気象系の赤×青さんの妄想BL小説です
side O
車内から見る外の景色は…
雨
まだまだ止みそうもなく
窓を叩きつける様な強さに…
余計に不安を掻き立てられる
松[…それで…この手、なのか…//]
隣に座った潤に、
手を取られ
苦しげな口調で話しかけられた…
二[はぁあああ〜//
翔さんはリーダーの事になると
滅茶苦茶ですね……
最近、暴走し過ぎなんですよ…//]
後部座席のニノも憎まれ口だが
心配してくれてるのだろう
覇気がない…
相[今回のはわざとじゃないでしょ?
翔ちゃん…正気なら、
こんなこと絶対しないから…//
でも大ちゃんも優しすぎるよ!]
ニノの隣に座る相葉ちゃんも
優しく叱ってくれる
松「そうだよ…//
翔くんのことばかり優先してたら
二人で自滅するよッ!!
もっと自分を大切に……
…って言っても、
あなたはそうするんだろうね…///」
「んははッ///……悪りぃな…」
あの時_
翔くんのお父さんから言われた事は
覚悟していたこと
話を切り出される前後の落差が凄くて
結構、落ち込んだけど…
きっとあれが
翔くんのお父さんなりの優しさ
自分が恨まれてでも
翔くんに……そしてきっと俺にも…
世間一般の道から踏み外すなって
苦労する事になる…とか…
考えてくれたに違いない
俺は覚悟して行ったから耐えられた…
でも…翔くんは……
あの時の、
震えの止まない綺麗な手を思い出す
俺の大好きな手が
傷付くと思ったら咄嗟に動いてた…
俺の手を握りしめてもらえば
翔くんの手は綺麗なままだから…
大切な人の心の傷は俺が担ぎたい
相[でもさ〜いきなり電話してきた
マネの必死さったら…ッ//
『2人がピンチです』って!
俺、隣にいたニノに『大変大変』
…つって叩きまくったもん!]
二[そうですよ…
かなり痛かったんですからね!
この力加減バカ男…]
相[アヒャヒャッ///ごめ〜ん♪]
二[全然謝れてないですからね]
相葉ちゃんの太陽の様な明るさと
ニノの変わらないツッコミに
幾分、気を紛らわすことができた
松[……まぁ、そんな感じだし?
俺達に出来る事あるなら協力するよ]
「…皆んな…//…」
二[…と言ったところで、
我々にできることって
そんなにないでしょう…//
…結局は、翔さんのご両親に
認めてもらいたいのは、
お2人なんですから……]
松[…でもさ、
話聴くだけでも違うだろッ?//
翔くんの看病だって…
…翔くんどんな感じなの?//]
「…息苦しそうに咳き込んでる…//
夕方出る時は熱が上がってきてた…
車乗る時、電話したけど出ないし、
メッセージも既読も付かない……//」
ただ眠ってるだけならいいんだ
でも、あんな事があった後だし……//
相[…そっか…心配だね…//
今夜は付き添ってあげたほうが
良さそうだね…]
「…皆、ありがとね…///
翔くんの事は俺だけで大丈夫だから
皆んなはこのまま帰ってよ…
話、聞いてもらって、
皆の顔見れただけで元気でた!!
もう十分だよ!本当にありがとう」
感謝を込めて皆に頭を下げる
皆も忙しいのに集まってくれたんだ…
だけど皆の手を借りなきゃならない程
緊急事態って訳ではない…
マネージャーには…
何余計なことしてんだ…って、
思うところもあるけど…
でも、元気貰えたのも事実_
皆には本当に感謝してる
松[はぁああ…もっと俺たち頼んなよ//
使っていいんだよ!
俺たちの仲だろ!!//]
二[そうですよ…
それに、翔さんに文句の一つでも
言わないと気が済みませんよ!
ダメと言われても着いて行きますよ]
相[大ちゃん、諦めな…
翔ちゃんの顔見て、
その手当てしたら帰るからさ…//]
「…皆んなッ…//…
んふふッ//…じゃあ…頼むな…」
翔くん…
俺たちには強力な味方がいるぞ!
早く元気になって…皆と笑い合おう!!
✳︎
✴︎
✳︎
✴︎
✳︎
風邪によさそうな飲料水や食材を買って
漸く翔くんの家に到着した
「ただいまッ//…翔くん!!」
玄関に入って一目散に
翔くんが眠る寝室へ駆けていった
二[あ〜あ〜靴は揃えましょうね…]
松[仕方ねーだろ…]
相[……お邪魔します!]
後ろから皆が何か言ってるけど
翔くんのことで頭の中はいっぱい…
聞き返すことはせずに、
手洗いうがいだけきっちり済ませ
寝室へ急いだ__
カチャッ…
「…しょお…くん?///」
寝ていて、
起こしたらいけないから…
そっと…
翔くんが眠るベッドの枕元へ近づいた
「ハァ…ハァハァッ…ゲホゲホケホッ//」
「翔くんッ‼︎?」
「ハァハァハァッ……ハァ…//
ゲホケホッ…ゲホゴホッ…」
大変だ…//
眉間に皺を寄せて…
夕方よりも苦しそうな表情をしている
「翔くん!!大丈夫かッ⁉︎
…熱は?…//…
……え…高熱じゃん⁈///
翔くんごめんッ!…ごめんな…//
遅かったよな…ごめんな…グズッ///」
「ハァッハァハァハァッ…」
苦しそうな翔くんの頬に手を添え
謝っていると……
二[どうましたか?]
松[熱あるの?]
相[…翔ちゃん大丈夫?…]
皆も駆けつけてくれて
直ぐに状況を把握してくれる
「…病院…連れて行く!」
こんなに苦しそうなら…
早く連れて行ってあげればよかった//
松[下にマネ居るからそれで行きなよ!
…翔くん運ぶの、手伝う]
二[私たちも一緒に!]
「…いやッ…俺一人で大丈夫!
…皆は帰って…ちゃんと休んで//」
相[大ちゃん何言ってるの?
俺たちも心配なんだよ…]
「…皆、ありがとね…//
でも、ここはもう俺1人で大丈夫!
時間も遅くなってきたし…
皆は明日も仕事でしょう?
…無理せず帰ってッ…
翔くんの状況は必ず連絡するから…」
二[……ふぅ…この人言い出したら、
他人の意見聞きませんからね…
…大人しく帰りますか…//」
相[大ちゃん…連絡待ってるね!
…じゃあ、松潤と俺で運ぼうか…
俺背負うから、サポート宜しく!」
松[おぅ!]
二[マネには今、電話で伝えました!
直ぐ出れるよう待機してもらってます」
俺が動くよりも早く
各々が出来ることをして
力を貸してくれる
凄く頼もしい…///
「…あ、保険証…//
えっと…荷物準備して直ぐ向かうね」
症状が悪化してきた翔くん、
なんとも無いといいんだけど…
今は、身を潜めている
寝室のキャンバスへ
一瞬、視線を向ける__
「……行ってくるね…」
絵の中の翔くんにそう告げて
部屋を後にした…
「…皆、ありがと…行ってきます!」
二[気をつけて…]
相[翔ちゃんを宜しくね…]
そんな会話をしていたら
俺の座った側とは反対側の扉が開いた
「…なッ!?……お前ッ…//」
松[…悪いけど、
あなたがなんと言おうと、
俺は付き添うからね!!
それに、帰りも人手いるでしょ?
文句は言わせないよ!]
潤らしく強気な態度でものを言い、
どっしりと座席のシートに腰掛け
正面見たまま腕を組んで座った
「…潤……悪りぃな…」
松[…別に……
あなたが居なくても乗ってたよ…]
本当、コイツらって…//
「…そうだな……ありがと…」
底抜けに優しいよな…///
翔くんと俺たちを乗せた車が
静かに走り出した__
つづく