「団塊移住」自治体が必死
東京新聞(4月26日付)の記事だ。自治体がどんどん
ヒートアップしているようだ。
必死な理由は
「山間地域の人口流出に歯止めをかけたい。60歳夫婦が
移住してくれば、消費でお金が落ちるし、医療・福祉コスト
を差し引いても地元が3000万円得する、といったデータ
もある」ということらしい。
一方で、
「田舎暮らしをしたいというなら、その前に税金や年金を
食い物にしてきた官僚制度をぶっ壊して欲しい。ゲバルト世代
だったのだから」という声もある。
どちらも「実際に移住をする人、させたい人」を見る視点が
欠けているように思う。前者は自分の都合が優先しているし、
後者については、団塊世代の実態を知らないように見える。
以前聞いた話だが、団塊世代の大学進学率は10数パーセント。
かつ学生運動に実際に関わっていた人数はもっと限られ、せいぜい
旧消費税分(3%)ぐらいではないか、という。
残り90数パーセントは、いわゆる「革命的~」ではなかった。
無料雑誌「農林漁業就業・ふるさと情報 iju info (移住インフォ)」
田舎暮らしをテーマにした他のかたのブログをいくつも見ていたら、
参考になるコメントがありました。
「田舎の自治体は、都会の人を呼ぶことには熱心だけど、移住する人
にとっては生活の場が大きく変わることになる。その後のフォローこそ
大切ではないか。果たしてそれができるか?」
という趣旨だったと思います。まったくそのとおりだと思います。
それが不透明のままだったら「田舎暮らし」は単なるブームで終わって
しまうかもしれません。
「田舎暮らし」は同じでもちょっと意味の違う「就農」というのもあります。
いま手元に「農林漁業就業・ふるさと情報 iju info (移住インフォ)」
という無料誌(季刊)の創刊号があります。
いわば農林漁業界の「ビーイング」みたいなもので全国の農漁村が
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北海道、鹿児島、山口、高知...。
もし興味のあるかたは全国農業会議所 まで。
「田舎暮らし」に向いている人、いない人
2月ごろ「里山帰農塾 」というフォーラムに参加したことがある。
ただの興味本位だけで - といっても「帰農」への興味ではなく、いったい
どんな人が参加しているのだろう? という興味で - 参加した。
歌手の加藤登紀子さんやジャーナリストの高野孟さんらが、テーマトークに参加
していた。そもそもこの塾の母体となる「農事組合法人 鴨川自然王国」は加藤さん
の夫である(故)藤本敏夫氏が生前に、発起人となって設立された経緯がある。
会場に入って驚いた。ものすごい熱気。熱気ムンムンである。
ネクタイを締めた「団塊世代」と思しき人もいれば、20代後半から30代前後と思しき
若き青年たちもいる。
「この若い連中はいったい何をしに来ているのだろ?」
ボクは単純にそれを疑問に思った。
加藤さんの話によると、最近は団塊Jrに就農を目指す人、まずは体験をしてみたい
と希望するケースが多いのだという。学校を出ていったん就職したものの、
「自分の人生、これでいいのか?」
と疑問がふつふつと湧き、就農を志すキッカケになるのだという。もちろん企業に勤める
こととは違い、収入は格段に安い。
余談だけど、いま「若者においての格差社会」が話題になっている。就農を志す若者は
下層ではなく、それは選択肢が広がったことによる「多様化」だと加藤さんは付言していて、
ボクは妙に納得してしまった。
また「団塊世代」の就農(田舎暮らし)にある傾向があるという。
それは地方出身者は定年後も田舎には戻らず、逆に都会生まれの都会育ちの人のほうが
地方に移り住むケースが目立つという。
そうか、それで合点がいった。
ボクは東北の田舎出身だ。だからセカンドライフにおいて話題の「田舎暮らし」に、いまひとつ
興味がもてなかったわけだ。
もうひとつ。決して「田舎暮らし」に向かない人がいるという。
それは別な機会(早稲田エクステンション )で、作家の立松和平さんが言っていたこと。
「都会の人間関係に疲れたから田舎に行きたいと考える人」。
なぜなら「人間関係は、都会より田舎のほうが数倍濃密だから」だそうだ。
「ぜひ当地へ移住を!」団塊世代の争奪戦を繰り広げる地方自治体
を打ち出した。人口減に悩む自治体は、田舎暮らし体験ツアーや就業支援策
をプランして、移住による地元の活性化をめざしたいのだそうだ。
先行している沖縄や北海道はもちろん、青森県の「あおもりツーリズム団塊
ダッシュ戦略」をはじめ島根県、愛知県、千葉県、福島県、香川県、高知県
などなど、数え始めたらキリがないほど、全国ありとあらゆる自治体が都会
に住む団塊世代の誘致に必死のようだ。
「ふるさと回帰支援センター 」 によると、
一昨年に実施した都市住民対象のアンケートでは、回答者約2万人の4割が
「ふるさと暮らしをしたい」と答えたという。
定年後のセカンドライフとして、こういった「田舎暮らし」というライフス
タイルが定着すればいいなと思うけど、さて結果はどうなるでしょうか?
