名古屋グランパスのDF田中マルクス闘莉王(29)がシリアスモードに入った。実相寺サッカー場で行われている別府キャンプは5日、3日目に入り、ゲーム形式の練習が増えた。張り切ったのはチームリーダーの闘莉王。戦術的な指示を連発。特に若手には厳しく、チーム全体の底上げを意識してリーダーの本領を発揮し始めた。
コミカル役に徹してキャンプを盛り上げていた闘莉王が、ひょう変した。緊迫した空気が流れたのは、10対10のミニゲーム。
「何でオレがここまで上がってるのか、分かってんのか」
右DFの松尾がクロスボールを上げずに、攻撃が途切れると、逆サイドで待ち構えていた闘莉王の怒声が響いた。2日目までの笑わせるキャラは、実戦的なメニューが増えると、ピッチを仕切るリーダーに変身。中盤の花井にも「もっと強く行け」と、妥協を許さない。
「今まで試合に出てなかった選手もレベルを上げていかないと困る。そうしないとJ1連覇も難しいし、ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)もすぐ終わっちゃうからね」
2つの大きなタイトルを目指して、さらなる高みまで、レベルを上げようと思うから、口調も厳しくなる。
移籍した昨年は、日本代表のためキャンプ不参加。「最初から一緒にやれるのは大きい。全然違う」と、多くの選手とコミュニケーションを取りながら準備する時間は充実している。
「楽しくワイワイやってますよ。キャンプって、きついイメージがあるけど、楽しんでやれればいいからね」
宿舎から練習場まで選手たちはバス移動しているが、午後練習から、闘莉王は「故障しないよう、ウオーミングアップ代わりに」と自転車通勤に変更。10分ほどの道のりを小川とともにやってきて「はい、これで練習終わり」と軽口を飛ばしたが、むしろヒートアップ。闘莉王の感情むき出しのプレーは、戦術的な練習が本格化したことを告げるサイレンだった。
