領巾(ひれ)とは古代の宮廷に出入り可能な女性や貴族の子女が、領(えり)から両肩の左右にまで、長く掛けて垂らした布のことです。


誰もが知る姿は『天女』が空中を舞いながら肩から掛けている姿を思い浮かべるでしょう。今でいう『ショール』がこれに当ります。


『延喜四時祭式』では式典で舞う巫女に、領巾(ひれ)の料として、『七尺の紗(うすぎぬ)』を支給したと記述されていました。


舞を舞うと、流れる様に揺れる紗(うすぎぬ)は、その端が、ある時は地に触れんばかりに、またある時天に向かってなびく様に揺れ、それはそれは優雅であったことでしょう。


たらちねの母が形見と 我が持てる まそみ鏡に 蛉蜻領巾……(13・3314)


蛉蜻領巾(あきずひれ)とは、トンボの羽のように薄く透き通る様な高級な織物であると想像され、その可憐な様子を形容した言葉といえます。


これは、女性の象徴である鏡と並ぶ持ち物でした。そして、形見にもなっていたのでした。


古代史発見

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 ささやかながら、ウエディングケーキをプレゼントします! 職場の後輩が結婚することになりました。前祝いの宴席を準備したまではよかったのですが、朝になって当の本人が風邪で休むと連絡がありました。残念ですが、宴席は盛り上がってます。

 神の島・久高島では12年に一度イザイホーという新しい巫女(ナンチュ)の認証式があります。残念ながらここ48年間行なわれておりません。


 島の女性は、31歳以上になるとこの式に参加しなければならないのですが、神のお告げを聞く最高職のノロが亡くなり後継者がいません。また、人口減少で該当する女性も居なくなってしまったのが原因です。


更に、拍車をかけたのが、テレビの普及で神を信じなくなってきたことでした。

イザイホーは12年毎の午年・旧暦の11月15日から4日間行なわれました。


 儀式の目的は、ニライカナイという来訪神を迎え、新しい巫女(神女)をその神に認証してもらうことにあります。式の後、来訪神をお送りします。


 資料に拠れば600年以上の歴史を持ち、神信仰の儀礼としては、国内の山の神を迎えて作物を作ることや、田の神を迎えて田植えをすること、埼玉県鴻巣市では『さの神様』を迎えて田植えをするなどの日本の祭祀の原型を留めている貴重な儀礼です。


祭礼の一月前からナンチュは、島の七ヶ所の御嶽(ウタキ)に参拝し、ウタキの神々に祈り、巫女として備えるべき霊力(セジまたはジシ)を高めていきます。

この神事はタマガエのウプテイジシと呼ばれて大事な儀式です。


やがて、『夕神遊び』11月15日を迎えます。巫女となるナンチュの加盟儀式から始まります。夕刻、祭場の御殿庭に集まり、ナンチュはアシャゲと呼ばれる拝殿の前を『エーファイ。エーファイ』と連呼しながら七回旋回します。


その後拝殿に先輩の巫女とともに神歌(テイルル)を歌い、奥の森(イザイ)に入ります。ナンチュは洗い髪のままで白衣をまとっています。頭には巫女になる儀式用の白鉢巻を巻いてます。


儀式は進み、『カシラタレ』16日、『花差し遊び及び朱づけ遊び』17日、『アクリヤーの綱引き、御家廻り、桶廻り』18日の4日間神事が続きます。この中でどの段階で来訪神を送るのか解りにくいのですが、行事を無事終えると、拝殿前の『七つ橋』を渡り終えると晴れて巫女となります。最後に七つ橋を渡る時、躓(つまず)いてはならぬというタブーがあるそうです。


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