気象系の赤×青さんの妄想BL小説です
side O
翔くんのご両親へ
挨拶に行くことになった
男同士である自分達の
恋愛の赦しを…
そしてその先にある
未来への許しを…
初めから……
上手くいくなんて思っていない
ただでさえ俺たちのようなケースは…
ここ日本では、
法律上、同性同士の結婚は認められてない
ましてや俺と翔くんの立場_
ほんの僅かな味方がいてくれても
大多数からは歓迎などされないんだ…
でも
それでも…
翔くんと2人で
向き合って行こうって
俺たちなりの未来を
1歩ずつ進もうって約束した
それなら
どんな罵声を浴びても…
俺が翔くんを護るんだって
そう自分に誓ってこの日を迎えたんだ
人間だもん
緊張はするだろ?//
最初は全然上手く話せなくて…
…情けないな…って思った
それでも…
醜くても諦めないって決めたから
だけどさ…
やっぱり大切な人が傷ついてんの
目の前で見てるだけってのは辛いよ…//
…何よりも…//
その大切な人のことを想うばかりに
酷いことを言わせてしまった
大切な人と同じ
優しい目をした人を見てることも
辛すぎるだろッ…//
俺が涙を流したらいけないんだ…
俺が涙を流したら…
翔くんも、
目の前にいる
翔くんのことを想う大切な人も…
きっと自分せいだと責めるだろ…//
俺は泣いたらいけない
でもさッ//
さっきから手が痛むんだ…
それは振動と共にやってくる
泣けない俺に、
身体だけは正直に泣いてくれと
訴えているかのように…
ここに、これ以上居たらダメだ!
これ以上居たら…
大切な人達が
俺のせいで壊れてしまう
海辺を漂う波のように…
今日は引くべきなんだ
静かに…壊さないように……
今じゃない…
俺と翔くんには
まだ越えてはいけない壁
波のように引いて広い海の中へ
翔くんの家を出たら
俺の使命は2つ
翔くんを無事に連れて帰る
…と言うこと、
そしてもう一つは…
最後まで決して、
隣で支える翔くんに…
涙を気付かれてはならないと言うこと
大丈夫
海の中なら、
涙は溶けてなくなる
大丈夫
俺は強い
俺が翔くんを護るんだ…
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翔の実家にて
智くんと翔くんが帰ってからの
翔くんパパママの会話
「………………」
「………なんだ」
「…失望しました」
「……そうか……
………俺も…自分に失望したよ」
「…ッ///…だったらッ…
だったらなんでッ//
あの子達のあんな辛そうな…姿、
…見たくなかったです!!//
いいじゃない!
これからの世の中は
もっと自由であるべきよ!
…恋愛だってそう…//
あの子達が選んだ未来、
信じて見届けてやりましょうよ……」
「…ダメなんだッ…//…
智くんには未来がある…
ましてや人様の子だぞッ!
…大切に護ってやらないと…//…
…翔だってそうだぞ!
もし智くんに捨てられたらどうなる?
…まだ、彼らは若いんだ
早いうちに間違いだってこと…
…親である俺たちが…
気づかせてやらねばならないだろう?
手遅れになる前に…」
「…そんな…//…あんまりだわ……」
「……あんまり…だよな…//
…あそこまで言うつもりはなかった
本音は2人を応援したいんだから…//
2人には…酷いことをしてしまった
特に智くんには…
…もう、顔向けできないな…//
あんなに優しくていい子に…」
「……あなた…//…」
「……綺麗な涙だったな…」
「…え?…
智くん泣いてたの?//
私には精一杯の強がりで、
泣くのを我慢してるようにしか
見えなかったわよ…//」
「…あぁ…泣いてなかったよ…
でも、彼の瞳の奥では……
……だから…綺麗な涙なんだよ…」
つづく
少しばかり補足させていただきますと…
智くんは翔くんのご実家を出て、
翔くんを支えながら横で泣いてます。
でも、翔くんに気が付かれないように…です。
このお話の智くんは、
可愛らしい見た目とは違い、芯はとてもお強いです。
優しさがないと強くはなれませんよね…
だからこそ智くんは自分の事ではなく
翔くんと翔くんのお父さんやお母さんの事を
第一に考えて行動に移したと解釈しております。
そして翔くんのお父さんも方向は違いますが、
2人の幸せを想っての、あの言葉だったのかと_
きっと根はお優しい方なんです。
それから…
私のお話では、
登場人物達が誰かを呼ぶ時の「名称」は
その時のキャラの立場や気分などで変えております。
50話と51話でも
翔くんのお父さん方が智くんを呼ぶ時は
最初は大野くんで距離をとってました。
本音で語る51話では智くん呼び♪
他にも智くんは翔くんの前では潤くんのことを
嫉妬させないように松潤呼び…2人の時は潤だったり♪
普段私たちも誰かを呼ぶ時、
いろんな言い方をしますし…
嵐さん達もメンバーを色んな呼び方してるし♡
なのでその辺も楽しんで頂ければと思います♡
La mimosa