春の嵐は突然に


雷鳴とどろくうなり声


木立は大きく風に揺れ


右に左に揺れてゆく


窓をうちぬく雨の音


夜の嵐の襲来は


眠れぬ夜を置いてゆく


明け行く空の無情に泣いて


窓打つ雨を見つめては


闇の支配の怖さを知った


おぼろに朝を迎えては


遠音響く雷鳴の音


手すりで遊ぶ雨たちは


列を成しては踊りゆく


ヒューヒュー音も連れてくる


木立も揺れて雨に濡れ


真横になびく木立の思い


轟音連れし木立の嘆き


鉛の空を見上げては


夕べの花を思い出す


華麗に咲いた花ならば


散らずに踊る強さを持って


耐えて...耐えて忍んで


かの人を...


思うこころの寂しさに


桜散る影見つめて泣いて


深いため息空に飛ぶ


春の嵐の朝物語


風に流れてどこへやら


吹いて流れて散りゆく運命


冴えし大気に流れゆく