大神オシリスの聖地アビュドス(エジプト)では紀元前1300年に第19王朝のセティ一世とその息子ラメセス二世の建てた『葬祭殿』が見学できます。葬祭殿では、『七つの礼拝堂』が並んでいて、各礼拝堂には神像とそれが安置された聖なる船(船形神輿)に日々の祈りの儀式を行うセティ一世の姿が、祭祀の順をおって細かく描かれています。
礼拝堂に安置されているのは、神格化された王と国家神アメン・ラーとプタハ神とラー・ホルアクティー神、さらに冥界の三神オシリス、イシス、ホルスです。
国家神には国家の安泰を、プタハ神とラー・ホルアクティー神にはナイルの恵みとして五穀豊穣を、そして冥界の三神には死後の安寧と復活を願ったのでしょう。もし七つの礼拝堂を七日間かけて廻る儀式があるならば、つつがなく暦も進めるための願いを込めた行事とも解釈が可能なのではないでしょうか。
参考 古代エジプト人の世界 岩波新書 村治笙子著より