気象系の赤×青さんの妄想BL小説です





side S






ブブー…     ブブー…

…んッ………んーー……朝か…






バイブに設定していたアラームを止めて

隣で眠る智くんの様子を伺う





…スー……ハァ………スー……ハァ………




規則正しい寝息で

赤ちゃんのような寝顔が可愛らしく


まだ夢から覚めそうにはなかった







…智くん…行ってくるね///


…んぅ……ッ…スー……ハァ……スー…





囁き声に僅かに反応をみせ

唇をむにゅむにゅ動かした後に


また、規則正しい眠りに入ってゆく





そんな様子に…





ふはッ……可愛い♡……天使だなぁ♪





思わず顔が緩んでしまった





寝室を出る前に

貰ったキャンバスに視線を向ける





その絵から伝わるのは




あたたかくて優しい

智くんそのものの様な

凛とした雰囲気で…


窓際にそっと置かれていた






あの絵を見つけた時は

後悔の念に押し潰されそうだったのに…




智くんは俺のことを見捨てず

むしろ待っていてくれた






あぁ…俺って幸せ者だなぁ〜

…と、改めて感じた





この幸せを守るために

俺はこれから生きてくんだって…


誓ったんだ







改めて智くんを見れば


俺のベッドで布団に包まり

優しい寝息を立てて眠っている





俺だけの天使を起こさないように

静かに寝室を後にした







洗面所まで行き

なんとも格好のつかない

寝癖のついた頭を

鏡越しに見ながら歯を磨き

昨晩の事を振り返る





「…昨日、やり過ぎだったよな…
 腰…大丈夫かな?
 今日の仕事…大丈夫かな……





嫉妬心から火が灯った熱は

智くんのやる気スイッチを

押してしまう結果となり



あぁも妖艶に

俺を求めて感じてくれると

悦びの感情でいっぱいになり



セーブしてやるどころか…



智くんと一緒に絶頂のその先へ

のぼり詰めたくなってしまった





自分の行いに改めて反省して


今日一日、

智くんが無事に過ごせるよう

願うばかりだった





後で、仕事前に連絡を入れよう





洗面を済ませ、

珈琲を飲みながら

テレビのニュースを見ていると

マネージャーから連絡が入る





あ、了解!あと5分位で出れそう!

 

 
まだ起きてこない智くんへ
 
置き手紙を書き残そうと

メモ用紙とペンを用意していると




翔くん……はょ…


智くん⁉︎おはよう!
 腰は大丈夫⁉︎身体キツくない?





リビングドアの前に佇む

智くんの姿に慌てて駆け寄る



昨日声を出し過ぎたのだろう

声は掠れて…

いつもの透き通る声とは程遠く



壁に寄りかかる様は

きっと…体調も思わしくないのだろう




んははッ……///
 …声も腰も使いもんにならねぇ…


ごめん、俺のせいだね…//
 今日のことを考えてセーブしておけば…


そんなことねーよ…嬉しかったし///
 俺が何度も翔くんに
 我が儘言ったのが原因なんだし…
 

そんな……智くんの誘惑に勝てない
 俺が全部悪いんだ…


んふふッ…じゃあお互い様だなッ♪





そんなこと言って

俺の失態を笑顔に変えてくれる

優しい智くんに、



本当に申し訳なく

不謹慎だとは思うが…





智くんが昨夜気を失ってから

ベッドへ寝かせる時に着せた

裾が長めのロンTが、



至らぬ事を想像させて

俺を更に誘惑してくる様だった




引き締まったキレイな脚と

大きく開いた首元から

男らしくも色香を放つ喉仏や鎖骨


そしてその先に潜む

胸元の薄くしなやかな胸板まで…



これから仕事でなければ

また昨夜ように


欲望に勝てなかったに違いない





智くん///…俺これから仕事で…
 もうマネージャーが下に来てるって


おぅ…いってらっしゃい!
 …俺はもう少し…時間あるし
 休ませてもらおうかな///


もちろんそうして!
 何も構ってあげられなくて
 申し訳ないけど…


大丈夫だよ///…ただ俺も家のこととか
 何にも出来そうにねぇけど…ごめん


いいよ!いいよ!
 もう自分の事だけ考えてゆっくり休んで
 …今日の仕事は?大丈夫?


うん…ニノと雑誌の撮影だから…


分かった!!
 ニノに連絡いれとくよ!!
 

んふふッ、
 そんなこと気にしなくていいよ///
 それより翔くんは自分の仕事頑張ってきてよ!


あぁ〜智くん!ありがとう!
 ……愛してる…///
 また連絡するから!
 それじゃあ…行ってきます///




そっと

智くんを優しく抱きしめ



天使のようににこにこ微笑む

智くんに見送られて家を出た












つづく