むかしむかし駿河の国に一人の爺がおりました。竹で器を作り、それを売って渡世にしていたので、竹取りの翁といいました。ある日竹林に入ると、巣の中で鶯の卵が光りかがやいているのを見つけました。家に持って帰ると、その中から小さなお姫様が生まれました天使


鶯の卵から生まれたゆえに『鶯姫』と名をづけて自分の子として育てました。後にまたとないきれいなお姫様になり、光り輝く故にまたの名を『かぐや姫』とも呼ばれました。もとは貧乏であつた老人がたいそうな長者となりました。その鶯姫のところに婿入りしたいと訪ねて来る人もおりましたが、難しい問をかけられて、答えられず帰って行きました。やがて都にも鶯姫の評判がとどき、時の天子様のお妃なるように、お勧めの話がありましたが、かたく辞退申し上げました。


その年の秋の八月の十五夜に、月の光が清らかに空いっぱいに照り渡っている時、真っ白な雲が迎えにきまして、鶯姫親子は富士のお山の上から天へと昇って往きました。半月 『海道記』より


なお、中国南部にも竹取物語と良く似た物語があるそうです。