?おらッ』
{あッ?!んひゃひゃひゃッ///
こちょこちょは…やめッ//…やめるにゃ〜
あはははは♪}
先程と変わらず
楽しそうな笑い声に
俺も運転席へ乗り込んで出発準備を整える
「はい、
皆シートベルトきちんとしてください〜」
{ほらッ!しょおが言ってるぞ!!
皆しっかりしろよなッ!!}
『さとし、皆お前待ちだよ…
ほらさっさとしなさいよッ!!』
「はーい、じゃあ次は温泉に参りま〜す♪」
『『『お願いしま〜す♪』』』
{わ〜いオンセン♪}
楽しい一年の締めくくり
この皆と…さとしと過ごす楽しい時間が
もっと続いたら良かったのに…
時計の針は止まることはなく
確実に進みだす…
つづく✩✩✩
TOKIO兄さんの名前入力したら
候補で上がってきた…時男…
昨年まであってた番組名の
かける を 登る に変えて…
ひとりふざけて笑いました…⭐︎
お粗末様でした(笑)