昔々

秩父の里は、田畑の水も飲み水もえらく不便して

遠く荒川まで、水をくみに行っていたと。

そんな時にやあ あっち山 こっちの山でめえにち

雨ごいをして回ったんだと

木こりの小兵衛は『ヤナギの樹は水をふくんでいるって聞いた

ことがあるだよ』

ものは試しと、たあんと生えている柳田へでかけて行った。

大きな柳の木を見つけ、よき(斧)振り上げた

『木こりさん頼むから、あっしを切らねえでくれ』

『もしお願げえをきいてくれりゃ 水の湧き出るところおせえてやんべえ』

約束をしたその夜いつのまにか、深けえ眠りに落ちてった。

まもなく、綺麗な女の人が現れ、『今日は命を助けてくれて、ありがとがんした』

あたしにやあ 子供が七人おるんだがなあ 子供たちの足もとをそっと・そっと

掘りやあ きれいな水が湧き出るよう。 場所は宮地というところだあ

なあるほど、ヤナギの霊がいったとおり、七本の柳のちっちえ樹があり

そおっと、そおっと掘ってみると、冷やっこくて、うめえ水がでた。

七本ヤナギの湧き水。これが秩父の『七つ井戸』の由来でした。