デンデラにあるハトホル神殿にはクレオパトラと息子カエサリオンの描画がすばらしく訪れる観光客が絶えないといわれてます。この遺跡には大事な役目がありました王の誕生を示す『誕生殿』があります。誕生殿というのは王が神の子として誕生したことを眼に見える形で示すというとても重要な意味を持っていました。
ここにはたくさんのハトホル女神やイシス女神が描かれました。それは王がイシスの子、ホルス神と同一視されたためです。お産を助けるカエルの頭をした『ヘケト女神』や『七人のハトホル女神』などが誕生の間には描かれました。女神たちは女神官として持つべき祭具である『シストルム(がらがら)』と『メナトの首飾り』を手にしていました。
このハトホル神殿の地下には王または神の誕生を表現したと見られる不思議な壁画が在ります。神官たちが行なう秘儀を現しているといわれてますが、未だに解読されてません。ヒエログリフ研究の進展が望まれるところでもあります。
また、塔の脇にはそれとなく大きなベス神像が置かれてます。ベス神は古代エジプトの民間信仰の神で家内安全、お産の守り神でした。王の誕生といえどもベス神に配慮したところが心を和ませます。 古代エジプト人の世界より 村治笙子著 岩波新書