本人の望まない治療を無理やり推し進めることは虐待やDVになるのだろうか?


このまま自宅で死んでしまったら、保護責任者遺棄致死で事件になってしまうのだろうか?


すでに転移してしまっているとしたら、このまま無治療で最期を迎えることが「正しい」のではないか?


心配で彼女に視線向ければ、「そういうのストレスになる。治るものも治らない」とけむたがられる。そんなに痩せて、それなのに、Tシャツの胸だけは自壊した腫瘍に貼り付けた吸水パットで大きく膨らんで、ソファーに横たわっていて、ぼくはいったい何と対峙しているのだろう、なにも届かない、確実に結末はおとずれる。「生き物はいつか死ぬのだから、然程驚くことではないだろ。死なない方が驚きだ」小説で読んだ台詞をあたまのなかで繰り返しながらも、停滞していてはダメだという気持ちだけはなぜかあって、治療よりも病院とコンタクトを取らせることを目標として、それとなく患部の処置を提案するスタンスへ移行した。モーズペーストのこと、自分ががん相談支援センターへ電話した時のこと、このままでは成長し続ける腫瘍に物理的に対処できなくなる時が必ず来ると、しずかに繰り返した。


【Mohsペーストが著効した局所進行乳癌の1例】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcs/37/6/37_1096/_pdf/-char/ja