もう少しお待ち下され 5 | シンイ二次小説でんべのブログ

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ウンスは胸を押さえ苦しむ
王様を見過ごす事ができずにいる
だが、ウンスの見立てでは
心不全であろうと
だが、この病はこの時代は
不治の病であり死を待つだけなのだ。

一刻を争うのだ。
ウンスはヨンや王妃様に急ぎ
病状を知らせる。
王様を死なせる訳にはいかない
なんとしても
お助けするのだと、ウンスは
攻められたり懇願されたりと
皆に囲まれてしまう。

「今の所はなす術がありません。
せめて手術ができれば
お命をお助けすることは可能だと
思いますが、道具も無菌室や
麻酔や・・・諸々何もありません
悔しいです。ほんとうに・・」

ウンスは唇を噛みしめながら
床に膝をつきがっくり項垂れて
しまう。

「ウンス…そなたのせいではない
立たれよ。・・・がしかし
何か策はないものか?
ヨン?王様をお助けする打開策は
ないのか!」

「・・・天界!ウンス?
天門はいつ開く?」

「分からないわ。例え開いていたと
してもあの場所まで時間がかかり
過ぎるし、その前に応急手当てでも
出来れば何とかなるのかも
しれないけど、今の設備では
どうにもならないと思う」

ウンスの落胆する姿に
ヨンが動く。

「ウンス?手術とやらをすれば
助かる見込みはあるのだな?
腕のよい鍛冶屋を知っておる故
急ぎ作らせるが間に合うか?」

「急ぎってどのくらい?
二日や三日も掛かれば
手遅れになってしまうわ。
半日も待てないかも・・・
お薬でもあれば良いんだけ・・・」

「投薬の事はわからぬが
詳しい者がおる故、何を用意すれば
よいのじゃ?」

「叔母様、そうですね・・・
私も専門外なので詳しくは
ないのですが、この病は
利尿作用がある物があれば
何とかなるのかと・・・」

肝機能の低下による心不全と
ウンスは目星をつけたようである
その要因のひとつてある
足の浮腫がみられ、少し押してみたが
戻る事はなく、指のあとがついたまま
その状態が続いていた。

「利尿作用とは?」

「と、いえ廁の事です」

あ、成る程と得心したように
チェ尚宮は頷き、すぐさま
王妃様に一言、二言耳打ちすると
一礼すると退席するのであった。

それからもウンスは
典医寺の方々に力を貸してもらい
王様のご容態を注視しながら
最善の処置を施そうと
薬房やそれに詳しいであろうと
トギを捕まえてはあれやこれやと
動き回るうちにチェ尚宮が
戻ってくる。

「マンボから手に入れて参ったが
これを煎じ飲ませると良いとの事
ただ、この世の物とは思えぬ苦さ
らしいのじゃ、大丈夫であろうか?」

「チェ尚宮さん?早っ!
誰かを忍ばせているのですか?
一時間・・・いや半刻も過ぎて
ませんよ」

「愚問じゃな。
王様のご容態を改善するのが
先じゃ、早う飲ませて差し上げねば
なるないが・・・策はあるのじゃな?」

ウンスはこくりと頷くと王様のお側を
片時も離れずに、時にはそのお手を
擦り、時にはお声をかけ励まし
続ける王妃様にこそこそと
耳うちすると、王妃様の大きな瞳が
見開かされたが意を決し頷かれると
ウンスは他の者には退席するように
促すのである。

皆がぞろぞろと退席すると
王妃様は意を決し
真っ黒でとても苦そうな薬茶を
口に含み弱々しく横たえる
王様の鼻をつまみ口を開かせると
少しづつなんども何度も
飲ませ続けていた。

暫くすると王様の眼が
見開き、はっきりとした口調で
言葉をつぐむ。

「王妃よ、余は、余は・・・」

「よう御座いました・・・
廁でございましょうか?
用意しておりますゆえ・・・。
妾は背を向けております…」

王妃はくるりと背を向けると
耳を塞ぎ瞳を瞑る。

・・・ふぅ~~・・・
王妃よ、始末を誰ぞに頼んで
くれぬか?
して、余は如何したのじゃ?

しんふぜんと申しておりましたが
大事ございませぬか?

心の臟の病と言うことか?
侍医とウンス殿を呼んでくれぬか
詳しい事が聴きたいのじゃ

戸口に控えておりますれば
すぐに・・・。

その頃この二人は

王様がお倒れになられた由
貴方様の出番ではございませぬか
現王様が回復なされるには
日にちがかかりましょうぞ
おそれ多いことではございますが
万が一にもお隠れあそばされたなら
好都合ではございませぬか?

な、何を・・・不謹慎なことは
慎まれよ。
誰ぞに聴かれでもしたなら
打ち首になるやも知れぬのだぞ
夜の声は ねずみが 聞く。と
申す事を知っておろうに・・・。

ご心配には及びませぬかと
この室は、王宮の端
だれも近寄りませぬぞ。クックッ

徳将とビジャは闇夜に
どちらかからでもなく
この隠し部屋へ脚を運んたのち
王宮の騒ぎに耳を傾け
心待ちにしていた己の世が
間近に迫っている事を
ほくそ笑むのであったが
それを屋根裏で聴き耳を立ている
忍びが潜んでいたのである。

・・・・・
日本で言う「壁に耳あり障子に目あり」
を、あちらの国では
「夜の声はねずみが聞く」と言われる
ようですが、当時そのように
言われていたかは定かではありません
お話と言う事でお許し下さいませ。

皆様こんにちは。

もう少しお待ち下されを
投稿しました。長い事更新出来ず
ごめんなさい。

年越しイベント参加者様が
今の所、でんべを含め三人となり
ますがまだまだ参加者様を
募っておりますので
宜しくお願い申し上げます。


でんべ。