“放射能で首都圏消滅-誰も知らない震災対策” 古長谷 稔著 2006年
定価1200円+税 三五館
「日本沈没」は小説だったが、本書は現在進行形の「日本壊滅」のノンフィクションです。
誰一人として、この現実からは逃れられない!を読みました。
注文が殺到し現在入手困難な5年前の著書です。
どこがすごいかというと、予測される東海大地震と浜岡原発での原発事故が人と農産物・海産物に及ぼす影響について丹念に下調べして被害や対処について記述してあり、浜岡原発での耐震に対するデータ捏造・配管のひび割れ・強度の弱いコンクリート・地震の少ない米国の電気会社の設計者などの告発を含め、その内容が現在の福島第一の状態に酷似しており、東海大地震と浜岡(東京から約187km)での原発事故をスリーイレブン大震災と福島第一(東京から約225km)での原発事故に名前を置き換えると大震災は即、原発災害になると警告している点で優れています。
技術者も政治家も全員5年前から読んでおくべきだった...
推薦図書です。
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「地震が起きてから止めたって、もう間に合わない!」の抜粋
「運転停止」と「冷却完了」は別ものです。
「原子炉を停止しました」と聞くと、ふつう私たちは胸をなでおろします。しかし、これで危機が去ったわけではありません。
-冷却しないと意味がない。-
「運転停止」のあとには、「冷却完了」が必要です。冷却が完了しなければ、メルトタウンの危険はなくなりません。
運転停止とは、制御棒が挿入されることを意味します。制御棒がうまく入れば燃料の核分裂の連鎖反応が止まるので、急激な発熱は収まります。
しかし、燃料棒はすぐには冷えません。崩壊熱としいう発熱が続きます。冷却が完了する前に配管が破断し、“空焚き”になれば、たとえ制御棒が入っていても意味がなく、制御棒も燃料棒と一緒にメルトタウンしてしまうのです。
燃料棒がメルトタウンするかどうかは、熱を外部にどれだけ除去できるかにかかっています。
燃料棒がすぐにメルトタウンする温度にならないようにするためには、少なくとも数カ月前には原子炉の運転を止めておかなければならないと言われています。
-制御棒で安心なんかできないよ。-
約4mの制御棒は、中性子を吸収する素材でできていて、これが同じ長さ(約4m)の燃料集合体の間に下から上に向かって垂直に入っていくと、核分裂の連鎖反応が止まります。
地震による揺れが大きくて、制御棒がうまく入らなければ、チェルノブイリのような核暴走事故になる危険があります。
浜岡原発の場合、地下2階に置いた地震計が震度5程度の揺れ(=150ガル)を感知すると、自動的に挿入される設計です。挿入までの時間はじつに3秒~4秒!
しかし、重力に逆らって挿入する上に、水圧で入れるというのですから、もし配管が壊れていれば、圧力が逃げ出すため動きません。
-メルトダウンが次々と連鎖する。-
さらに専門家は、これらが浜岡にある5機の原発で連鎖的に次々と“同時多発する”可能性もあると指摘しています。
1機がメルトダウンすれは、すぐそばにある他の原発には近づくこともできません。応急処置で助かったかもしれない原発も、措置できなければメルトダウンします。
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スリーイレブン大震災での原発事故とスリーマイル島での原発事故-地震の有無はありますがいずれも利益優先に走り、防災と事故対策に投資を惜しんだ結末といえます。
2006年の本ですが・・内容に近いことが現実に起こってます。
最後には希望が残っているように切に願います。