天門の試練  31 | シンイ二次小説でんべのブログ

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31

暑さが日に日に
増す中、ウンスは侍医やトギや
他の医員を交え、対策を練る
日々を過ごしていた。
役目に没頭するウンスを
ヨンや屋敷のユリ、ボッコや
テマンまでが倒れやしないかと
案じていたのだ。


「まだ眠らぬのか?
今日もあまり食が進んでおらなんだが
大事ないか?」


「うん、調べものをしないと。
王妃様に赤ちゃんを抱かせる為に
今が踏ん張り時なの。
心配いらないは、これが
一段落したら眠るからヨンは
先に休んでいてね」


漢字表記の出産に対する医学書を
侍医に頼み手に入れたウンス。
現代人のウンスには読み解く事は
かなり難しく悪戦苦闘の日々が
続いていたのだ。


「読むぬなら手伝うが?」


「う~ん・・・でもヨンにまで
付き合わせて日々のお役目に
支障が出ても申し訳ないから
頑張るから先に眠ってね」


「俺の事は気にしなくてよい。
ウンスの方が倒れやしまいかと
皆、気に掛けておるぞ。
どこが分からぬのだ?」


ヨンはそう呟くと蝋燭の灯りが
揺れる卓上へと歩を進め
ウンスの隣に腰を降ろし医学書を
眺めているウンスに問う。


「このように漢字ばかりの書物
読めぬであろう?
俺とて王妃様には無事に
赤子と対面して欲しいと願って
止まぬゆえ、いくらでも
手を貸そう」


「ありがとう、じゃぁお言葉に
甘えて・・・まずはこれから?」


ウンスが指差す漢字を次々
ヨンは読み解きそれを説明していた。
無痛分娩から始まり一度毒に侵され
流産を経験した女性は解毒は
できていても何の障害も母子には
おきないものかなどを
ウンスはヨンに説明し医学書から
探して欲しいと頼んでいた。


「此度は必ず元気な赤ちゃんを
抱かせて差し上げたいの・・・
あの時の王妃様の憔悴しきった
お姿が脳裏から離れる事は
なかったから、絶対生ませて
見せるわ」


「俺もそう願いたいが
ウンスは無茶する故
あまり根をつめてはならぬぞ
もたれる肩はいつもここにある」


ヨンは優しい瞳をウンスに向け
自身の肩をポンポンと叩く。


「ありがとう。頼りにしてます
うふふっ」


・・・・・


「王妃よ、寒くはないか?
暑くはないか?痛い所はないか?」


王妃の懐妊が判明してからと

言うもの王様は、連日、王妃様の
寝所に足しげく顔を出し
共に添い寝をするのを楽しんでいた。


「まだ生まれぬのか?
はよう出て参れ」


「ふふふっ、お気の早い事・・・
十月十日腹におらねば赤子は
元気には生まれませぬと義姉様は
仰せになりましたゆえ
まだ先にございますれば
妾は王様が毎夜このように添い寝を
してくだされるだけで
嬉しゅうございます」


「なれど余は待ち遠しのじゃ。
十月十日のぅ~~長いの~~」


「妾も待ち遠しゅぅて・・・
此度は邪魔をする者もおらぬはず
義姉様の手を借り必ずや
丈夫な赤子を生みとうございます」


一瞬遠い目をする王妃様。
あの折、生む事が叶わなかった
赤子にお想いを馳せたのかも
知れない。

天下人とて辛い想いは民と同じ
であり、泣き喚きたいときもあるが
お二人の立場がそれをよしとしないのも
事実であるのではなかろうか。

ぎゅうと抱き締めれば
互いの想いは伝わり、翌年の春先には
親子三人の川の字が見れるやも
知れぬ。


・・・・・

一方こちらは。

ウンスの両親がヨンが不在の折
限定で同居することになった。

のだかなで空気が美味しいと
田舎生活は捨てがたいとの要望と
ウンスに子供が授かれば
同居も考えるとの返答であった。


「今日はヨン君は何方のSPなの?」


「ヨンはその腕をかわれ今は
大統領ばかりなのよ。
なんだか、忙しいみたい
言い寄る女性もたくさんいる
みたいで、モテ期到来と冗談で
笑っていたわ。イケメンだし
あたりまえよね」


「ウンスは寂しくないの?
年に何度かしか帰宅できないんでしょう?
仕事変わる事はできないのかしら?」


「ヨンには天職なんだから
余計な事いっちゃダメよ。
私も忙しいけど毎夜テレビ電話で
顔を見て話してるから
寂しくはないわ」


「嘘・・・」


オモニの目はごまかせない。
一瞬寂しい目をするウンスを
母親は見逃しはしない。
我が娘の幸を願わない親など
いるはずもなく
母親は父親と目配せし
何かを考える仕草をしていた。


「今日のクッパ美味しい!
何か隠し味入れたの?
マンボ姐さんのクッパと
味が似てるわ。きっとヨンも食べたら
同じ事言うと思うわ、熱々を
食べさせてあげたい・・・」


ウンスの瞳にはみるみるうちに
涙で溢れ零れてくる。


「ウンスや?泣くな。
お前がさみしいのはよく分かったから
今日ヨン君から電話があったら
父さんと代わりなさい。
お前の本音を父さんが伝えるから
ウンスは子供頃から笑顔の裏に
悲しみを隠していたな?
そんなんじゃ子供も授からないぞ。
分かったな?」


「いやだ~~、本当に寂しくないから
心配しないで、うふふ」


そんな時ウンスのスマホが鳴る
もちろん愛しいヨンからだ。
ウンスは、リビングから
ベッドルームへと小走りで
駆けて行った。

むろん両親もその後を追う。
ウンスの両親はヨンに何を言うのか?
ヨンの答えは?気になる所だ。


・・・・・

皆様こんにちは。

じめじめとした季節がやってきましたが
皆様はどうされて過ごしていますか?
今日も今日とて雨ですが
大雨の地域もあるようですよ
十分気をつけて下さいませ。


仕事復帰して1ヶ月が過ぎましたが
忙しい日々を過ごしております。
帰宅してからの家事に追われ
くたくたです😖💧💨
でも後11年現役でいたいので
頑張ります。