1998年10月7日オープン市川市駅近くにある桃園会グループ総厨師 渡辺嘉朗氏の四川料理専門店。

 
一見、街の普通の中華屋のように見えるが実は何を隠そうTBS「チューボーですよ!」 で街の巨匠として2010年1月23日紹介された神楽坂芝蘭 (2002年5月11日板橋や2006年5月20日銀座、2008年1月5日稔台の事も)の渡辺嘉朗総料理長の旗艦店。

 

 

渡辺嘉朗氏はさんさん丸がこれから仕事で通うフォレストタウン秋山 のある秋山側にお住まいでそちらを拠点にしていらっしゃる桃園会グループ(㈲桃園会 本社:松戸市 ㈹:同氏)の総帥。

330ceraのブログ-芝蘭リーフレット[フォレストタウン秋山編]

330ceraのブログ-LouRonリーフレット[フォレストタウン秋山編]

芝蘭板橋本店神楽坂芝蘭 (2007年12月13日開店)、銀座芝蘭 (2005年3月25日2年の改築閉店条件に開店、2008年10月7日移転後2010年9月25閉店)、相模原 大光楼(閉店)、札幌 四川飯店 (2006年グループ大野氏と下風氏の先輩経営者より譲渡される)、LouRon 、(2010年10月10日開店)、及び当店と楽山担担面 稔台店 (現在は店長だった方に譲渡)を率いておられます。

 
 

わが国における四川料理の草分けについては拙レビュー初回千歳烏山の四川料理 萬来軒 で触れましたのでそちらから引用致します。

 
料理の鉄人でおなじみの陳建一 氏の父、中国四川省宜賓生まれの故陳建民氏(1919年6月27日~1990年5月12日)は、中国四川料理の宮廷料理人。京川飯店等で料理を修業後、1947年故郷を離れて重慶、武漢、南京、上海などの大都市の餐庁を渡り歩いています。

 

 

おりしも日本の敗戦後、中国国内は一旦手を組んでいた蒋介石率いる中華民国国民党政府軍と毛沢東が指揮する中国共産党軍とが再び対立して1946年6月再び内戦状態となっておりました。一時優勢だった国民党軍は次々と大都市の勢力を失い1949年共産党の中華人民共和国が成立。国民党軍は台湾へ退却したのです。殆どの宮廷料理人はブルジョア階級の所属と言う事で弾圧されます。

 

故陳建民氏も1948年には台北、高雄へ脱出。その後の中国共産党の下放政策による土地の料理人への迫害で中国国内の高級中国料理の世界は壊滅することとなります。四川在住の特級料理人と言えど貴族や金持ちの宴に供される四川料理はこの時壊滅したと言えます。大半が香港・台湾などに流出しており庶民に縁のない本場四川宮廷料理、宴席料理の本場はそちらにあります。その反面、麻婆豆腐、青椒肉絲、担担麺、麻婆茄子などは大衆・家常菜(家庭料理)です。これらはそのまま四川に残留したものと思われます。

 

 

故陳建民氏は香港の川菜餐館を経て1952年黄昌泉氏と来日。同じ四川省出身で上海租界の夜総會にいた陳海倫氏の仲立ちで外務省官僚奥村勝蔵次官に認められ東文基園で同省主催の宴会料理等を担当することとなります。

 
 

1966年西潟久一氏も通った恵比寿中国料理学院が開校します。24年間で延べ15,000名以上の卒業生を輩出し麻婆豆腐、エビチリ、担担麺、回鍋肉等は故陳建民氏がそれまで師匠の味を盗む徒弟制度からレシピを公開する日本における中国料理の発展に寄与する事となります。

 
--引用ここまで---

 

この故陳建民氏の一番弟子・故下風慎二厨師(2008年11月28日没)が板橋下赤塚にオープンしたのが芝蘭板橋本店 です。又、下風厨師と赤坂四川飯店時代の先輩大野静男厨師、既に当店をオープンしていた渡辺嘉朗厨師の三名が「四川の本当の味を日本に広めよう」と意気投合し2003年5月共同経営会社を設立したのが桃園会グループです。

 

 
三国志の蜀、四川省省都・成都は劉備、関羽、張飛の三名が義兄弟の契りを結んだ地「桃園」にちなんで「桃園会」と名付けられました。三名は年二回四川を訪れ本場の雰囲気を学びます。下風厨師は、師と仰いだ四川省一級厨師袁衛氏の協力で銀座芝蘭 をオープン、2007年夏、成都に3カ月間滞在して26店の厨房に入ってその技を勉強、年末、神楽坂芝蘭 をオープンと勢いに乗りますが翌年ビルの建替えで移転した銀座芝蘭 リニュアール直後に下風厨師がお亡くなりになります。グループを引き継いだのが渡辺嘉朗氏。

 


330ceraのブログ-四川現地[フォレストタウン秋山編]

渡辺嘉朗氏(44)は福井市出身、丸岡高校中退(中日新聞による公表)後、関西の中華料理店で2年間修行、その後地元へ戻り天谷調理師専門学校を卒業して柏四川飯店(閉店)等で10年間修行、1997年30才で独立して当店を開店。柏四川飯店出身者は陳建民氏、黄昌泉氏のもとで修業して料理長だった蓑島誠氏は船橋川菜味 開店。柏江戸川台ほんわ華や (2003年開業/2008年3月24日松戸より移転開店)も元料理長(氏名非公開)へ譲渡。


330ceraのブログ-芝蘭ショップカード[フォレストタウン秋山編]

330ceraのブログ-案内図[フォレストタウン秋山編]

 
店舗はフォレストタウン秋山 のある北総鉄道北総線(成田スカイアクセス線)「秋山」駅のひとつ手前、「北国分」駅(副駅名:堀之内貝塚)から125m徒歩2分の駅前にある。行政区が変わりこちらは市川市堀之内。「秋山」より一足早く1990年代後半に土地区画整理事業が完成した「北国分」は、2000年代商業施設やマンションが開発されており、これからと言う秋山より、トラットリア ポルポ 北国分店アークカフェ のあるアークタウンココス 市川国分店マクドナルド 北国分店 等飲食店や石窯パン工房 サフラン 北国分店業務スーパー 北国分店ワイズマート 北国分店ベルクス 市川堀之内店 等、秋山住民もショッピングエリアとして訪問の機会も多いと思うので憶えていて良いお店だと思います。

 


330ceraのブログ-外観右から[フォレストタウン秋山編]

330ceraのブログ-店内[フォレストタウン秋山編]


330ceraのブログ-店内4席テーブル[フォレストタウン秋山編]

さんさん丸も松戸市秋山土地区画整理組合 と同一敷地にあるミサワホームセラミック秋山販売センター から車で数分の至近距離ゆえ真っ先に同店を目指しました。店舗のある駅前交差点角に上階は4階建て14戸のマンション1998年7月竣工「サンライズ朝倉」の1階で本通り側に3台の駐車場。

店内は入口手前デッキにテラス4席、入口両脇に4席テーブル2卓、2席テーブル4卓、カウンター4席と長円10席に奥に4席半円卓2卓で8席の長円卓の構成。他にベビーチェア1席と予備席が2席の合計45席。インテリアは濃い茶系のオーク調。

 

 
[2011.12]



330ceraのブログ-店頭ランチメニュー[フォレストタウン秋山編]

330ceraのブログ-店内ランチメニュー[フォレストタウン秋山編]


 ・サービスランチメニュー 900円(お新香、ライス、スープ、デザート付き)
 1.楽山マーボードウフ
 2.芝海老のマヨネーズ炒め(えびマヨ)
 3.茄子のフリット 甘辛ソースかけ
 4.豚肉とピーマンの細切り醤油炒め(チンジャオロース)

 ・レディースランチ 1,200円(前菜3種、漬物、スープ、デザート付き)
 A.フカヒレと蟹肉のあんかけチャーハン
 B.点心3種と黒酢酢豚セット(蒸時間所要12分)

これに1,100円の
 ★本場四川山椒入り麻婆豆腐

です。単品に300円で本日の小鉢、シュウマイのランチセット設定もあります。

 


330ceraのブログ-本場四川山椒入り麻婆豆富[フォレストタウン秋山編]
330ceraのブログ-四川山椒入り麻婆豆富横景[フォレストタウン秋山編]

ひと通りメニュー眺めましたが少々高くても「本場四川山椒入り麻婆豆腐」と決めておりました。
麻婆豆腐はやや浅い鉢のような器になみなみと入れられ硬い水分を切った木綿豆腐に甜麺醤と豆板醤、豆鼓とラー油ベースの餡に朝天辣椒(赤唐辛子)と葱、中央部に四川花椒(赤山椒)が固まって適度に痺れます。その後に辣らさが効いて本格的です。旨いです。

 


330ceraのブログ-四川山椒入り麻婆豆富主菜[フォレストタウン秋山編]
330ceraのブログ-四川麻婆豆富主菜横景[フォレストタウン秋山編]

同じ陳建民系でも四川料理 萬来軒 や武蔵境 陳麻腐豆腐 好好 辺りの黒赤い汁気の少ないのとは違った芍薬辣油がタプタプで前面に出た展開のようです。

 


330ceraのブログ-ランチデザート杏仁豆富[フォレストタウン秋山編]
330ceraのブログ-杏仁豆富横景[フォレストタウン秋山編]

又、良く「鎮江の(黒)酢、自貢の塩」と言う様に四川は約1900年前からミネラル分の多い井戸塩の名産地です。どうやら当店はこの塩を使って敢えて塩辛めに仕上げているようです。

 

 
本場では四川山椒が学校給食のようなプラスティック丼に山盛り置かれており、既に十分効かせてあるにも拘らず客はだいたい蓮華に山盛り2杯を追加投入します。この辺り店によってかなり異なりますので日本国内でもマチマチのようです。

 

 
この麻婆豆腐、元々は羊肉豆腐或いは麻辣豆腐と呼ばれ年代はそう古くない。およそ西太后の時代1862年(清代同治元年)で、陳森富の妻劉氏が豆腐屋と羊肉店に挟まれ又油かつぎの工夫等から安く譲ってもらった余り物で労働者向けに作っていたものです。良く日本では麻(あばたの)婆さんが考案したなどと言われる事もありますが、劉氏は若後家で婆とは教師の事を老師、旦那さんのことは老公、奥さんのことは老婆と呼ぶように敬称のひとつですのでお婆さんと言うのは信用しない方が良いでしょう。麻婆とは成功して亡くなった後に付けられたと言うのが定説です。

 

 

くしくも同年代日本では「親子丼」を玉ひで 五代目主人の妻山田とくが考案して以来好評を博しています。約150年前のお話です。

四川料理の代表格は担担麺ですので再訪して又試してみたいお店です。

 


330ceraのブログ-レシート[フォレストタウン秋山編]

 

楽山 本店 (ロォシャン)
http://r.gnavi.co.jp/p668801/
四川料理、中華料理、担々麺
047-373-7733千葉県市川市堀之内3-17-16
北総線「北国分」駅徒歩2分
11:00~15:00(L.O.14:30)/17:00~22:00(L.O.21:30)月休
45席(C4,4Tx2,2Tx4,円卓10+円卓4x2,予2,子1,テラス4)P3台
★★★★ 4.0 食べログ昼総合点

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