http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/69e2ddc90f7ef925258a698764d48a89



 あまりの結果に泣きそうになります。

 朝刊を見たら、一面に、元検事謝罪要求応じず、という見出し。

 足利事件の再審です。

 開廷直後、菅家さんが尋問に立ったそうです。
「森川さん、わたしは17年半もの長い間、無実の罪で捕まっていました。どう思いますか」
と問い詰めた。
 元検事は「非常に深刻に思っている」と答えるにとどまった。
「取調べで全部やってないと正直に話したのに、なぜ弁護士や裁判所に伝えなかったのか」との質問には
「逐一、報告する必要はないと考えた」

 検察側は、弁護側の証人尋問の間に30回以上異議の申し立てをしたそうです。


 なぜ、謝れないんだろう。
 間違ったことをしたんだから謝ればいいではないか。
 
 取調べのテープ録音によると、虚偽自白をさせられる寸前、菅家さんは、あなたに「ごめんなさい」と謝らされているではないか。
 
 元検事ってことはいまは弁護士じゃないのか。公証人なのか。県警本部長も検事正も謝罪して、そしたら菅家さんは許すっておっしゃったじゃない。

 閉廷直前、菅家さんが
「お願いします」
とうながしたけれど
「先ほど申し上げた通り」と小さな声。

 せっかく救命ボートが出されたのに乗らなかった。

 自分を救わず、菅家さんたちも見捨てた。今できる唯一のことは謝ることなのにそれが出来なかった。

 国家賠償訴訟のことを気にする現職検察官に打ち合わせで謝るなとでも言われたのか。

 菅家さんはまたも深く傷つかれたことでしょう。
 記者会見で、「絶対謝ってもらいたかったが謝らなかった。一生許さない」とおっしゃっていたそうです。それはそうでしょう。謝れば許してくれる優しい人だからこそ。

 検事も私たちの仲間ですから他人事ではなく、一緒に反省して考えなければいけない問題です。
 なぜ、私たちは謝れないのだろう。



「謝るまで永久に許しません」(2010年1月23日 読売新聞)
 証人尋問の内容について残念そうな表情の菅家利和さん(県庁での記者会見で) 「謝るまで永久に許しません」「こっちが悪いようなことばかり言ってずるい。汚い」。足利事件の再審第5回公判が開かれた22日、菅家利和さん(63)は閉廷後の記者会見で、森川大司元検事への怒りをあらわにした。16年半ぶりに対峙(たいじ)した宇都宮地裁の法廷。「謝ってほしい」という菅家さんの切実な思いは届かなかった。
 菅家さんは県庁の記者会見室で、いすに深く腰掛け、みけんにしわを寄せたまま終始険しい表情を崩さなかった。森川元検事の取り調べで人間性を否定されたと強く感じている菅家さんは、謝罪に応じない森川元検事の態度について「反省していない。私より人間性がない。はっきり言える」と切り捨てた。
 午後の証人尋問で菅家さんは、「私と森川さんの立場を逆に考え、そして謝ってください」と、事前に用意していなかった質問を静かな口調で投げかけた。しかし、謝罪の言葉はなく、「昔は優しい検事だと思っていたが、反省もない。絶対に許せない」と声を荒らげた。
 佐藤博史・主任弁護人も、森川元検事を「自白が虚偽であったことさえ認めないとは、とんでもない」と非難した。また、当時の取り調べについて、「無実に気付くチャンスはあった。経緯を見直すべきだった」と厳しく指摘した。
 この日の公判で、過去のDNA型再鑑定や菅家さんの自白について検証する証拠調べは終了した。2月12日の次回公判で検察側が菅家さんの無罪を求刑し、3月26日に無罪判決が言い渡される。
 佐藤主任弁護人は、これまでの公判を振り返り、「誰の目にも無実が明らかになった。誤判の原因に踏み込むことができた」と一定の評価を述べた。
 笹森学弁護士は、取り調べ録音テープが再生された意義を「いかに自白を強いられていたかが手に取るようにわかった」と話した。また、菅家さんが任意同行時から警察に恐怖心を抱いていたことが虚偽の自白を生む結果につながったことを踏まえ、取り調べの全面可視化について「任意同行の時からの録音録画が制度化されれば、冤罪(えんざい)が防げる」とも述べた。

毎日新聞
 ◇証人尋問での菅家さんと森川元検事の主なやりとり◇
 菅家さん 森川さん。17年半もの長い間、私は無実の罪で捕まっていました。あなたはこのことをどう思いますか。

 森川元検事 当時、主任検事として全証拠を検討し、菅家さんが(足利事件の)犯人で間違いないと判断し裁判に臨んだ。再審請求審のDNA再鑑定で犯人でないと聞き、非常に深刻に思っている。

 菅家さん 全部やっていないと話しました。なのに、なぜ弁護士や裁判所に伝えなかったのですか。

 森川元検事 真実ちゃん事件(足利事件)の事実関係を聞くというより、2件の余罪について取り調べていたので、そのいきさつの中で真実ちゃん事件に触れることはあっても、あくまで余罪の取り調べです。どういう調べをするかは検事の裁量に任されており、逐一報告する必要はない。

 菅家さん 無実の罪を着せたことを謝ってください。

 森川元検事 当時の証拠関係から犯人でないと疑わせる証拠はなかった。DNA再鑑定であなたが犯人でないと分かったわけです。厳粛に、深刻に受け止めたい。

 菅家さん 私の家族に謝ってください。苦しんでいるんです。

 森川元検事 先ほど申した通りです。

 菅家さん どう思いますか。本当に苦しんでいるんです。

 森川元検事 先ほど述べた通りです。

 菅家さん 反省してないんですか。

 (公判検事が「立証趣旨が分かりません」と裁判長に異議を訴える)

 菅家さん あなたは黙っていてください(と声を荒らげる)

 森川元検事 先ほど述べた通りです。

 菅家さん あなたは私に「人間性がない」と言ったが、あなたの方が人間性がないんじゃないですか。私は怒ってますよ。

 森川元検事 言ったつもりはありません。

 菅家さん 確認しているんですよ。

 (公判検事が再度、異議申し立て。弁護士が菅家さんをなだめ質問終了)

 《弁護団による尋問の後、再び菅家さんが質問》

 菅家さん 私は昨日、今日と本当につらい思いをした。私と両親、兄弟に謝るつもりはないんですか。

 森川元検事 先ほどの通り。深刻に受け止める。

 菅家さん 私と立場を逆に考えてください。謝ってください。お願いします。

 森川元検事 (数秒間沈黙)先ほど述べた通りです。

----

私もこんな人をうやむやに許す気は全くありません。