天門の試練  19 | シンイ二次小説でんべのブログ

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もうそこはチェ家本願である
鉄原である。

目の前には天界の二人がいた。

ウンスがいち早く見つけ
大声を張り上げていたのである。
天界のウンスの花嫁衣裳に
高麗のウンスはうっとりと眺めて
いた。高麗にはない黒をベースに
点々と大輪の牡丹がプリントされ
基本は赤ベースの横長の小さな鞄を
ぶら下げていた。

ヨンと言えば
戦の折り、貸していた濃紺の
ウダルチの正装姿だ。
麒麟の紋様が入った甲冑は
付けてはいない。


「ウンス~~!?
とっても綺麗よ。もしかしたら
今日結婚式なの?」


「もう終わったわ。
だからご両親に挨拶に来たって訳。
二人はお墓参り?」


「私達は明後日が婚儀なの
で、挨拶にきたのよ。
じゃあお互いの親でもあるし
揃ってお墓参りしましょうよ。
ねぇヨン?構わないでしょう?」


「・・・」


「もぅ無愛想なんだから。
口角を上げないと男前が台無しよ。
ほら、こうしてね。うふふ。
でも貴女の衣裳とっても素敵!
この鞄も良いなぁ~~。
ここにはない鞄よ、さすが
現代人だわね。でも私はいらない。
ヨンが用意してくれた白地に
小さな小菊が刺繍された
チョゴリを纏うわ。
叔母様とヨンと二人で刺繍して
くれたのよ。凄いでしょう?
袖口と裾に黄色小菊が
ちりばめられ胸には縁を結ぶ花として
言われるヒルガオが刺繍されてて
とっても素敵なんだから」


天界のウンスの持ち物を
誉めちぎるウンスに、ヨンは
『恋しいのか?戻りたいのか?』
かと不安になって無愛想な顔の裏に
胸がチクりチクりと痛みだしたが
その次の言葉で安堵したように
眉が下がり口角が上がる。
見れば百面相と思うかもしれない。


「ウンス?参ろう。すまぬが
先に参らせて貰うぞ」


「構わないわ。でも時代が違うんだから
お墓も違うんじゃないの?
ヨンもやっぱりここが本願なの?」


「あぁ、鉄原が本願には変わりない
幼い頃母上が亡くなり
此方に来て以来、久方ぶりでは
あるが、覚えておる。
長き渡り、親不孝をしてしまったと
後悔していたのだ。
ゆえにウンスが戻りし折り
必ず二人で参ると決めておった」


高麗の二人が敷物を敷きお供えを
供え、クンヂョルを二度繰り返して
いる最中、天界の二人はそんな
会話をしていた。


「私達もお供えしなきゃ」


そして二組のヨンとウンスは
並んでクンヂョルをしていた。
そんな時目を見開く人物が
現れる。代々墓守りをしていた
人物であり、チェ家遠縁にあたる
グンソクである。


「なぜ?主殿が二人も?
へっ!わしの目がおかしいのか?」


「いつもすまない。
こちらはチェ家遠縁にあたる者
墓守りを任せている」


「あん?そこは一緒なのだな。
なれど、時は違う筈ではないのか?」


「あら?、ほんとよね
時が違うのに、墓守りをしてくれる
人が同じ人?なんだかおかしいわよ。
もしかして時空間が歪んできている
んじゃないの?現代と過去を往復
し過ぎてない?。貴女なら
私の言ってる意味分かるよね」


「分かるわ、ウンス。
もしも時空間が歪んだりしたら
どちらかに障害がでたりするのかしら
どうしよう、ヨン?怖いわ。
誰かが抹消されてしまうとか
あり得るのかも知れない」


二人のウンスは互いに意味が分かり
ぶるぶると震えていたが
二人のヨンは声を合わせたように
「「正面突破」」と低い声で
応え、互いのウンスをその広い
胸に囲いその背を撫でている。


「足しげく通わぬ方が
良いのではないか?
互いにウンスがおらぬば
生きていけぬ筈、どうであろう?」


「生きていけぬな。
相分かった。ウンス?良かろう?」


「そうするわ。
私が天門を開く立場だから
極力控える。今日が最後になるかも
知れないし、後数回あるかも
知れないから、ウンス?ヨンさん
戦ばかりだけど、元気で暮らして
欲しい。必ず大往生するまで
生きぬいて頂戴ね。
お互い魂の片割れなんだし
天門の試練に絶対負けないでね
私達も精一杯もがいて
生きて行くからね」


「約束するわ。ヨンに何かあれば
わたしが絶対引き戻す、それに
この人強いから大丈夫よ。
ねぇ、ヨン?」


「無論だ。ウンスを残し逝く筈が
ない」


互いの殿方の逞しい胸に囲われ
二人のウンスは志をともにし
頷いていた。
魂の片割れとの永遠の別れかも
知れないという想いが
天門に消えるまで続き
ウンスは頬を伝う涙を止める事は
出来ずにいた。
渦巻く天門が成りを潜め
その痕跡が残る中
ヨンとウンスは墓参りを終え
家路へと急ぐのであった。

・・・・・

皆様こんにちは。

あらら?天門の試練で
時空間が歪んだのかな?
これからどうなる?怖いね
ウンス。ヨン?しっかり守って
あげてね。


さあ婚儀ですが
私のアメンバー様が997人いますが
1000人越えたらもう募集できないん
ですよね?
もうおいでになられないアメンバー様とか
脱会された方とかいらっしゃる筈
仕事をしていない今の間に
今のアメンバー様を一斉に削除
させてもらい、一から募集した方が
いいのか?悩み中です。

また決まりましたらお知らせ
させて頂きますね。


復活の記事、お話にたくさんの
コメントありがとうございました。
心に染みました。こんな婆さんでも
待っていて下さる読者様が
いるって幸せです。
本当にありがとうございます。



でんべ。