天門の試練  26 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ど、退けよ!!
俺が誰だから分かってるのか?
街一番の悪だから喧嘩でも負けた
事ないし、強いんだからな!」


「あ、そ・・・誰だか知らないが
大護軍の知人に恐い思いを
させたんだから、あんたも恐い
思いをしてみればいいさ」


こんな雑魚、大護軍の手を煩わせる
事はないと、トクマンはヨンに
一礼し、一歩前へと歩を進めていた。
長槍をポイと放り投げこいこいと
手で合図を送っている。


「殺してはならぬぞ」


「勿論です。痛めつけるだけです」

ヨンは口角を上げると
天界のウンスとウォルの元へ
踵を返す。


「ウンス殿?如何されるおつもりか?
して、この方は?」


「ヨンさん・・・ほんとうに
ごめんなさい。魂の片割れだから
天門が間違えても仕方がないわ。
あぁ~・・・あっ!ごめんなさい
この女性はウォルさんって言って
患者さんなの」


そう紹介されウォルはぺこりと
頭を下げてはいたがどうも様子が
おかしい、ヨンを見つめ頬を
染めていたのだ。


「は、は、は・・・」


おそらく初めましてと
挨拶したいのだが言葉にならないよう
なのだ。


「ヨン?ウンスさんがきたと聞いたわ
どういう事?」


「ん?・・・もう~~ヨン?
この方は?」


「ウォル殿だそうだが」

天界と言われる場所で育ったウンスは
ウォルの瞳に桃色のハートマークが
見え隠れしているのを見逃す筈がない


「ウォルさん、初めまして。
悪いけどこの人は私の大事な旦那様
なのね、誰にも渡すつもりも
ないし、諦めてね」


ウンスはヨンを背にし
視界を遮るつもりなのだろうが
悲しいかなヨンの方が丸見えだ。
ウンスの悋気が垣間見れた瞬間
ヨンは嬉しそうに口角を上げる。

そんな間にトクマンはごろつきを
片付けている。


「口程にもないわ。大護軍?
こいつらどうします?」


「あん?・・・ウンス殿は
こいつらどうしたいのだ?
天人を置いて行かれても俺らは
迷惑なんだがな」


「分かっていますが・・・。
この人らを連れて帰るのも
なんだか恐いんです。
天門は三人だけでは通すかどうかも
確約できませんし・・・」


そんな時だった。
天門より黒スーツ姿のヨンが
現れたのだ。
スマホが繋がらず心配になり
大統領に二時間だけ時間が欲しいと
願い出、自宅に戻る途中で
天門が開いた路上を見つけ
飛び込んだのだ。


「ウンス!!!」


「ヨン!・・・」


ウンスは名を呼ばれ振り返ると
愛するヨンである事に安堵の表情を
浮かべ、その胸めがけて走りだし
その胸にぱふんっと収まる。


「どうなっておるのだ?
なぜ高麗と言うより天門が開いて
いるんだ?」


ウンスは嘘はいけないと
すべて包み隠さず話していた。
少しのお酒のつもりが酔いがまわり
ウォルにも迷惑かけ、ごろつきにも
絡まれヨンの元へと天門を
開いたら、高麗に着いてしまったと。


「一人では飲まぬと約束したんじゃ
なかったか?」


「ごめんなさい・・・一人で
暗い部屋に帰りたくなかったの
寂しくてつい、、飲みました。
まさか天門が高麗へ導くなんて
思いもしなくて・・・」


「大護軍、医仙、迷惑掛けて
すまぬ。この通りだ」

ヨンは二人に向かい頭を下げる。

天門を知らないウダルチは
大護軍が二人、医仙が二人と
眼をぱちくりさせている。


「ト、トクマン先輩?
これはどういった事になっている
んですか?こちらの大護軍と医仙殿は
見たこともない衣ですよ。
それとも俺たちは死んで
ここは黄泉の国ですか?」


「あぁ~お前達には説明しても
無理だろうな。ひとつ言える事は
お前らは死んではいないし
安心しろ!」


「ヨンさん?ウンスさんは
寂しいのよ。私も一緒だから
ヨンさんが居ないと生きていけない
のよ。分かってあげてね。
仕事もあるだろうけど
休みの日には一緒に居てあげてね
仕事の時は・・・う~ん?
アボジ、オモニに近くに住んで
もらい、一人の時は実家に
住むのもひとつの手だと思うわ」


「ヨン殿?俺もウンスの提案に
賛成であるぞ、このような
刺客もおるのだから、お役目の折りに
は、ウンス殿を泊まらせるなり
親御殿に屋敷に参って
頂くなりできるのではなかろうか」


「俺は今、SPと言って
要人の警護の仕事に付いる
・・・王様をお守りする近衛、
ウダルチと言える仕事をしている故
家を空ける事が多々あるのだ。
寂しい想いしていた筈
なれど、ウンスは大丈夫だからと
笑顔で送り出してくれていたのだが
俺は忘れていた・・・辛さ、寂しさ
を笑顔の裏に隠すのが
上手な女性だった事を・・・
ウンスや、すまない。
ウンスの親御にお願いしてみる。
一緒に住んで欲しいと」


「そうしてあげてね。
ウンスさん?一人で飲んじゃ
駄目よ。飲む時はヨンさんと
一緒にね。うふふ」


「はい。ごめんなさい」


「戻ろう。大護軍?すまぬが
縄を貸してはもらえぬか?
ごろつきは連れて帰る故
そちらの女性もウンスが世話を
掛けた。一緒に戻りますぞ。
高麗に脚を踏み入れたとたん
故郷に戻ったようにこちらの方言が
でてしまうな。懐かしい山々
懐かしい兵舎、ウダルチ!鍛練を
疎かにしてはならぬぞ!!
よいな!」


「「はっ!」」


懐かしい景色にヨンは癒しを
覚えたのであろうか
腹の底から深呼吸を繰り返すと
ウンスの手を取り、トクマンとテマンが
ごろつきを縛り縄の端をヨンに渡す。

ウォルはヨンに一目惚れした様子では
あったが、大統領SPであるヨンを
TVで見たことあるようで
すぐさまSPヨンに心を奪われた
様子であった。
ちょこちょこと子犬のように
ヨンのそばを離れずにいた。


ウンスは「気の毒に」と案じつつも
我がヨンからはあっさり
ひいてくれた事に対し胸を撫で下ろした
に違いない。

・・・・・


皆様こんにちは。

なんとなく解決?したかな?笑
ウォルの妖しい動きに
天界のウンスはどうあしらうのかしら
また覗きましょうね笑い


あ、それと21日火曜日から
仕事が決まりました。
ちょうど失業保険が切れるタイミングで
した。いちにちが長く退屈して
おりましたので、良かったです。
また製造業ですが婆さんがんばります。

更新の間隔がまた空いてしまうと
おもいますが、お付き合い下さいませ。