櫻  1 | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています


「見てよ~!流れ星があんなに
たくさん!あっ、ふたご座
流星群かも知れないわ」

「なんと申された?
星に名前が存在すると言ったのか」

典医寺の屋根に登り
二人は寒空の中肩を寄せ合い星を
眺めていた。遮る高層ビルもない
この高麗は空気も澄んでいるためか
手が届きそうなくらい鮮明に
鮮やかに光を放っている。

「寒くはないのですか?」

「クッシュン…だ、だ、クッシュン。
あ~ぁ・・・寒い!」

王様より医仙と称号を賜った
ウンスに風邪などひかせては洒落に
ならぬとばかりに
ヨンは己の外套を大きく開き
ウンスをその懐深く囲う。

その大きな懐はとても暖かく
懐かしい香りまでウンスを
優しく包み込む。
だが当のウンスは・・・。

『暖かいけど…なんでこんな・・・
か、勘違いするじゃない!
護軍の立場にある人が
ずっと未来から来た
素性もしれない私を陰に日向に
いつも気に掛けてくれて…
この人は私の時代でも名前を
知らない人はいない位の有名人。
で、でも暖~かい・・・。』

ドキマキした胸の鼓動を悟られ
まいとウンスはちらりとヨンを
見上げる。

『まずい・・・お、俺の心の臓が
飛び出す…その潤んだ瞳
その花の香り、そのさらさらな髪
触れてみたい。否、俺とした事が
・・・この方は天界にお戻りに
なるお方…俺など相手にされる筈も
ない。』

「あ、また流れ星!
ねぇ?二人でお願い事を
しましょう?」

「相分かった」

二人は手を合わせ願い事を
胸の内で唱える。

ウンスが見上げた時
その瞳がぶつかり互いに
「秘密」と口を合わせる形となった。

「あっ?秘密??
教えてよ~クッシュン!」

「医仙殿も秘密なのでしょう?
そんな事より降りますよ。
俺にしっかり掴まっていて
ください。暴れたら落ちますから」

「う、うん…」

護軍チェ・ヨンの内功は雷功と
軽功がある。
その身を浮かせまるで空を飛んで
いるように駆け出す事ができるのだ。
ウンスをしっかり横抱きにし
典医寺の屋根から飛び降りる。

ウンスが瀕死の王妃様を救うべく
天界と言われる現代から
拐われたのが、初秋の頃で
年越しまで後数日と迫り
互いに意識し始めたばかりだ。

この先どうなるのか?
ウンスは自身の身の上を案ずる
余裕など全くないが
こうして護られていると思えば
少しは気が楽になるのは事実だ。


・・・・・

皆様こんにちは。

新しいお話です。
お題は櫻(さくら)日本では
桜と書きますが韓国では櫻と
書くらしいです。
桜が咲く頃に天界へ戻るのか
この地に留まるのか、はたまた
予期せぬ出来事が起きるのか
まだ私も分かりませ~ん😅

季節感は違うかもしれませんが
お話と言う事で広い心当たりで
お付き合いくださいませ。

ポチっとして下されば嬉しいです


にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村