幼い子は 魂も体もフワフワしていて、弱々しく定まらない。ましてや、赤ん坊は……生まれる前から産土(うぶすな)の神が無事出産を願って、山から厠(かわや)から箒(ほうき)から、わざわざお出ましになり、見守るのだそうです。これらの神様が集まらないと出産が始まらないという伝承をもつところも多いそうです。
長崎県壱岐郡では“この産土(うぶすな)の神々だけが産声を聞けるのだ”と伝承が残っているそうです。
その見守っていた神様も【お七夜(おしちや)】を過ぎるとそれぞれ帰られるのだそうです。
一ヶ月がたち、お宮参りになりますと氏神様にその後の成長を願うためお参りしますが、氏神様に憶えてもらうため赤ちゃんをわざわざ拝殿に置いたり、わざと泣かせたり、額に墨で(印)をつけて、印象を強烈につけようとするのは日本全国津々浦々に広がる習慣です。
明治時代までは、子供の名前にもその跡が見られます。例えば【捨吉】とか【捨五郎】とか一旦神社の拝殿に置いてきて、神様に強い印象とご加護を願った名前が散見されました。
私も残念ながら、娘の生まれる瞬間には立ち会えませんでしたが、神のご加護を必死に祈りました。
【お七夜】は産土の神に感謝しお帰りになる儀式があったのですが、今は廃れて産後の慌しさだけで終わっているのが現状だと思います。
皆さんももう一度古くからの習慣を思い出してみましょう。そこには父や母だけでなく、命を紡いでこられたご先祖の願いが判るかと思います。“温故知新”