最近意識してテレビを観るようにしている。
この前、撮りためた中からNHKのプロフェッショナルを選んで観ていたら、北海道の、自分の好きな本しか店舗に並べない本屋の店主の話だった。カルテという、悩みや今まで読んだ本のベスト20などのアンケートを書いてもらい、そのお客に合った本を1万円で送ってあげるというサービスをしている本屋だった。本は読めないと私は見切りをつけていたけれど、店舗に並んでいる本の中からいくつかうちにある本が並んでいることに気づいた。
今回読んだこの本だった。
夫とお金の話で揉めたり話が合わないことがある。お金とは何か。お金についてどんな価値観を持つべきなのか。そういうことが知りたくて、期待を膨らませて手に取った。
心に残ったフレーズをまとめる。
人は将来に希望が見えなくなると、自分のことをちゃんと大事にしてあげることさえできなくなってしまう。やぶれかぶれで刹那的な楽しさを追い求めるうち、モラルをなくしてしまう。
人生、何がチャンスカードになるか、わかったもんじゃないよね。
そもそも、私の目標は「トップになること」じゃないし、そんなものハナからなれるわけがない。じゃあ、これだけは譲れない、一番大切な目標は何か。
「この東京で、絵を描いて食べていくこと」
だとしたら肝心なのは、トップと自分を比べて卑屈になることじゃない。最下位な私の絵でも、使ってくれるところを探さなくっちゃ。最下位の人間には最下位の戦い方がある!
たとえ最下位だろうと、どこがどう最下位なのか、自分のことをちゃんとわかれば、かつ目は必ず見えてくるはず。
私にとって「才能がある」っていうのは「それでちゃんとカネが稼げる」ってことだった。
「どうしたら夢がかなうか?」って考えると、全部を諦めてしまいそうになるけど、そうじゃなくって「どうしたらそれで稼げるか?」って考えてみてごらん。
「才能」って、人から教えられるもんだって。
いい仕事をすれば、それがまた釘の仕事につながって、その繰り返し。ときには自分でも意識的に方向転換をしながら、とにかく足を止めないってことが大事。
今、自分がいる場所が気に入らなくって、つらい思いをしている子だって、その「嫌だ」って気持ちが、いつか必ず、きっと、自分の力になる。
マイナスを味方につけなさい。今いるところがどうしても嫌だったら、ここからいつか絶対に抜け出すんだって、心に決めるの。
「自分がいちばん!」そう思っているうちは、まだまだ。
「この人には負けた!」そう思える人と出会ったら、くやしがるだけじゃなくて、喜んじゃっていい。
だって、それが「世間の広さを知る」ということだから。
私が師匠に教わったのは、まず「負けてもちゃんと笑っていること」。これはギャンブルのマナーの基本中の基本。
ギャンブルっていうのはどうやって勝つかじゃない。負けた時にどう切り返すかだ。ひと月分の稼ぎが一晩でなくなったとしても、そこで言うギャグのおもしろさを競うくらいじゃないと。
人生だってそう。勝つことより負けることの方がずっと多いし、負けてあたりまえ。私にとってギャンブルは、そういうときの「しのぎ方」を、型破りな大人たちから学んだところだった。
自分とちがう境遇の人の立場や気持ちを想像することができない、想像力の欠如っていうのも、「人を人でなくしてしまうもの」のひとつかもしれないね。
親以外の、外の世界で出会った大人から怒られたり、叱られたりするのって、すごく大事なことだからね。
いざというとき、大切な誰かを安心な場所にいさせてあげたい。そう思うなら、働きなさい。働いて、お金を稼ぎなさい。そうして強くなりなさい。それが、大人になるってことなんだと思う。
自分から外に出て、手足を動かして、心で感じることだけは、諦めないで。
西原理恵子の、実体験に基づいたガチのお金の話は私の心に深く刺さった。自分が鬱になってから、もう働くことなんてできないかもしれないと密かに思い続けてきた。私は今の私の職業から逃れることはできないけど、絶対に向いていない職業についてしまったと思っていた。でも、よくよく考えたら私が出来る仕事ってそれだけなんじゃないかと思う。娘が生まれて、可愛いなぁと心から思う日が多くなってきた。「これが私の娘…。守らなきゃ。」と。でも、本当にそう思うなら私はもう少ししたら働くべきだと思った。自分の力で自分の使えるお金を少しでも増やすべきだ。そして、娘が困った時にいつでも渡せるお金を蓄えておくべきだ。
そう思えたこと、この本に感謝。
もし私が自分の読んだ本の中からベスト20を選ぶとしたら、この本はその中に入ると思った。いつか、娘にも読んでもらいたい本だと思った。