1日目 兄さんに追われる少女ありがとうレギュラス君!

1日目 兄さんに追われる少女


ある日の午後、僕は図書室から寮に帰る途中だった
歩きなれた寮への道を無心で歩き続ける
寮の近くの廊下を曲がった時、物凄いスピードで走ってきた少女にぶつかってしまった


「うわっ!」


僕は倒れそうになったその少女の腕を掴みなんとか安定させる
その代わり僕の持っていた本がバサバサと音を立て、床に落ちていった


「まったく…危ないじゃないですか。少しは前を向いて走って下さい。」

「ごめんね…走るのはOKなんだ!」


ぶつかってきた小柄な少女はグリフィンドールの生徒らしい
彼女は僕が落とした本をいつの間にか拾っていた
それを受け取ろうとしたちょうどその時、


「なまえー!そこに居るのは分かってる!観念して出て来い!!」


聞きなれた声が廊下の向こうから聞こえてきた
兄さんだと気付くのに時間はかからなかった
なまえとは彼女の事だろう
先輩だったのかと彼女を見ると随分と怯えている

気が付けば僕は彼女の手をとりその場から駆け出していた


「えっ?ちょっ!?何処行くの!?」

「静かにして下さい。逃げてるのでしょう?見つかりますよ。」


そう言うと彼女は堅く口を閉ざし、僕に引っ張られるがままとなった
近くの空き教室に駆け込み、机の陰に隠れる
暫くして、兄さんの声と足音が近づいて来たが、どうやら教室の前を素通りしたらしく足音は徐々に離れて行った


「ふー助かったぁー…ありがとうレギュラス君!」


僕は机の陰から出て「僕の名前知ってたんですか」と素っ気なく言う


「知ってるよ!シリウスが俺の可愛い弟だとか言って毎日写真見せ付けてくるから!」

「(あんのクソ兄が!)…どうして兄さんに追われてるんですか?」


単刀直入に聞くと、彼女は困ったように笑い話し始めた


「あのね、今日から一週間、授業は勿論除いてね、鬼ごっこしてるの」


彼女の答えに間抜けな声が出そうになったがなんとか堪えた
一週間鬼ごっこ?何を考えてるんだこの人達…頭可笑しいんじゃないのか?


「あっ勿論訳ありだよ?シリウスと約束しちゃったの…一週間私が逃げ切れなければその時は付き合うって」

「バカでしょう」


一言でそう返すと少し俯いてしまった
しかし、すぐに顔を上げ僕を見つめてくる
その目は期待で満ちていた
僕はため息をつき、呆れた目で彼女を見返した


「言っておきますけど僕、貴女を守るなんて嫌ですから」

「えー!何でー!!そこをどうかお願いしますー!!」


よほど兄さんと付き合うのが嫌なのか、必死に目で訴え掛けてくる
僕はふと考えた…この人を守れば、兄さんの悔しがる顔が間近で見れるかもしれない
この僕、実の弟に負かされる姿を見る事が出来る
こんなチャンス滅多にない!


「…やっぱり引き受けますよその仕事」

「本当!?ありがとう!!」



こうして残りの六日間、実の兄から彼女を守る事になったのだった






あとがき→

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1日目 兄さんに追われる少女

はい!1日目終了です!


レギュラス君は自分の楽しみのために引き受けましたね(笑


そしてシリウスのブラコン←


きっととっても可愛がってるに違いない


そしてジェームズに自慢してるに違いない!


「今日もレギュラスがさー!」


とか言ってるに違いない!!


一番心配してるんだよお兄ちゃんが。



って言うか、うん絶対バーサスになると思うんだ;


シリウスvsレギュラスに←


…なるようになれ!!



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